事情聴取
最近アイスを食べないと乗り切れないという自分の怠惰の部分が見え隠れしています
そろそろ夏休みですが予定立てられましたか?
吉野と島津そして所轄署の刑事二人と共に早速、凶器のメーカーについて一番この国家の中で詳しく知っているであろう吉野の父、そして兄弟のいる防衛省に向かう。
この時、島津の顔色から元気というふた文字はことごとくなくなっていたのだ
所轄署から同行していた河野と若手刑事が不安そうに島津の顔を見るもやはり防衛省の建物に近づくにつれてなんども行きたくないと連呼するのである
「いったい何があったんだいにぃちゃん?そんなに自衛隊が怖いのかい?」
この時吉野には心当たりがあった、一番上の兄のことである。
「あいつのせいか」
若手職員も首をかしげて不安そうに今度は吉野の方を見た
ついたと吉野が大きな鉄杖門の先に見える大きくそしていかにもこの国の防衛の要とも言える建物の先に目を凝らした
それと共に島津はアァァァッァァァッァぁと声にならない悲鳴をあげていたのだ
「いったい何があったんですか?」
若手刑事が島津の方を苛立ちながら見ると壊れかけの笑みを見せて今にも逃走しそうな体制を取っていた
「これは私が機動隊にいた時のことでした」
これは私が機動隊にいた時のことでした(本当はSATにいた時のことです。ここは想像にお任せします)
私たちは自衛隊とある一定時期になると合同訓練を行うのです。その時、ある隊員と私は仲良くなり次第に飲みに行くまでに良い関係を作ったのですが1年ほど前そんな時期に事件が発生したのです
ある夜、なんとなく駐屯地内を歩いていると何やら声が聞こえてきたのです。最初はただの世間話だと思ったのですが近づくにつれてその声は男の何とも言えない唸り声でした。その時私は微妙に空いていたドアから見てしまったのです
その人が自分で自分を激しく慰めていたことを、私は気付かれまいと思い足音を立てないようにこっそりと逃げたはずでしたが手首を握られた感覚があって振り向くとそこにはさっきまで己を慰めていた男が物欲しそうに俺を見ていたのです
気がつく私は医務室で眠っていました、結局何があったのかわからずじまいでしたがその手に握られていたのはその男の携帯番号とネールアドレスが書かれたメモ用紙だったのです
「・・・・・いや、なんでほん◯わ風!」
吉野の多分誰もが思っていたことをあえて突っ込んだのだ
「わかりますけど。それとこれとなにが関係しているのですか?」
「その人の名前、教えてあげようか?」
3人が生唾を飲み込んだときギィィィと重たい扉が開きやってきたのは30歳から35歳くらいの男であった
「久しぶり、元気にしてた優子?」
濃い緑の制服と制帽、オールバックで7:3に分け垂れた髪の毛なんとなく吉野に似ている顔立ち一瞬で親類関係であることを悟らせた。
「吉野岳明です、妹がお世話に・・・・島津くん?」
そうこの本こ◯風に島津が語った犯人の男は吉野岳明のことであった。
「島津くん久しぶりじゃないか。いやぁ君が刑事課に行ったと風の噂で知った時は驚いたけど、スーツ姿もとても似合っているよ。ところでどないや?一発逝っとく?」
島津がいまいも逃げ出しそうになった時だった馬鹿者!と怒鳴り声をあげたのは50代前半のこれまた制服に身を包んだ男であった
「ようこそ、お三方。優子は久しぶりやな。私が今回君たちの捜査に協力・・と言っても刃物のメーカーだけだが吉野泰貞だ。」
門前にいた警備の自衛官もたちが一斉に背筋を伸ばし敬礼をしていた、それもそのはず、彼は陸自の幕僚監部だからだ
「警視庁新宿警察署、刑事課の河野と申します。」
「部下の柴田です」
「警視庁、本部捜査一課の島津隆久です」
「警視庁本部捜査一課の吉野優子です。ただいま父さん。」
はっはっはっはと笑うものの岳明には違った
「このバカ息子。いったいどんだけの人に迷惑かけたら気がすむねん。島津くんになんかやったんか?」
違うってちゃうってと叱られてなんとか言い訳を作って逃げようとする子供のように見えていた
