第三節「新たな誓い」
戦が終わり、京で会議が開かれた。
劉備、織田信長、孫権、曹操。
そして、それぞれの重臣たちが集まっていた。
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諸葛亮が口を開いた。
「では、これからの天下の在り方について、話し合いましょう」
信長が腕を組んだまま言った。
「劉備、貴様が天下を取ると言ったな」
「はい」
劉備は頷いた。
「しかし、私一人では何もできません」
「...何?」
「信長殿、孫権殿、曹操殿。皆様の力が必要です」
劉備は三人を見た。
「共に、この地を治めていただけませんか」
曹操が驚いた表情を見せた。
「劉備...貴様、天下を取ると言いながら、また我らと分け合うのか」
「天下は、私のものではありません」
劉備は立ち上がった。
「天下は、民のものです。ならば、民のために最善を尽くす。それが、私の役目です」
孫権が微笑んだ。
「劉備殿らしいですな」
信長は、劉備を見つめた。
「...貴様は、本当に変わった男だ」
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竹中半兵衛が地図を広げた。
「では、具体的な統治の在り方を詰めましょう」
周瑜が地図を指す。
「劉備殿は京と北陸を。織田殿は東海を。孫権殿は西国を。曹操殿は関東を」
信長が即座に反応した。
「待て。何故俺が東海だけだ」
「織田殿、東海は日本の中心です。交易の要所でもあります」
諸葛亮が静かに答えた。
「そして、京に最も近い。つまり、劉備殿を監視できる位置です」
信長の目が鋭く光った。
「...フッ、貴様、それを狙っていたのか」
「お互いに監視し合う。それが、この体制の本質です」
曹操が不敵に笑った。
「なるほど、孔明。貴様らしい策だ」
「曹操殿が関東を押さえるのも、同じ理由です。北から劉備殿を牽制できます」
荀彧が続ける。
「そして孫権殿が西国を押さえることで、三方から均衡が保たれます」
孫権が少し考えた。
「...条件があります」
「孫権殿?」
「西国の海は、我らが自由に使わせていただく。交易も、独自に行います」
「承知しました」
劉備が頷いた。
曹操も言った。
「俺も条件がある。関東の統治には、一切口を出すな」
「それも承知しました」
信長が腕を組んだ。
「...分かった。それで行こう。だが、劉備」
「はい」
「この体制、いつまで保つと思う」
信長の目には、冷徹な光があった。
「俺は、貴様の失敗を待っている」
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会議が終わり、それぞれが部屋を出ていく中、信長が劉備を呼び止めた。
「劉備、少し話がある」
「信長殿...」
二人が、廊下で向き合った。
「劉備、勘違いするな。俺は貴様の理想を信じたわけではない」
「...はい」
「ただ、今は貴様を試す価値があると判断しただけだ」
信長の目が冷たく光る。
「貴様が失敗したら、その時は容赦なく天下を奪う。覚えておけ」
劉備は深く頷いた。
「承知しております」
「もう一つ」
信長は劉備に近づいた。
「俺を忘れるなよ、劉備。俺はいつでも、貴様の喉元に刃を突きつけられる」
その言葉には、明確な殺気があった。
劉備は、信長の目を見た。
「信長殿、私は貴方を敵だとは思っていません」
「フッ、それが貴様の甘さだ」
信長は去っていった。
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別の部屋では、曹操と荀彧が話していた。
「文若、この体制、いつまで保つと思う」
「主公...」
「劉備の理想は美しい。だが、現実は甘くない」
曹操は窓の外を見た。
「いずれ、ほころびが出る。その時、俺がどう動くか...まだ決めていない」
「主公、しかし...」
「俺は覇道を捨てたわけではない。だが、劉備の理想も、見てみたい」
曹操は荀彧を見た。
「矛盾しているな、俺は」
荀彧は微笑んだ。
「それが、主公らしいです」
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孫権と周瑜も、話していた。
「殿、本当に良かったのですか」
「ああ」
孫権は頷いた。
「劉備殿の在り方を見て、俺も学んだ」
「殿...」
「力や智謀だけでは、民の心は掴めぬ。劉備殿が教えてくれた」
孫権は周瑜を見た。
「俺たちも、変わらねばならぬ」
周瑜は微笑んだ。
「承知しました、殿」
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劉備陣営では、関羽、張飛、趙雲が集まっていた。
