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前の話が短かったので、もう1話上げておきました!
お楽しみ頂ければ幸いです。
まあ、とは言ったものの、すぐに虐める訳には行きませんでした。
だって、通りすがりに転けるよう仕向けるってどうするんですか?
足を出すんですか?
万が一誰か別の人が転んだら、どうするんです?
体当たりですか?
かなりの勢いで体当たりしないと、人って簡単にこけませんよ?
教科書を目の前で破り捨てるってどうするんですか?
物凄く分厚いんですよ?
どうやって破くんでしょうかね?
悪い噂を流そうにも、ヒロインさんの事全然知りませんし、加えて、噂を流してくれるお友だちもいません。
根本的に、ヒロインさんにも王太子さんにも興味がありませんしね。
動機すらないんですよ。
という訳で、あまり変わらず毎日を過ごしている訳ですが…
「なんで私はこんな事をしているんでしょう?」
「それは、文化祭だからよ。リリー。」
「私は新入生ですが?」
「去年まで生徒会で運営していたでしょう?ノウハウ持ってるわよね?」
「私は、部外者のはずでは?」
「恩義のある先輩が困ってるんだ。放っておけるかな?」
「…わたしは生徒会員ではありませんが?」
「そう水臭い事を言わないでくれるかしら?私とリリーの中でしょう?」
「手伝ってくれてありがとう。本当に助かっているわ。」
…ぐぬぬ。
そのキラキラしい笑みで言われたら何も返せません。
会話で察して下さった方もいらっしゃったでしょうが、私は文化祭準備を手伝っています。
生徒会で。
勘違いされる方がいらっしゃらないよう言いますが、私は生徒会員ではありません。
ただ、同学年の生徒会員がソフィーであり、かつ私は元中学生徒会副会長、加えて現生徒会長はレリィ先輩、副会長はサティ先輩です。
もうお分かりですね?
人出が足りないからと、臨時で駆り出されました。
生徒会員補佐として、むりやりねじ込んで。
なんで、顧問の先生も認めてしまうでしょうかね。
そして、そこまでして私の手を借りたいですかね?
高校生徒会は、中学部に比べたら費用も人出も多いはずなんですが…
「みーんな、身分だけで選ばれてるからね。箔付って訳だよ。」
サティ先輩、今心読みました?
というか、それそのまま取ると、みんな使えないということですよね。身分は高いので、バスバス切れないと。
なのに、中学部で出来ていたからと仕事は増えるんですね。
…逆にキツくなってません?
中等部の時は実力主義でしたから、穀潰しはクビにできましたし、少数精鋭でした。
でも、今は使えないのにクビにできず、仕事は増えるという大惨事です。
協力するしかないですね。
文化祭の間だけでも手伝いますよ。
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そうして迎えた文化祭。
そしてヘロヘロ生徒会。
…語呂がいいですね。
なにか俳句でも作れそうです。
文化祭 始まる頃に もう眠い
生徒会での いつもの光景。
字余りですね。
…ごめんさい。疲れ切って脳が半分溶けてるんです。
去年までの仕事量が、2倍くらいになって襲ってきました。
終わらせるので疲労困憊ですよ。
そして、高等部から入ってきた新しい面子がまあ使えないんです。
逆に仕事を増やしてきます。
嫌がらせでしょうか。
お陰で、補佐の立場にねじ込まれた元中学生徒会員とソフィー先輩方は、へろっへろです。
1日目は寝て終わりそうです。
「れりぃ…ねていーかなー。」
「いいと思うわ…てか、寝なさい。サティー、もう限界でしょう?」
「んー…あいさつとかおわったし…きょうは…やることない…から…」
「あーサティー先輩、限界ですね。もう寝てください。」
「レリィ先輩も言うて限界でしょう?寝てください。」
「かく言うソフィー先輩も!」
「もう、この場にいらっしゃる高等部生徒会員、生徒会補佐の先輩方は寝てください。後は僕らで対処します。」
「任せてください!これでも中等部生徒会の2年生と3年生なので!!」
「…シュタレリン君たちを呼んだのは誰かしら?」
「はーい。」
「…良くやったわ。リリー。」
ほめられました。
やったねです。
このしごとりょうだと、おわるころにはみんなげんかいだとおもって、後のことをまかせるためによんだんです。
われながら、ないすです。
かこのじぶん。
「リリー先輩に呼ばれてきてみれば…大惨事すっね。思ったより高等部の生徒会ってアホなんっすね。」
「フィクシリア君!」
「事実だろ?それに、変な事はしねーし。煩くしたら、先輩方起きちゃうぜ?」
「…っはぁ。しょうがないわね。取り敢えず、ソファ退かして。今、先輩方が簡易ベット取りに行ってるから、置く場所作るわよ。その後、電気消してここを立ち入り禁止にするわよ。」
「分かった!」
「…へーい。」
こうはいちゃんたち、できるこですね。
…もうねましょう。
おやすみです…