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旅路

なんだか、ものすごく侘しい季節です

あったかいココアが飲みたくなります

警視庁庁舎に入って吉野の心は不安定となっていた

どうすれば、この不安から逃げることができるか。今この現状からの打開策が見つからなかった

そして、今自分がどこを歩いているのかそれすらも不明である

「着いたよ、優子ちゃん」

あの時、聞いた犯人の声と比嘉の声が混ざり合い壊れそうになっていた

壊れかけた吉野を見ながら比嘉は自らが求めていた光景を見つめようとした。しかし、そこにあるのは比嘉の望まない光景だった

「どうしてだ」

裏切ったはずの捜査員たちが、比嘉を崇拝していた捜査員たちが皆橘声に耳を傾け捜査一課のあの橘一課長がそこにはいた

「久しぶりだな、比嘉警視監。ずいぶん見ない間にえらくなっちまったじゃねぇか」

挑発的態度を見せる橘にこれまで見せたことのない強い憎しみを見せる

比嘉。捜査員たちが橘の方に帰って行く姿が見るに耐えれなかった比嘉

これまでの計画が崩れ始めているようにも見えた

「これはこれは、橘一課長。捜査会議に出ないものなので放棄してしまったかと思いましたよ。一体どこで何をされていたのですかな」

「ちょっと、今回の事件について独自に捜査をしていました。俺の可愛い部下だけに辛い仕事を負わせるのは司令官失格だと思いましてね」

とことんムカつく男だと比嘉は吉野に聞こえるように会えて少し大きめの声で話をするがその一言・一言に怯えていく

橘は最初から気がついていたのであろう、吉野をじっと見つめると比嘉から奪うように吉野を自分の懐のに収めた

暖かいポツンと呟く吉野、父親の匂いと似ているからか安心感からなのか橘につい甘えるようにギュウッと抱きしめる

「お父さん」

ぐずる声を聞きながらなんとも言えない橘の表情が比嘉にとっては苦痛以上のものである。自分が愛する人が今目の前で他の人間に取られた感触があって自分以外の人間に甘える姿が許せなかった

「俺は、お父さんではないんだがな」

そう言いながら頭を撫でる橘に殺意を感じていく。ドロドロになった歪んだ吉野に対する愛情が今にでも体から溢れ出していきそうで止まらなかった。

「いい加減、そこから離れたほうがいいよ吉野刑事。それにさっきも言っただろ?橘さんの意見には誤りがあるから受け止めてはならないって」

今すぐにでも吉野を奪い取ってやろうと考えたが橘周りにいる刑事たちが比嘉をにらみつけていた。直感的に目的の一部を知っているような気がしたため下手に動くことができなかった

笹野も同じであった、崇拝する比嘉が危機的状況にあり助けを出そうとしても感づいた刑事たちによって行く手を阻まれてる

「みなさん、物騒ですよ。こんなに私の周りを囲んで」

苦笑いを浮かべる笹野に浅野は軽くあしらうだけである

「言い逃れをできないように証拠は固めておきましたよ。それがあなたが私たちに教えたことですもの」

自分が手塩にかけて育ててきた後輩たちに今このようなお礼が渡されたことに笹野は嬉しさ反面、憎悪を表していく。

「全く、良く育ち過ぎましたかな」

今にでも喧嘩が始まりそうになっていたが榛原が現れて比嘉に耳打ちをすると渋い顔を見せて荷物をまとめ始めた

「申し訳無いのですが、長官から呼ばれましてね。今回はここで失礼します。今度ゆっくりお話ししましょうか。」

その場から逃げるように比嘉は出ていこうとする最後に吉野の方を見てどこか物悲しいように見つめ消えたのだ

「もう行ったぞ。そろそろ顔あげろよ」

「申しわけありませんでした」

そう言いつつも本当は目を真っ赤に腫れさせて泣いているのだ

面接と謳って本当は吉野の心を壊すのが目的だったようだ

刑事といえど一人の人間、決して強くはない心を弄んでいる比嘉にただ手をこまねいているわけではないがそれでもやはり今吉野のことを考えると匿うことしかできない。自分の無力さにただ橘は吉野に対しての罪悪感を覚えていることだけが精一杯だった。

「すまないな、優。何もしてやれなかった。」

安心したのも束の間だった。若手たちのたまっていた橘に対する鬱憤が爆発してしまったのだ。自分たちを放ってどこかに消えたことが不安となり失望に結びついた、その後にやってきた比嘉に心を魅入られて橘を絶対悪に置き換えてしまった。その代償がこの状態だった。

