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わわわわわわわわ!

気づいたらこんなに遅くなってました!!

申し訳ないです!

「リリー!本当に綺麗だわ!」


「馬子にも衣装って感じだな…ったあ!」


「ちょっとサティー!リリーがこんなに可愛くしてるのに、なんて失礼な事を!リリーはドレスじゃなくても綺麗よ。」


「サティーって、ほんと興味無い女の子にはドライつか…酷いよね。」


「そうかな?僕は、思ったままを口にしてるだけだよ?利用するのは女の子だけじゃないし。利用するしか価値のないバカを利用してるだけ。」


「攻撃力と範囲広がってねーか?」


デリカシーのない馬鹿(サティーとリクア)は、ほっておいて…胸元にこのコサージュを着けたら、はい完成!」


「リリーお嬢様…!お美しいです!!」


飾り気のないパステルオレンジのドレスはよく見ればレースに凝った意匠が施されており、腰には大きなサテンのリボンが着いています。首近くにはダイヤモンドのクズ石が散りばめられています。足元はドレスとよく似た色のパンプス。

髪は左から編み込みを持ってきて右下でお団子に纏め、シンプルなオレンジの花のアクセサリーを付けています。

勿論、うっすら化粧もしています。


どこからどう見ても、夜会のコーディネートです。

しかも、めっちゃ気合いが入っております。


「これなら、優勝も夢じゃないわよ!」


「そうですね!流石のセンスですレリィ先輩!」


「いやね。たまたま、この色のドレスを持っていたリアに感謝しなさい。」


「いや、この素材を生かしきれたカナリアさんに感謝よ。」


「いえいえそんな…」


色々諦め倒して、死んだ魚の目をした当人(私)を他所に、外野の皆様(先輩方)はきゃいきゃい騒いでおられます。


何故こうなったか説明させてもらいますと…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

事の始まりは、今朝。

昨日あれから爆睡ぶちかました生徒会の面々で、後輩に回してしまった仕事の整理をしていた時のことです。


ミスター・ミスコンテストの主催の方が、生徒会執行部文化祭運営支部に駆け込んで来ました。


…え?貴族なのにミスコンなんてあるのかですか?

あるんです。なぜならここは乙女ゲームだから。

とは言っても、そんな俗な名前では無いですけど。

『一夜の姫と夢の貴公子』という名前ですけど。

この学園の高等部で最も美しい令嬢を『一夜の姫』、子息を『夢の貴公子』と呼び、一夜限りの名誉を与えられるんです。

一夜限り、王子様やお姫様のような扱いを受け、優先的に想い人と過ごすことができます。身分的にも厳しい相手だとしてもです。

つまり、公爵令嬢だろうと男爵令嬢だろうといっそ庶子だろうと王太子様と過ごすことができるんです。

ゲームでは、ヒロインさんが『一夜の姫』、王太子さんが『夢の貴公子』となり、文化祭の最後を占めるダンスパーティーのファーストダンスを踊りました。

勿論、悪役令嬢さんもコンテストに参加し、あの手この手でヒロインさんを妨害します。


…つまり、ここに来て悪役令嬢が暗躍するイベントが発生したわけです。


とは言っても、私目立つのはあまり得意では無いので、このイベントは遠慮させていただきます。

ほっておいても、王太子様は優勝するでしょうし。

ヒロインさんは…知らないですけど。たしか出場されていたはずです。でしたら、あの方お綺麗ですし、普通に優勝されそうですね。


…で、なぜその運営さんが、こんな所にいらしたんでしょう?


「ミスコンの運営の子…か。どうしたのかな?こんな所に。」


と思っていたら、テラクレス先輩が声をかけてくださいました。

ナイスタイミングです!


「あ…えっと…実は…」


きっと走ってきたのでしょう。

息が上がって肩で息をしている彼女は、こんな話をしてくれました。


「じっ実は、ルシアス先輩…優勝候補の3年の先輩が、不慮の事故で怪我をされて…それで棄権されたんです。そしたら、人数が足りなくなって…枠が余っちゃったんです。」


「なるほど。それで人の斡旋をして貰おうって事か。」


「恥ずかしながら…」


「まあ、今年は王太子様が出られるから、女性の参加者が少ないらしいわね。」


そうなんですね…

なんででしょう?


「何不思議そうな顔してるの?リリー。」


「あ、ソフィー…だって、なんで遠慮されてるのか分かんないし…」


「何言ってるの?貴女の婚約者だからよ?」


あ…そういえばそうでした…

最近会ってなさすぎて、忘れてました。

あの方、私の婚約者さんでしたね…


「まあ、最近はあの平民の子…ユウナちゃんだっけ?あの子と一緒にいるけど…」


「うん。そだね。」


「え、浮気されてるのに…いいの?」


素で答えたら、困惑されました。


「別に、私王太子さんの事好きじゃないし…」


「そう言う問題?」


「うん…」


参加者の方が、ゲームより少なかった訳が分かりました。

婚約者の私を差し置いて、王太子さんとファーストダンスを踊るのは、遠慮したいという事なんでしょうね。


…まあ、そう言われても、私は参加するつもりは微塵もありませんけど。


「でも、今から人の斡旋は難くね?」


「まあね…みんな予定も入ってるだろうし。」


「ですよね…」


タオイラ先輩やテラクレス先輩の厳しい言葉に、運営の女の子は肩を落としちゃいました。

やっぱり、空きがある状態でするのは嫌でしょうしね…

他の参加者の方も、結構頼み込んでやっと承諾して下さったようです。

今からっていうのは、難しいかもですね。


「じゃあ、生徒会の誰かが参加するのはどうでしょう?」


どよんとした空気の中、突然響き渡ったのはリア先輩の声です。


「あ、盲点だった。」


「確かに身分的には問題ないしねぇ…」


「失礼ね…一応この場にいる子達は頭もいいわよ?」


「この場にいない先輩方も、顔と身分だけは一流ですしね。」


ソフィー…ちょっと嫌味混ざってないです?

