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青の魔法  作者: 鈴見澄香
1年生·第1章
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14/22

第14話 長い夜の終わり

 リーズは「えっ」と驚いてアイリスとレントを見た。



 「二人とも付き合ってなかったの?」


 「今までのどの部分を見たらそうなるわけ?」


 「二人とも仲良いから。」


 「だって、アイリス♡」


 「そうそう。言うじゃないか。喧嘩するほど仲がいいって。」


 「待って、話逸れてるから。オカルターさん。聞きたい事があるんだけど、最近私達のクラスで流れてる噂知ってる?」


 「噂?」


 「夜中になると2階のとある部屋からキィィーンって音がするらしいんだけど。」


 「……あぁ、アレね。私がやってたから。」


 「そう、それなんだけど……え?ちょっと待って。オカルターさんがやってたの?」


 「うん。占いをする時にクリスタルチューナーっていうのを鳴らすんだ。」


 「アナタだったの!!?」



 アイリスは目を丸くしてリーズを見つめた。



 「……オカルター、お前ぇのせいでオレたちの睡眠時間が削れた。どうしてくれんだ。」



 レントは「連中から貰った液体をあの時使わなければ」と後悔している。



 「液体……?」


 「知らなくて良いよ。」


 「クリスタル……なんだっけ?」


 「クリスタルチューナーの事?」


 「そう!それだ!!クリスタルチューニ!占いをするのは構わないが、同室の人に迷惑をかけてないだろうな?」


 「それ僕の名前なんだけど。」


 「んーどうだろ。分からない。」



 リーズは欠伸をし、目を擦った。



 「でも、他の部屋の子が聞こえるって言ってたから、控えめにする方が……」


 「そうだね、防音魔法を使ってみる!」


 「部屋に明かりを点けられなかった奴が何を言ってんだか。」


 「アンタは黙ってて。」


 「じゃあ私はそろそろ寝るから。じゃあね、アイリスちゃん達。」


 「うん、次から占いする時は気を付けてね。」


 「そこにいる長い黒髪の女性にも気を付けてね!」



 リーズはそう言い階段をかけて行った。


 アイリス達は「黒髪の人?」「そんなの居るわけないじゃない!」と思いながら後ろを振り返った。



 目をかっぴらいた黒髪の女がジッとこちらを見つめていた。



 「……出たぁぁぁぁ!!」


 「本物!!アレこそ本物!!」


 「アァァァァ!!!待って!僕を一番後ろにしないで!!」


 「君達!!早く逃げるぞ!!」


 「おー本当にいる。すげー。」


 「イケテール君!!君が戻らないと僕は鍵を閉められないんだ!!」


 「鍵閉めても無駄だと思うんだが。」


 「余計な事を言わないでぇぇ!!!」



 最後の最後に恐怖の体験をした4人は、布団に入っても眠れなかった。




_______翌朝



 「おはよ〜」


 「スターマジック君、おはよう。昨日は、じゃなくて今日は……散々だったな。」


 「そうだね。……あ、確認したい事があるんだった。」



 アイリスはそう言ってリーズと同室の子に声をかけた。


 部屋に戻ってからアイリスはリーズと同室の子を名簿で確認したのだ。



 「あの、リーズ・オカルターって子と同室ですよね?」


 「あ、はい。」



 茶色のショートカットの子はコクンと頷いた。



 「夜中にキィィーンって音がしませんでしたか?」



 そう聞くとその子はえっと驚いた。



 「え、そうなんですか?全然聞こえませんでしたよ?寝てたので。」


 「あ、それなら良かったです。では……」



 アイリスは思った。

 「幸せ者だな。」と。



 自分の陣とった席に座ろうとした時、教室に入ってくるレントと目が合った。


 目が合っても無視というのは後で気にしてしまう為、アイリスは一応声をかけた。



 「……おはよ。」


 「はよ、雌ブタ。……あれ?昨日より顔浮腫んでんね。」



 アイリスの右ストレートはレントの綺麗な顔にクリーンヒットしたのだった。

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