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青の魔法  作者: 鈴見澄香
1年生·第1章
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13/20

第13話 噂の女の子

 「取り敢えず、ここはどこ?」



 明かりが点いていない為周りが見えないアイリス達は

 自分達が今どこに居るのかさえ分からなかった。


 

 「取り敢えず、ここは1階よ。」



 シェリーの声がよく聞こえる。

 おそらくアイリスのそばに居るんだろう。



 「……どうする?戻りたいけど噂の音は二階から発生してるし……。」


 「取り敢えず、みんなの部屋は何回なんだ?僕とイケテール君は3階だ。」


 「わわわ我もだぞっ!」


 「アタシとアイリスは4階よ。」


 「“あの部屋”は2階だから大丈夫だな。じゃあ行くか。」


 「ちょちょちょっと待てっ!そういう問題じゃないだろ!全員2階のあの踊り場を通らなきゃ行けないのだぞ!!」


 「何だよチューニ。お前ぇまだ怖いのか?」


 「べべっべ別にっ!?怖がってなんかないしっ!?」


 「じゃあまずはお前ぇから行けよ。」


 「いや何で僕が!」


 「怖くねぇなら皆の為に行ってくれ。」


 「そっそう言うレントはどうなんだよ!」


 「は?怖くねぇよ。さっさと部屋戻って寝たい。」


 「じゃあお前から行け!」



 「どうしたの〜?」



 声のした方を全員で一斉に振り返る。


 そこにはランプの灯りの影響か頭だけ浮いてる丸眼鏡の少女の姿があった。



 「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 「本物本物本物ぉぉぉ!!!」


 「きききき君達おおおお落ち着きたまえ!!!」


 「いやお前ぇが落ち着けよ。」


 「何でアンタは落ち着いてんのよ!!!」


 「あぁぁぁぁっ!!逃げるわよ逃げるわよ逃げるわよ〜!!」



 レントと女の子を除く全員の悲鳴が1階に響き渡る。


 急いで部屋に戻ろうとするが



 「待って!私よ!人間よ!」


 「あぁぁぁぁ触るなぁぁぁ!!!」



 女の子の一番近くにいたチューニが腕を掴まれた。


 

 「メーチャ君!!」


 「皆、メーチャ君を助けなきゃ!!」



 チューニは泣きながら叫んだ。



 「僕の事はいい!!僕を置いて逃げろぉぉ!!!あとキョークドだぁぁぁ!!!」


 「いやその顔で言われても逃げられないって!!」


 「待って!皆落ち着いて!!」



 女の子はそう言って杖を取り出した。



 「『杖よ、部屋を明るくしなさい』!!」



 そう呪文を唱えたが、明るくならず部屋はシーンとした。



 「ごっごめんなさい!!恥ずかしい……」


 「そっそんな!!気にしないで!!誰にでもそういう時はあるからねっ!?」


 「『杖よ、明かりを』」



 レントがそう言うと彼の杖の先が光った。その光はどんどん強くなり、皆の顔を確認するのには十分だった。


 女の子が人間である事も確認出来た。



 「部屋を明るくする事も出来ねぇの?恥ずかしっ。」


 「イケテール君、なんて事を言うんだ!!君の方が社会の恥だぞ!?」


 「クソマージメ君の言う通りよ!イケテール最低!!」



 シェリーとクソマージメに咎められ、レントは「チッ」と舌打ちした。



 「……悪かった。」


 「イケテール君、そんな、気にしないで!!恥ずかしいのは事実だから……」


 「え、アンタってそんなあっさり謝る人だったの?」


 「テメェ、オレの事何だと思ってんだ。」


 「ドSでノンデリで人の嫌がる事をしておいて謝らないクソ野郎。」


 「最悪だな。イケメンは入ってねぇのかよ。」


 「中身のせいで見た目が台無しなのよ。」


 「入学3日目で既にこの印象なのすご。」



 チューニはアイリスのレントへの印象にドン引きしたが「……レント、オレはお前がどんな奴でも友達だからな。」とレントに言った。



 「ちょっと待って。話を戻さなきゃ。えーと……アナタ、誰?」



 シェリーは女の子を見た。



 「私は、リーズ・オカルターです。いつもこの時間まで起きてるんだけど、今日はやけに廊下が騒がしかったから様子を見に来たの。」


 「へぇ、ちなみにいつもこんな時間まで何をしてるの?」



 寮の時計を見ると、今はもう2時だった。



 「フフッそれはね……占いよ?」


 「占い?」


 「そう。タロットを使って色々な事を占ってるの。」


 「色々な事って……例えば?」


 「それは内緒。あ、何か占って欲しい事があればいつでも言ってね。」



 するとシェリーが「ハイッ!」と挙手をした。



 「アイリスとイケテールの今後♡」


 「やめて」


 「やめろ」



 二人は同時に反対の声を上げた。



 「ゴットマネーさん……!なんて良い案なんだ!僕からもお願いする!!」


 「え、ちょっと……!?」


 「テメェ、本気で言ってんのか?」



 クソマージメはシェリーに賛成した。



 「レント達……そっか、まだ進んでないのか……そりゃ恥ずかしいもんな。まだ出会って3日目だもんな。」


 「メーチャ君に関しては何か勘違いしてるのやめてくれる?」


 「チューニ、何が悲しくてオレがこの女とそういう設定になってて占われなきゃいけないんだ。」

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