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青の魔法  作者: 鈴見澄香
1年生·第2章
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22/25

第8話 廃校舎編·探

 「チューニ!いるなら返事をしろ!!」


 「メーチャ君!!どこなの!?どこにいるの!?」



 全員で1階にある男子トイレの個室のドアを1つずつ開けて探すが、見つからない。



 「おい雌ブタ、お前ぇらは女子だろーが。」


 「今は性別なんて気にしてる場合じゃないのよ!!」


 「お前ぇらは女子トイレを探せ!!」


 「いやそっち!?それを言いたかったの!?」


 「イケテール君、君は一体メーチャ君の事を何だと思ってるんだ!!」


 「……分かった!行こう、シェリー、オカルターさん!」



 男子トイレを出て女子トイレに入ったアイリス達女子軍。


 男子トイレの方からはレントとイケテールの言い合いが聞こえてきた。



 「流石にメーチャ君でもしてはいけない事は分かっている筈だ!!」


 「お前ぇ、アイツがトイレに行く前の様子を見てりゃ分かるだろ?アレはもう女子トイレと男子トイレの区別もつかねぇ顔だった!」


 「いやそれはどんな顔なんだ!!よっぽど焦っていたのか!?」


 「とにかく出したそうな顔だった。……おい、待て。アイツは「漏れそう」と言っただけで、「何が」とは言ってない。……小じゃなくて大の可能性もあるぞ!!」


 「何!?そうだとしたら必ず個室だ!!時間がかかりすぎる!!僕は奥の個室を見るからイケテール君はスターマジックさん達と共に女子トイレを見てきてくれ!!」


 「言われなくても分かってる!!」



 「……なんだかすごい内容の会話が聞こえてきたけど、無視しましょう。」



 シェリーの声で女子軍も動き出す。

 「何が悲しくて男子トイレの方から聞こえるクラスメイトのトイレ事情を聞かなきゃいけないのか。」とアイリスは思ったが、今はそんな事を気にしている場合じゃない。

 一刻を争う事態なのだ。



 「雌ブタァ!!女子トイレはどうだ!?」


 「まだ見つからない!奥の方見てないからそっち行って!!」



 レントは猛ダッシュで奥の方へ走って行った。


 さっきから全ての個室を探し終えるのに何分かかってるんだよ、と思うかもしれないが、この廃校舎にはトイレは1階にしかないらしい。

 だから、個室数は男女共に100近くあるのだ。



 「クソっ……見つからねぇ!そっちはどうだ!?」


 「こっちもダメ。何も見つからない!」



 アイリスが「メーチャ君、どこ行っちゃったのよ。お願いだから出てきて。」と願ったその時、視界の端で何かがキラッと光るのを捉えた。



 「……何これ?」


 「どうした?」



 アイリスが何かを見つけた事に気付いたのか、レントはアイリスのすぐ側にしゃがんだ。



 「……ビー玉?」



 レントはそれをハンカチを使って拾った。


 紫色のビー玉だった。



 「ったく、こんな汚ねぇ所に何落としてんだか。どこの誰だよ。」



 アイリスはビー玉の周りを重点的に探した。


 すると、ビー玉の落ちていた向かい側の個室に手帳のようなものが落ちている事に気付いた。



 「イケテール、これ。」


 「あ?んだよ。汚ねぇモン拾ったから手ェ洗いに行こうとしてたのに……って、それ、チューニの手帳じゃねぇか。どこで拾った?」


 「ここの個室。中、見てみよう。」



 レントが慎重に1ページ目をめくった。


 そこには魔法陣が描かれていただけだったので飛ばした。


 他のページも闇の王・ウェリザードやら天使のダニエルの話やらでいっぱいだった。


 だが、最後のページは違うことが書かれていた。



 「「母さんと父さんの色々な事を知って気まずい。どうしよう。」……これじゃ何も分からねぇ。だが、チューニが女子トイレに来ていたって事だけ分かった。……アイツ終わってんな。」


 「まぁまぁ、アンタは人の事言えないでしょ?とりあえずチューニ君がこの手帳を落としてくれた事に感謝しなきゃ!あと、色々な事って何だろう?」


 「……お前ぇは知らなくていい。じゃあ雌ブタ、クソマージメんとこに戻るぞ?」


 「え……わかった。そうね。この事を知らせなきゃ!」



 「そうはさせません!」



 背後から突如聞こえた声に2人はバッと後ろを振り返る。


 そこには黒いマントを羽織った男が立っていた。

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