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0470勇者と隠れ里
「魔法使い、お前、生きた人間の匂いが他にもするな、この村に誰か立ち寄った形跡もある」
「!? まさか!」
魔法使いは奥まった道を走っていって岩のトンネルを潜り抜けて、
滝の裏側に入っていった、そこには?
「あ、あんたメフレマーナ! 魔法使いの、ランタルさん家のメフレマーナちゃんかい?」
「おばさん、マノリアおばさん!」
隠れ里、それは領主の度重なる重税や検知による搾取から逃れるために、
密かに村人たちが築いた土地だ、村の緊急時に機能していたのだ!
「メフレマーナ・ランタル、それがお前の名前か、魔法使い?」
「知りませんでした、やっと本名で呼べますね、魔法使いメフレマーナ」
魔法使いメフレマーナは、喜びでもない安堵でもないただせつなさで満たされていた。
もしお父さん、お母さんが私を守って逃がそうとしなかったら、
私がいなかったら、今頃、隠れ里に逃げれてたのかな?
オークの鼻をごまかす聖水の滝は、
ランタル家がその水脈を洞窟に引いたものだった。




