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ブランデーと魑魅魍魎

気がつけば7月です

とうとうセミが鳴き始めました

そのせいで暑くてたまらないのにもっと暑く感じます


夜は昼間とは違った印象を持つ東京という町を高層階のマンションからゆっくりと見下ろすように比嘉は窓の近くに全裸で立ち、あるノートを開いて愛読書のように楽しげに見ていた

「夜は昼と違って人々のいろいろな本性が浮き彫りになってくる時間でもある。それに犯罪だって起こりやすい」

そして比嘉はパラパラとノートをめくりある1ページを何かを発見したかのように覗き込んだ

「僕の事何度も夢で見ていてくれていたんだね。嬉しいよ」

再び比嘉は窓の景色を光り輝く東京というネオンに目を向けた

その明かりによし知れるため比嘉は部屋の電気を全て消し椅子に腰掛けるとテーブルに飲みかけていたブランデーをゆっくりと味わいながら喉を潤す

「ねぇ、もし本当にあの時のことその左腕につけた傷の意味、俺のこと何もかも思い出したらきっと今以上に楽しくなってしまうのだろうね」

ブランデーの入ったグラスを窓の外に映る世界に照らすようにそっと回していく

「明日から僕と優子ちゃんのための世界を構築する記念日と称して乾杯だ」

 

一方捜査員の半数は一度警視庁本部に戻りあらかたの者は自宅へと帰ったりそのまま残るものもいる

吉野は一度昼間に出した紅茶の缶を食堂で働く長門に返しに行った

「怒ってるやろうなぁ、根に持つとおっかない子やし」

長門の鉄拳は警視庁の中では恐ろしいと有名でさらに警視総監にも(自分の命が何個あっても足りない)と言われているのだ

「だからって元SATの俺を連れて行くのはどうかな?俺だって殺されかねないのは」

島津の背に隠れ食堂に向かった、第一声に島津が語ったのは(彼女がそうかな)という言葉であった

堂々と入り口の前に仁王像がごとくそこに立っていた

「うわアァッッッァアア」

というわけのわからない悲鳴をあげ逃げ様とした時だった

鉄壁の壁と言える島津が忽然と目の前から消えていたのだ、どこに行ったのだろうと思った矢先その声が吉野の後ろにあった

「さぁ、自分の手で渡しておいで、俺ここでみとくから」

どす黒い笑顔と完全に逝っちゃった目、さらに右親指は完全に下を向いたグッドマークを作っていた

「お願いです島津さん助けてください」

助けてとはなんだ貴様と殺気がこもりさらに笑顔とは程遠い笑顔を浮かべじりじりと詰め寄ってくる

逃げようにも体が全く動かなかった

そうか島津さんあなたは私が苦しむところが見たいのですね

理由は簡単だった

足が動かないようにきっちりと足首を片手で固定しさらにもたれかかってもしっかりと体を支えられるようにもう片方の手で背中を強く押していたのだ、つまり機動隊員が大楯を持ってガードを固めているその体制をイメージしてくれるといい

「覚悟はできたか?歯を食いしばれ!」

その1秒後ものすごい鉄拳が炸裂したが倒れることはなくもう一発、もう一発と最終的に三回の鉄拳が吉野に炸裂したのだ。下手なミリオタであった萩原が命名したのはかつて旧日本海軍に存在した戦艦と同じ名前であることとその自慢の主砲とかいろいろちなんで「41センチ主砲パンチ」または「戦艦長門パンチ」と名付けられた

完全に気絶した吉野を支える島津もそのえげつない音を聞いたため完全に萎縮どころか命が何のあっても足りないと思ったのは言うまでもなかった

「エグいパンチだな」

そっと地面に吉野を置きそそくさと逃げようとした時であった長門はそう簡単に帰すわけでもなかった

「もっと支えていてくれないか。もっとこのバカの精神に闘魂を注入しないといけないのでな」

あかんやろ〜〜〜!といって脱兎のごとく逃げようとしたがそれに気づいた長門が襟首をつかもとした時であったがすっと避けられ伸ばした腕を掴んで長門は気がついたときには地面に顔が付いていた

「一体なんだ。何があった?」

今まで長門には警視庁にいるほとんどの職員が敵わなかったのだが一瞬で制圧されたという表現が正しいほどただなすすべなくその場に説き伏せられた

「ダメだよいきなり首根っこ掴もうなんて。あぁ〜!怖かった怖かった。」

にこやかに笑うが長門はあることに気がついた。そして同時に全身に寒気を覚えたのだ

(こいつ只者ではない、この一瞬でわかったこいつは殺意の塊を持ち合わせているのではない。このタイミングに移動なんてありえない、手がつけられなくなって捨てられたのではないこの殺意に飲み込まれることを恐れてここにきたのだ)

そして長門はさらに自覚することがあった、手にかかる力加減全身に力を加えても動くことができないほどに関節を封じ込めていること、一番感じ取ったことは島津の両肩にはそれはそれは多すぎるほどの魑魅魍魎がへばりついている。