「兄者、本当にこれで良かったのか」
張飛が問う。
「ああ」
劉備は頷いた。
「信長殿も、曹操殿も、孫権殿も、それぞれの想いがある。その想いを、無視することはできぬ」
関羽が静かに言った。
「主公、我らは貴方を信じています」
趙雲も頷いた。
「主公の選択は、常に正しい」
武田信玄と上杉謙信も入ってきた。
「劉備殿、見事でした」
信玄が笑った。
「貴殿は、戦わずして天下を取った」
謙信も刀を撫でた。
「儂も、貴殿の在り方を認めます」
真田幸村も前に出た。
「劉備殿、私はこれからも、貴方に仕えます」
劉備は仲間たちを見渡した。
「皆、ありがとう。私は...皆と共に、この地を守っていく」
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その夜、京の街では、民たちが喜んでいた。
「戦が終わった!」
「劉備様が、天下を治めてくださる!」
「もう、戦はないのか?」
民たちの笑顔が、京の街に溢れていた。
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劉備は一人、城の外に立っていた。
星空を見上げ、深く息を吸う。
「これで、良かったのだろうか...」
「主公」
諸葛亮が横に立った。
「孔明...」
「主公、貴方は正しい選択をされました」
「しかし、信長殿も曹操殿も、まだ私を信じていない」
「それで良いのです」
諸葛亮は劉備を見た。
「信じてもらうのではなく、信じられる自分であり続ける。それが、主公の道です」
劉備は深く頷いた。
「ああ...私は、この道を進もう」
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数日後、信長が秀吉と家康を呼んだ。
「藤吉郎、元康」
「はっ」
「貴様ら、劉備の元に行け」
二人が驚いて顔を上げた。
「殿...!?」
「劉備の在り方を、近くで見てこい」
信長は二人を見た。
「貴様らが劉備に心を動かされているのは分かっている。ならば、その目で確かめてこい」
「殿、しかし...」
「これは命令だ」
信長の声は冷たかった。
「劉備が本当に天下を治められるのか。それを、検分してこい。そして...」
信長は不敵に笑った。
「もし劉備が失敗したら、貴様らが俺の元に戻り、天下を取る手助けをしろ」
家康が理解した。
「殿...つまり、私たちは...」
「そうだ。貴様らは俺の目であり、保険だ」
秀吉も頷いた。
「承知しました、殿」
信長は二人を見送った。
「劉備...貴様の理想、本当に通用するのか。見せてもらおう」
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京では、新たな秩序が動き始めていた。
劉備、信長、孫権、曹操の四者による統治。
それぞれが、それぞれの想いを持ちながら、民のために協力する。
完全な平和ではない。だが、一つの形ができた。
そして、秀吉と家康が劉備の下についたことで、未来への道が見えてきた。
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劉備は、京の街を歩いていた。
民たちが、笑顔で暮らしている。子供たちが、元気に走り回っている。
「これが...私の望んだ世界だ」
劉備は微笑んだ。
まだ、完璧ではない。信長も曹操も、いつ裏切るか分からない。
だが、今は、民が笑っている。
それだけで、劉備は満足だった。
「主公」
諸葛亮が横に並んだ。
「これからが、本当の始まりです」
「ああ、孔明」
劉備は前を見据えた。
「皆と共に、この地を守っていこう」
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日本全土に、新たな時代が訪れた。
劉備の想いが、この地を変えた。
織田の力、孫権の智謀、曹操の覇道。
そして、劉備の心。
四つの理念が、これから融合していく。
だが、完全な平和ではなかった。
信長は虎視眈々と機会を狙い、曹操は覇道を捨てておらず、孫権もまた独自の道を歩んでいた。
そして、遠く北の地では、新たな脅威が動き始めていた。
蝦夷の地に、得体の知れぬ勢力が現れたという報告が、劉備の元に届いていた。
「主公、北の蝦夷から不穏な知らせです」
諸葛亮が報告する。
「何があった、孔明」
「詳細は不明ですが、何か大きな勢力が動いているようです」
劉備は地図を見た。
「新たな戦が...始まるのか」
「分かりません。しかし、備えは必要です」
それが、新たな時代の始まりだった──。




