08 こうして危険もやってきた
朝、暗雲はまだ消え去らず、依然として濃厚に空を覆っていた。鮮血が流れ出し、灰色のセメントの上で、音もなく広がっていく。
目を開けると、煙雨の流れる雲が目に刺激を与え、鼻息には血の匂いが刺激し、そして絶望的なまでの鮮紅色……
心の中の恐怖の念を必死に抑え込む……
……
「本当に何も知らないのか?」
阿福は私にそう言った。
そして隣の若者が阿福の肩を叩いた。
「もういい、阿福、やめろ……彼とは関係ない、流れ弾だ。」
若者はその死んだ者の頭をそっと横に向けた。赤い血が額から流れ出ている。
「ああ……もういい。みんな散れ……」
若者は手を振った。
「阿福、お前と俺でこいつを巻いて埋めよう。」
河馬は目の前の鮮紅を見て、阿福と若者に言った。
「一体どういうことだ……」
若者は河馬を見ず、ただしゃがんで目の前の死体を見ていた。
「どうということもない……おそらく朝の見回りの時、遠くの交戦の流れ弾が頭に当たったんだ……」
河馬は阿福と若者が無表情でその人の下にむしろを敷くのを見ていた。
「これで、終わりか……」
若者は死者の脚を押し込んだ。
「これで……他にどうしろと……」
そして狠狠と死者の体をひっくり返した。
「でも……人が死んだんだぞ……」
むしろはそっと巻かれ、外の清風とともに。
「ああ……」
若者はそう答えた。
風がそっと隙間を吹き抜け、ひゅうひゅうという音が耳元を漂う。
阿福とその若者は一人ずつむしろの端を持ち上げた。阿福は河馬のそばを通り、手でそっと河馬の肩を叩いた。
「心配するな、傅月が言ったからには、俺がお前を守る……」
そのたくましい姿が、聞き取りにくい声で微かに私の耳元で言った。聞こえぬほどの呼吸が凛凛と響き、空に漂う強い風とともに。
空が「ごろごろ」と炸裂し始め、また雨が降りそうだ……
「ゆっくり慣れればいい……」
黒いデニムの夜が河馬の背後で重々しく言った。
「いつもこうだと、壊れてしまう……」
河馬は目の前のすべてと、むしろから絶えず滴り落ちる鮮血を見ていた。
口の中で震えながら言った。
「でも……人が死んだんだ。」
夜は手を河馬の肩に置いた。
「人はみな死ぬ。たとえ戦争がなくても、壊れた常明灯の下を歩く誰もが慌ただしく通り過ぎる。目の前の人間だけではない……」
夜は河馬の背中を見てそう……
「何を言ってるんだ?」河馬は微笑もうとしたが、その声はとても硬かった。
夜は一瞬止まり、彼女は遠くの雨風が来そうな空を見ているようだった。
「目の前の人間だけではない。お前も私も、ここで死ぬかもしれない……」
河馬は何か言おうとした。
しかし最後まで声に出せなかった。
まるで説明のつかない鐘の音が内心を打ち叩いているかのように。
「彼が不注意だったわけではない。ただ運が悪かっただけだ……」
「死を恐れるより、死ぬ前に何をするかを考えたほうがいい……」
夜の声はこれほど消え入りそうで、いつでも散ってしまいそうだった……
まるで空のいつでも消え去る雨粒のように。
河馬は何か言おうとし、拳を握り、何かを思い出したようで、また何かを忘れたようだった……
彼は背後のあの感覚が次第に消えていくのを感じた。まるでいつでも暗闇に溶けて消えてしまいそうに……しかし彼女はまだ遠くへ行っていないと分明に感じた。
「冗談だろう?」
河馬は振り返った。あの奴は相変わらずあの**で拽拽とした様子だと思っていた。
しかし瞳に映ったのは、分明に真っ白な顔だった。深い瞳孔の中は無神で、まるで整个人間が壊れてしまったかのようだった。
夜は自分を見て、髪はすべて後ろに梳かれて……全身に独特で内敛な感覚があるようで、なぜそんな錯覚がするのかわからない。
「Maybe yes, maybe no.」
そう言うと、静かに背を向けた。
完全に暗闇に溶けていった。
あの表情は一体どうしたんだ?何があった?
なぜこうなる?
あの目……
生離死別を見てきたのか、それとも……
俺は……
河馬は首を振り、思った……
なぜ自分はこんなことを考えるんだ?
わからない、本当にわからない。
まるで目の前のこの廃墟のように、突然気まぐれで上から飛び降りたくなっても。
「ぱちゃ」という音を聞ける機会は多くないだろう。
空中に漂う一瞬、遺世独立を求めるのか、それとも一瞬で飛び去りたいのか。
しかし……結果は多半、百合の花のように扭曲した鮮紅を残すだけだろう。
なぜ、人は死ぬのか?