「只者ではないな。おまえ」

「そんなことないよ、そろそろ関節が痛み出しただろう?今立たせるから待ってくれ」

立たせると言いながらでも完全に力を入れさせないように強い警戒感をもたせてくる感覚で胸を締め付けてきた

ちょうど立たせた時に吉野も立ち上がり放心状態でいた

そして吉野は長門を見て後ずさりをし紅茶の缶を返さぬまま逃亡を図ろうとしたが再び拘束されひどく説教を受けた

「ったくおまえは一体何をしている!ちゃんと定時道理に返してくれさえすればここまで説教を長ったらしくせずとも良かったというのに」

「ごめんごめん。こっちも捜査会議があってすったもんだしたから返すタイミング忘れてたんだよ。過失だよ過失!!」

この大馬鹿者ガァァァと叫ぼうとしたが島津との一戦で関節があまり動かなかったため胸ぐらをつかまれさらに凄みをかけた

「今回のことは罰を受けてもらう。そして誠心誠意その罰で返してもらうぞ」

「ハイィ長門さまぁぁもう悪いことはいたしませーん!!!!!」

ヒィィィとガクガクブルブル震える吉野をよそに足音を立てぬようにそうっと逃げようとしたが首根っこをつかまれて振り向くとものすごい笑顔で立つ長門がいた

「そういえば思ったんだけど長門さんって胸おっきっっっっっっっっっ」

この後島津は吉野とともに罰と称して紅茶のシフォンケーキを夜の10時までかかりながらせっせとこしらえて行った


この時刻に警視庁の屋上にグラスを片手に東京タワーとスカイツリーにかざしながら男は誰かに忠誠を尽くすように一度口に含み空中に放つようにグラスの中に入っていた液体を投げた

「忠誠とは恐怖心からやってくる、最初にあなたに見初められた時は恐れ多く近寄れなかっただけど今はあなたの右腕として職務をこなせる。だから汚れ仕事だってなんだってやってのけます、ですからあなたの夢を吉野さんとの幸せを掴んでください」

深く深呼吸するとそこにはさっき中にまった液体の匂いが鼻を通し肺に満ちて行った

「あまりブランデーというものには好かないな。アルコールの度数がきついからな。比嘉さんはなんであんなにきつい酒なんで飲めんだよ。」

なんだかんだその男は文句を言いながらも屋上から抜けて捜査一課のあるフロアに戻っていった

その夜は殺人事件などの重大な犯罪は一切起こらなかった


日が昇り捜査一課のフロアには大勢の捜査員が集まっていたが島津と吉野の姿は全くない代わりに警視庁庁舎にはほんのり甘い香りが立ち込めていた

一体何事かと警視総監が見に行ったところ二つほど屍がそこにはいて書受動のテーブルには計50個ほどのシフォンケーキが置かれていた

その噂も聞きつけた橘が確任をおこなうと島津と吉野が食堂で眠っており困った長門がそのまま放置していたのである

「これはこれは屍が累々。おっさん間違って墓場に来てしまったかぁ」

何かを勘違いした鑑識が臨場して刑事ドラマで見るように二人の周りに白いロープで線を引きA B Cさらに数字が書かれた黒い小さなプラスチック製のカードを立ておまけに写真を撮られる始末であった

「これは、警視庁始まって以来の失態だ。決して外に出ないように」

と警視総監がぼそりと呟くがそれはできたてのシフォンケーキに甘さ控えめに仕上げた生クリームが添えられた長門シフォンのことを言っていたのだ。

「うまい。いくらで販売する予定かな?」

「300円で販売します。税込みで」

そう警視総監は大の甘党であり屍については全く興味を示すことはなかったのである

鑑識職員が二人を揺すり起こすと二人はぼんやりと目をあえて自分の置かれた現状に気がつき雄叫びをあげてそれに便乗した鑑識職員も奇声をあげたのだ

「なんだよ俺の初めてが欲しいのかヨォォォォ! 俺の初めては彼女に捧げるって決めたから絶対やるもんかよぉぉぉ」

わけがわからない奇声をあげ吉野は再び壁に寄りかかり鑑識職員に向かって

「私のこと乱暴する気でしょ!!エロ同人みたいに!!!」

一体ないにインスピレショーンを受けたのかわからないが新人鑑識職員に対して言ってしまいそこにベテラン職員がやってきてまた何に感化されたかわからないがだが断るとさらりと言ってのけたのだ

一体どうしたらいいのかわからないがとりあえず橘は二人を立たせると島津の肩を支え食堂から出て行った

吉野も出て行こうとしたが長門に呼び止められたのである

「なんでしょう長門様」

「私は、今まで何人の人と総合格闘で戦ってきたが島津というものは今まで戦ってきたものとまったく違う」

まぁ強いと思うでと言おうとしたが再び胸ぐらをつかまれ冗談だろうとした時に今まで長門が見たことがない目つきで真剣にまるで警告をするように話しかけた

「島津は例えるなら魑魅魍魎そのものと考えてくれ。決して心に隙を与えるな、そして気をつけろ。今度ばかりは何があっても助けてやれんからな。自分の命は自分で守れ、いいな」

勢いよく手放すとそそくさと食堂にもどってしまった

「どないしてんな。何があったん?」

吉野はそのあと詮索することなく捜査一課に戻ったが長門が言った魑魅魍魎という言葉に喉元が突っかかる感覚を覚えたが自分の命は自分で守れという言葉の真意が約1時間後にそれが身にしみて起こることは言うまでもなかった


今回は長門パンチについて書きました

もしムカつくこと変な人に襲われそうになったら皆さんも長門パンチを使ってみましょう

きっと吉野のように気絶します(多分)


来週はまっぱの比嘉さんが出ます。か弱い榛原沙耶ちゃん(いじめたい)も出ますので宜しくお願いします

比嘉が登場する時は決してまっぱではありませんのでご注意ください

ゆえにポロリもありません


では来週もサービスゥサービスゥ

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