「すまなかった。少しでも捜査に役立つ情報を・・と思って自分勝手に動いた結果だ。許せとは言わん。」

捜査員たちの鬱憤冷めやらぬまま時間だけが過ぎて行こうとしていた

時だった保管庫にいた下川と李が慌てて帰ってきたのだ

「橘さん、やりました。見つけました!」

何事かと思い捜査員たちが二人の周りを囲い何事かと問いただし始めた

「浅野さんの言った通り、刃物に通しの番号が書いてあってその番号が連続していたんで、メーカーに問い合わせたら、四年ほど前に大量購入した人物がいると帰ってきたんです」

やったぞ、でかした!という捜査員がいる中で浅野は下川が作成した書類に目を通した。今回の事件で使われた刃物の通し番号に目を通していたのである。

「これ下二桁が・・・最初の事件で使われたのが01番で始まっていてその後連続であるとするならば・・優子ちゃんがこの前いったように犯人はコレクションしている?」

ある意味、吉野の読みは当たっていた(最初の方に書いていたのでそちらを参考にしてください)

そして、通しの番号を仮に今までの事件の発生場所と合わせて見ていくと浅野の中でつじつまが合うのだ

「それか、刃物の通し番号順に殺して言っているという可能性もあるぞ」

島津も資料を覗き込みながら通し番号の意味を解読したようだ

「そういえば、笹野刑事はどこにいる!」

さっきまでいた笹野は一瞬の隙をついて逃げたのだ。この事件の中核に笹野はいて比嘉と共謀して事立てた。そして被害者をその手で殺めて言った。その証拠が笹野が逃げたという現実である

「探せ!このままだと取り返しのつかないことになる!」

萩原が号令を発し捜査員たちは調べがつく限りの場所を探し回ったが霞のように消えてしまった

次の行動の予測は大体ついていた、比嘉とともに再び何か事件を起こすに違いない、ただ漠然とだがそれだけはわかりきっていた。そうとだけわかりきっていた

時刻は夕方を周り引き上げてきた捜査員たちは首を横に振っていた

「やはり見つからなかったか。見つかり次第、最重要人物として取り調べを行うとする」

ぼんやりと橘は窓を見た。橘も笹野の裏切り行為が辛かった、余り捜査を行うことがないもののいざという時はとても活躍して、若手捜査員たちの教官としてもとても信頼を置いていた。そこにいたはずの安息がいなくなってぽっかりと穴が空いたような感触が捜査員の中で広がっていた

「こんな時にいうのは気が引けますが」

重苦しい、空気の中吉野は橘デスクの前に立ち何やら紙を持ってきたのだ

「これは、休暇届か・・いく決心がついたのだな。あの場所に」

「自分は、あの時何があったか、本当のことを・・抜け落ちた部分を取り戻しに行ってきます。」

橘は捜査員たちを見渡し一呼吸置いて数回ほど撫でると思いつめていたものをそっと語り始めた

「ずっとお前に辛い思いばかりさせてきた。あの時何もしてやれず、ただ側で見守ってやることだけだったからな。行ってこい。全部終わらせてこい」

吉野は思いつめていたものを出し切ってそして一人最初の場所に向かうことを決意した

この時、真実が残酷であることを知らずに


人物設定

吉野優子

奈良出身にしたかったので奈良の地名を使って吉野にしました 優子は思いつきです

李龍一

鹿児島弁なのは理由があってです、警察組織を作ったのは当時の薩摩、今の鹿児島でそこを強調したかったためです

龍一というのは小学校の図書室にあった韓国人の少年が龍一という人がいたためそこから

下川春人

下川というのはあるドラマで出てきた人から借りました。元気で明るい人という意味で春人にしました

実は長門洋子が好きだったりして

浅野基

浅野は浅野公方からいただきました。基はその人を基軸として・・という意味を込めてです

島津隆久

本当は島津貴久という方にしたかったのですがそれではなんというか厨二すぎるかなということで

ただし、血の気の多い島津を描きたかったというのと登場人物の中にSAT隊員という設定は最初からしていた人物です

橘信義

登場人物の中で植物の名前を用いたいということで橘をつけました信義は人を信じるということで決めました

比嘉雅仁

沖縄県で多い名前をつけました。雅仁は美しい人という意味ですが実際は

と行ったところです

榛原沙耶

榛原は駅名で決めました

沙耶というのは可愛いかなと思って・・・すんません



次回から本格的に戦いが始まります

よろしくお願いします



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