そしてなぜ、こんな無意味な行為を求めるのか……
……
「夜、お前と俺で資源探しに出る。」
阿福は私にパンを一つ渡し、そう言った。
「ああ……」河馬は密かにうなずき、その口調からそう鼻を鳴らした。
「遅かれ早かれこの関門に向き合わなければならない……早く向き合ったほうがいい。」阿福は硬くなったパンをかじり、絶えず水で柔らかくしてから、口の中で咀嚼していた。
河馬はパンを食べながら、小さくちぎっては食べていた。
「わかってる……」
瞳は地面を見つめていた。
暗闇は内心を覆う陰霾のように、彼を息苦しくさせた。
「傅さんは?」
河馬はその言葉を聞き、そして何気なく尋ねた。
「そのことは聞くな……」阿福は河馬を見て、最後にそう言った。
河馬はパンを一口かじり、最後に言った。
「俺はそんなに脆くない。少なくとも何が起きたか知りたい。」
阿福は考え、最終的には言った。
「彼はある故人の家の事情のために奔走している。」
「それだけか?」河馬は考えて言った。
「それだけだ……少なくとも今はそれだけだ。」阿福はパンを丸々一個食べ終え、手をズボンで拭き、銃を手に取った。とても手際よく銃を弄り始めた。
河馬は「今は」とはどういう意味かと問い返したかったが、その時は敢えて聞けなかった。
「資源探しは複雑だ。準備をしたほうがいい。」
阿福は河馬をちらりと見てそう言った。
「どんな準備だ?」河馬は答えた。
「俺たちは九時に出発し、午前四時に戻る。まず寝ておいたほうがいい。夜に疲れ果てるなよ。」阿福は背を向けて河馬にそう言った。
「それ以外は?」河馬は問い返した。
「ない……」阿福は首を片方に傾け、そのまま立ち去った。
河馬は自分の頭を撫でた。まだ起きてそんなに経っていないのに、また寝るのか?
今寝たら、おそらく本当に眠れないだろう。
考えた末、まずは歩き回ることにした。
少なくとも何か起きた時に、訳も分からずということを避けるために。
そういえば、まだ二日目で、この廃墟の構造がどんなものかも知らない。
建物全体はそれほど大きくなく、二階はとても開放的だがそれだけのことだ。いくつかの部屋に人がいるようだが、それ以外には誰も見かけない。
三階はさらに自分一人だけだ。
では……一階を見てみよう。
河馬は階段を下り、一階もまた特に変わり映えしないことを発見した。あの辺り一面に積み上げられたゴミの山と廃材が一階全体を真っ暗にし、ほとんど手の指も見えないほどにしている。たとえ昼でも、やっと大体が見える程度だ。
本当に、そんなに多くの人はどこへ行った?
河馬が少し疑問に思っていると、足元からかすかな音が伝わってくるのに気づいた。
しゃがんだ。
感じてみた。
首を傾けると、階段の下に大きな穴があるようだった。
しかもそこには下へ通じる梯子があった。
河馬は最初疑問に思ったが、最後には下がぼんやり光っているようで、降りて見ることにした。
梯子は木製で、踏むとぎしぎしという感じがあった。
下に着くと……
「これは一体……」
彼は目の前の、真っ暗なのにどこか果てしなく広がる感覚のある地下を見た。
地下は想像よりもはるかに広かった。
しかも、入った瞬間に何かとても違うものを感じた。
傍らに一群の人々が、ぼろぼろの鉄板で作られた仕切りの中、一つのテーブルで薄い茶を飲み、碁を打っている?
こんな環境の中で?
自分の到来を見たようで、最初は警戒し、後に何かを思い出したように首を振って自分を構わなくなった。
そして自分も適当に前進し、三々五々の灯りが目の前に溢れているが、いつも薄暗い白熱灯ばかりだった。
ただ遠くの一箇所だけが、かなり立派なようだった。
しかもどうやら……
河馬は次第に前に進み、ついにその光る場所が見えてきた。
隣の場所が難民窟なら、この場所はまさに超現代と言えるだろう。
河馬はもともと入るつもりはなく、むしろ少し怖かった。
しかし……
一路誰も自分を止めないのを見て。
自分はやはり勇気を振り絞って入っていった。
そのドアを押し開けると、床には清潔な白いタイルが敷かれ、誰かがわざわざモップをかけたようだった。
「パン!」「パン!」「パン!」
まず目に飛び込んできたのは、あの巨大なガラス。
そして中の練習用射撃場。広い日光灯が中を明るく照らしている。
そして中のあの姿は——夜?
彼女は片目を遮る半透明の鏡をつけている。あれは何だ?