いや、ちょっとじゃないですね。結構ですね。


「じゃあ、出るとしたら誰なの?」


「出るのしたら、言い出しっぺの貴女よ?」


「私、身分的にはあんまり釣り合わないわよ?」


忘れてましたけど、リア先輩は伯爵令嬢でしたね。

まあ…ギリギリ釣り合うとは思いますよ。


「まあ、身分的にも申し分ないのは、ソフィーか私よねぇ…」


「私、嫌ですよ?」


「私も嫌よ…てか、リリー?貴女はどうなの?婚約者だけど…」


「私、あんまり王太子さんの事、好きじゃないので結構ですよ?あちらも私の事を嫌っている様ですし。」


「そっそうなの…」


真実を言ったら、微妙な空気になりました。

なんかすみません…


「じゃあ…やっぱり私と…」


「サティー先輩!」


突然ソフィーが声を上げました。

なんでしょう…?


「レリィ先輩が着飾った姿、見たくないですか?」


「え…」


「ミスコンの為に、すっごく着飾った先輩ですよ?めちゃくちゃ綺麗に決まってます。」


なるほど…そういう事ですか。


「先輩の美しさが、全校生徒に広まるんです。」


「女神のごとく着飾った先輩を見ることができるんですよ?」


「「どうですか?」」


「い…い…のか?」


迷ってます、迷ってます!

さあ、心を決めてください!

そして、レリィ先輩にお願いして下さい!!


「騙されないで、サティー!その着飾った私とファーストダンスを踊るのは王太子殿下かもしれないのよ!」


「は!そうか…着飾ったレリィを見たいけど…彼女とファーストダンスを踊るのは僕がいい…でも、レリィが優勝しないのも気に食わない…」


「…ダメだったか。」


「ぽいね」


レリィ先輩がほっと胸を撫で下ろしています。

あーあ。あと少しだったんですけどね…


「じゃあ…ソフィーになるのかな?」


「い、嫌ですよ?私。」


「じゃあ、誰が参加するのよ?」


何故そこで私を見るんです?

私は関係ないんじゃ…


「いたわ!身分的にも立場的にもふさわしい子が!」


「絶対逃がさないわよ!」


怖い、怖いですよ!先輩方!

なんでそんなに血走った目をしてるんですか?

そんなに王太子さん、嫌なんですか?


「リーリーアーネーさーまー。に・が・さ・な・い」


ソフィーさん?怖すぎるんですけど?!

目にハイライトが入ってないです!!


「よし!捕まえた!先輩方ドレスとメイクの手配をお願いします!」


「任せろ!」


「ラナンさん呼んでくる!」


「取っておきのドレスがあるのよ。リメイクしとくわ!」


「運営さん、リリアーネ・トパーズ・エクステリアスが参加するみたいだわ。お願いできるかしら?」


「かしこまりました!助かります!」


ああ…外堀が…埋まっていきます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


という訳で、こんなに着飾ってるんです。

ミスコンて言ってもなぁ…私、そこまで礼儀作法しっかりしてませんし。


「よし。参加証になるコサージュは腰でいいのね?」


「はい。」


「完璧ね。これなら余裕で優勝よ!」


「いや…数合わせなんですから、優勝なんて狙う必要性を感じないんですけど…」


「出るからには、優勝を狙うに決まってるでしょう?」


何を言ってるの?みたいな顔は辞めて欲しいですね…

自信皆無なんですけども…


「まあ、リリーはこれでも王太子妃教育受けてるし、本気出せば怖いもの無しよ。」


「そうね。」


「ま、絶対優勝する必要なんてないし。気楽に参加しな。」


変に燃えてる先輩方と違い、サティー先輩はどうでもいいみたいです。

それくらいの温度が丁度いいんですが…


「よし。じゃあ、呼ばれるまでここで待っててね。」


「先に会場で待ってるわ。」


優雅に微笑んで制服姿の先輩方は去っていきました。

動きやすそうで、羨ましいです。


「ラナン。」


「はい、如何でしょうか?」


「ドレス脱いで今すぐ逃げ出したら怒られるかしら。」


「怒られると思います。」


「そうよね…しょうがない。頑張るか。」


「はい。頑張ってくださいませ。」


腹を括るしかありませんね。

期待されてるみたいですし、できる範囲で頑張りましょう。


「リリアーネ様。そろそろご準備を…」


ノックと共にそんな声が聞こえてきました。

さあ、不正はなしで、本気で頑張りましょう!

しばらく忙しくなりそうで、不定期更新が続きそうです。

週一投稿が出来るよう努力致しますが、気長にお待ちいただけると嬉しいです。m(_ _)m

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