吉野たちが防衛省に到着した頃、浅野、下川の二人は最初の事件があった新宿歌舞伎町2丁目にいた
というのも最初の事件の第一発見者である金子アンダーソンの元に調書を取りに行くためだ
店の前は見る間ということもあってか行き交う人は多いものの夜の時間帯に比べてさほど多いと感じなかった
二人は路地の方に進んでいき住所に書いてあった金子がいると言われている店に着いた
「すっごい装飾品の数々だってばよ」
何年も前から店は回転しているのだろう外壁の色が少し汚れているが夜間に目立つためかネオンや電光掲示板の数々、いかにもと言う店の佇まいであった
「スナック、ハネムーントリップ・・か。店の名前と店の趣旨が違うような」
若干店そのものに引いてしまったが意を決して店の中に入ると外の外見と違って中は落ち着いた雰囲気のであった
「あぁら刑事さん来てくれたの?ほらマリリンちゃんも挨拶しなさぁい」
最初に会った時と同じ顔はいけるが体格は筋肉質の男というもので、そして愛犬のチワワ、マリリンも看板娘というようにかしこまった雰囲気である
意外にも下川が驚いたのはこのスナックで働いていたキャバ嬢は激しい化粧をしている人はいないそして、女装をしている男性の両方がお互いに楽しく仕事をしているということであった
「ここはねぇ、いかにもキャバ嬢とか荒稼ぎしてやるとか言ったのは採用しないのよ。女の子の中にはシングルマザーさんだっている、おかまの子たちの中には生活に困窮してここで働いている子だっている、そういった子たちに手を差し伸べているのよ。」
浅野も自分の中のスナックのイメージがつかない、様子でいた
「他のキャバクラみたいに女の子たちやおかまの子が傷つかないようにこっちはしているの。休みだってちゃんと出す、子供が熱出したとなったら休ませてその分の給料も出すし、いつかこっちの、水商売からきちんと縁が切れるまで私は見守っているのよ」
二人は金子の言葉になぜか暖かな気持ちを覚えたこの人は強い人だと
「早速ですが、あの日あったことをもう一度お話ししていただけますか?」
「もちろんよ。それに一度体験してみたかったのよ、事情聴取」
そうね散歩に行ったのは朝の8時くらいでマリリンちゃんの散歩コースを歩いていたんだけど行く時はその路地の中には誰もいなかったのよ。10分経って帰ってくる時にマリリンちゃんがいきなり吠え出したから中まで入っていったらそこに死体があったってわけ、ロープで縛られたあれがね。
殺されてたのは前も言ったとうり喫茶夜の蝶の店長だった南宗平だったの
下川と朝野はお互いに顔を見合わせて証言に間違いはないものの時間帯が朝方であったことで証言に乏しく金子の情報だけではまだ足りない部分が数多くあることに難色を示したのだ
「それ以外にも変な音とか事件前日に不審な人物を見ませんでしたか」
朝野は金子の様子を伺うもやはりそれ以上は何も見ていないという顔をしていた
そんな二人の様子を見てか、金子は店の従業員を集めてどこかに行かせた
「あの?一体どうしたのですか」下川が不審そうに金子を見ると金子はニヤつきながら二人を見た
「おかまをなめないで、私たちの縦と横のパイプは強いのよ」
朝野はこの時、彼が従業員に命令して他のスナックやおかまバーに情報提供を持ちかけさせていたのだ
それから5分後、従業員は大勢のおかまやスナックのママ、キャバ嬢にバーテンダーを引き連れて店に戻ってきた
「こんなに人が大勢」
下川は驚きの色を隠せず口をぽかーんと開けていたざわつく店内に老若男女関係なく終結していた
金子が一斉に店に響くように声を上げた「
「はぁーい!みんな来てくれてありがとぉ。今ここら辺で事件があったのみんな知っているでしょ、だからみんなの店の子たちや友達、常連の人に声かけまくって情報持ってきてちょうだい刑事さんが困っているの。みんなで力を合わせて手伝ってあげて!」
どこからともなくワァワァ騒ぐとおかまたちが一斉に下川たちの方を見てくる