「パン!」「パン!」「パン!」
思わず、河馬もその練習射撃場の扉を押し開けた。
これは引き戸で、かなり重い。
開けるのに少し力が要った。
「どうしてここに来た?」夜は河馬が入ってくるのを見て、眼鏡を外して私に言った。
「あ……暇だったもので。」
河馬はどう答えていいかわからず、最後にはそう言うしかなかった。
「閉めて……」夜は何も言わず、ただ私に命令した。
河馬は「ああ」と言ったが、最後には夜が手伝ってようやくドアが閉まった。
ドアを閉めた後、河馬を構わず、そのまま片手で銃を構えた。
「パン!」「パン!」「パン!」
遠くの的はすべて命中したようだった。
河馬は呆然と見ていた。
夜をとても……最後に夜が言った。
「試してみる?」
河馬は夜が差し出した銃を見て言った。「俺もできるのか?」
「BB弾だよ、ここは弾薬がそんなに不足しているわけじゃない。」
夜は気にしないふうに言った。
河馬は銃を受け取った。銃を触るのはこれが初めてだった。
しかしやはりまず射撃練習だ……
内心の高ぶりを抑え、狙い始めた。
夜は自分を見て、言った。
「お前、ここに来た初日に、どうして大人しくしていない?」
河馬は答えた。「阿福さんが、夜に資源探しに連れて行くって。」
河馬は目の前の的を狙ったが、拳銃のあの重厚な感覚で銃をうまく持てなかった。これは昔ゲームで撃つ感覚とはかなり違う。
「初日で資源探し?」
河馬はこの質問に答えず、ただ銃を構えて言った。「こうか?」
「違う……こうするとスライドで指を傷める。」夜はとても仕方なさそうに口を歪め、そして河馬の後ろに立った。「まず、背中をまっすぐにして、それから肩と腕に力を入れる。こう……」
夜は手で河馬の腕を支え、もう一方の足を後ろ足に当てた。
「全身の力は足に伝えつつ、腕に集中させる。今は両手で銃を持ったほうがいい。お前の腕力では全く足りない……」
「こう……」標準的な言葉で、河馬は少し標準的な姿勢になった。
そして背筋を伸ばした瞬間、体の後ろに何か柔らかいものが背中に当たっているのを感じた。あれは何だ?何か少し……
河馬が考える間もなく、夜が猛然と一歩後退し、顔を赤らめてどこを見ればいいかわからない様子だった。
何を照れてるんだよ……
さっきまでお姉さんぶっていたのに。
でも……
そういえば、この夜という奴は自分の年と本当にそんなに変わらない、甚至自分より年下かもしれない。ただあのクールな表情のせいで、時々彼女のほうが年上に感じる。
一瞬の放心で、彼女は少し怒って私に言った。
「一体撃つのか撃たないのか?」
河馬は慌てて「あ……」と声を上げた。
立ったまま「パン!」「パン!」「パン!」と三発。
夜は滑ってくる的を見た。
思わず嘲るように言った。
「下手くそ……」
河馬は慌てて弁解した。
「射撃は初めてなんだ……」
夜は可否を言わず、言った。「こういうことは才能がものを言う。これをつけて試してみろ……」
彼女はあの半透明の鏡を河馬の目の前に置いた。
すると目の前が一変したように感じられた。一行のデータと体の姿勢が目の前に現れた。
「これは、体と腕の仰角データを記録するものだ。」
上の青い文字は本当にハイテクに見える。
「90度の位置を見つけて、三発撃て。」
夜は一歩一歩言った。
河馬は上の人型標識を見て、最後には腕を上げた。
「この感覚を覚えることを学べ……」
「感覚?」河馬はとても躊躇した?
夜は答えた。「対面での射撃間隔は普通0.5秒を超えない。狙う時間なんて全くない。だから……感覚がとても重要だ。」
河馬はうなずき、そして。
「パン!」「パン!」「パン!」
「お前が信じるものは二つだけ、直感と霊感だ。」
夜は私の後ろで、腰を伸ばして前の的を見ていた。
笑いながら言った。
「悪くない……二発外して、一発命中。」
夜は私の拳銃を回収し、白い布で拭いて小さな箱にしまい、私の眼鏡も外した。
「これで悪くないって?」河馬はとても疑問だった。
「少なくとも最初の一発は命中した。はい、もういい、出て行け!!!」夜は突然そう咆哮した。
その突然の声に河馬は受け入れられなかった。
ただ一瞬で気づいた。いつから二人がこんなに近い場所にこんなに長く立っていたのか、互いの呼吸さえ感じられ、夜は腕まで赤く熱くなっていた。胸がこんなに近くに寄っているので、緑のひとひらが胸元に隠れているのが微かに見えた。
「あ……はいはいはい……」
それを見て、河馬は慌てて射撃場から転がり出た。
その後、特にやることもなかった。
だから……自分は元の道を辿って三階に戻り、よく寝ようと準備した。
そうするつもりだった……
しかし内心ではなぜかいつもさっきの場面が微かに浮かぶ。
どうしたんだ?
河馬は首を振った……
大風は依然として唸り、瞬く間に、夜になった……
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