「基にいちゃんこれまずくないか?」
「大丈夫だよ。多分」
すると彼らは店の名前が書かれた名刺を持って颯爽と店から出て行った。おまけに携帯番号が描かれている
「これって?」
二人は金子を見ると金子も驚いていた
「あらやだあの人たちみんなあなたたちのことを気にいってしまったみたいね」
名刺の数々を見ながら朝野たちは帰る支度をしている時であった
「せっかくだからご飯食べて行きなさいよ、刑事さんたち最近偏った食事しかしていないように見えるわ」
なんでわかったのだろうかと不思議に思っていると女性従業員が二人分のサンドイッチとコーヒーを持って奥の厨房から出てきた
「この子桜井美希っていうの。昔はフレンチレストランで働いていたんだけど、そこがブラックでやめてここにきたの。可愛いし料理も美味しいから食べていって」
おき使いなくと言おうとしたが二人とも朝が早かったため朝食を食べていない、そして調書作成の時にお腹がグゥゥと鳴らしていたのだ
「ではお言葉に甘えて」
二人はサンドイッチを一口頬張るとその美味しさと空腹からがっついてしまった
サーモンとトマト、生ハムとレタスモッツァレラチーズのサンドイッチ、そして王道の卵サンドが二人の空きっ腹にガツンとくるのだ。さらにアクセントとして入っていたマスタードや胡椒がさらに食欲を駆り立てた
「うま、うま」
よほどお腹が空いていた下川はリスみたいに頬張りながら美味しそうに食べていく
浅野も下川みたく頬張ってはいないものの美味しそうに食べていく。その姿を金子や桜井、多くの従業員は微笑ましく見ていた(アァ恥ずかしい)と朝野は感じているもののまんざらでもなかった
「そういえば、この前も警察の人が来たのよ。」
「どんな方出したか?」
浅野が食べる手を止めて聞きいてしまった、あいつでないことを祈って
「なんかね、あなたたちの他にあの日メガネのこと女の子が聞きに来たでしょう?その後店の準備してたら、背の高くてハンサムな人が来たのよ。ちょっと外人さんみたいな顔してる人、でも事件のことを聞いた後に現場でのあなたたちのことを聞いてきたのよ。(不適切な対応をしていなかったか)って」
「他には?何か聞いていませんでしたか」
「なんかね、死体を見てどう思ったかとか聞いてきたのよ。なんだか気味悪い人でね、おまけにしたいのはないをしている時なんだか笑ってたし正直に怖いって言ったらため息つかれたから腹たっちゃって」
二人には心当たりがあった、あいつだあいつが来たに違いないと
「確か名前はなんだったかえーっと?思い出せないなぁ」
そう言っているとおかま従業員が名刺入れを持ってきて二人に見せた
「確かこの人です。あの人本当に怖かったですよ、人間じゃないみたいで。きっと悪魔に違いないわぁ」
金子もそうそうこと人と名刺を指差していたのは二人が思っていたあいつであった
警察庁総務課次長 警視監 比嘉雅仁 と書かれていたのだ
「この人知り合い?だったらあまり付き合いを持つものじゃないわ。そういえばもう一人来てたわね」
「女性の方ですか?」とサンドイッチを無理やり飲み込んで食い入るように下川は質問をした
「いいえ違うわ、男の人よその人と一緒に来たの」
金子が指差した名刺に書かれていたのは意外な人物であった
警視庁本部 捜査一課 会計係 笹野博
「なんで笹野さんがここにきてんだ?それになんで比嘉ときたんだ?」
下川の考えていることをよそに不穏はそのベールを脱ぎ始めた
時間はもう逆戻りしないことを刑事たちの心の中に後悔と恐怖、そして服従の文字が浮かび始めていく
「サァ始めよう。新しい世界の始まりだ」そう誰かがつぶやいていく
久しぶりに下川と朝野を大きく取り上げて書きました
橘と李はどこに行ったという感じです
次回はそんな二人が登場します
ところで笹野さんは一体なぜ比嘉とともにきたのでしょうかね
間の言い方はそろそろSの正体がわかるんではないかと思います
Sは捜査一課内にいます。ぜひ探していてください




