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三國乱世録 〜戦国転生〜  作者: 月城 リョウ
第九章「融合の時代」

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第三節「新たな誓い」

戦が終わり、京で会議が開かれた。


劉備、織田信長、孫権、曹操。


そして、それぞれの重臣たちが集まっていた。


---


諸葛亮が口を開いた。


「では、これからの天下の在り方について、話し合いましょう」


信長が腕を組んだまま言った。


「劉備、貴様が天下を取ると言ったな」


「はい」


劉備は頷いた。


「しかし、私一人では何もできません」


「...何?」


「信長殿、孫権殿、曹操殿。皆様の力が必要です」


劉備は三人を見た。


「共に、この地を治めていただけませんか」


曹操が驚いた表情を見せた。


「劉備...貴様、天下を取ると言いながら、また我らと分け合うのか」


「天下は、私のものではありません」


劉備は立ち上がった。


「天下は、民のものです。ならば、民のために最善を尽くす。それが、私の役目です」


孫権が微笑んだ。


「劉備殿らしいですな」


信長は、劉備を見つめた。


「...貴様は、本当に変わった男だ」


---


竹中半兵衛が地図を広げた。


「では、具体的な統治の在り方を詰めましょう」


周瑜が地図を指す。


「劉備殿は京と北陸を。織田殿は東海を。孫権殿は西国を。曹操殿は関東を」


信長が即座に反応した。


「待て。何故俺が東海だけだ」


「織田殿、東海は日本の中心です。交易の要所でもあります」


諸葛亮が静かに答えた。


「そして、京に最も近い。つまり、劉備殿を監視できる位置です」


信長の目が鋭く光った。


「...フッ、貴様、それを狙っていたのか」


「お互いに監視し合う。それが、この体制の本質です」


曹操が不敵に笑った。


「なるほど、孔明。貴様らしい策だ」


「曹操殿が関東を押さえるのも、同じ理由です。北から劉備殿を牽制できます」


荀彧が続ける。


「そして孫権殿が西国を押さえることで、三方から均衡が保たれます」


孫権が少し考えた。


「...条件があります」


「孫権殿?」


「西国の海は、我らが自由に使わせていただく。交易も、独自に行います」


「承知しました」


劉備が頷いた。


曹操も言った。


「俺も条件がある。関東の統治には、一切口を出すな」


「それも承知しました」


信長が腕を組んだ。


「...分かった。それで行こう。だが、劉備」


「はい」


「この体制、いつまで保つと思う」


信長の目には、冷徹な光があった。


「俺は、貴様の失敗を待っている」


---


会議が終わり、それぞれが部屋を出ていく中、信長が劉備を呼び止めた。


「劉備、少し話がある」


「信長殿...」


二人が、廊下で向き合った。


「劉備、勘違いするな。俺は貴様の理想を信じたわけではない」


「...はい」


「ただ、今は貴様を試す価値があると判断しただけだ」


信長の目が冷たく光る。


「貴様が失敗したら、その時は容赦なく天下を奪う。覚えておけ」


劉備は深く頷いた。


「承知しております」


「もう一つ」


信長は劉備に近づいた。


「俺を忘れるなよ、劉備。俺はいつでも、貴様の喉元に刃を突きつけられる」


その言葉には、明確な殺気があった。


劉備は、信長の目を見た。


「信長殿、私は貴方を敵だとは思っていません」


「フッ、それが貴様の甘さだ」


信長は去っていった。


---


別の部屋では、曹操と荀彧が話していた。


「文若、この体制、いつまで保つと思う」


「主公...」


「劉備の理想は美しい。だが、現実は甘くない」


曹操は窓の外を見た。


「いずれ、ほころびが出る。その時、俺がどう動くか...まだ決めていない」


「主公、しかし...」


「俺は覇道を捨てたわけではない。だが、劉備の理想も、見てみたい」


曹操は荀彧を見た。


「矛盾しているな、俺は」


荀彧は微笑んだ。


「それが、主公らしいです」


---


孫権と周瑜も、話していた。


「殿、本当に良かったのですか」


「ああ」


孫権は頷いた。


「劉備殿の在り方を見て、俺も学んだ」


「殿...」


「力や智謀だけでは、民の心は掴めぬ。劉備殿が教えてくれた」


孫権は周瑜を見た。


「俺たちも、変わらねばならぬ」


周瑜は微笑んだ。


「承知しました、殿」


---


劉備陣営では、関羽、張飛、趙雲が集まっていた。


「兄者、本当にこれで良かったのか」


張飛が問う。


「ああ」


劉備は頷いた。


「信長殿も、曹操殿も、孫権殿も、それぞれの想いがある。その想いを、無視することはできぬ」


関羽が静かに言った。


「主公、我らは貴方を信じています」


趙雲も頷いた。


「主公の選択は、常に正しい」


武田信玄と上杉謙信も入ってきた。


「劉備殿、見事でした」


信玄が笑った。


「貴殿は、戦わずして天下を取った」


謙信も刀を撫でた。


「儂も、貴殿の在り方を認めます」


真田幸村も前に出た。


「劉備殿、私はこれからも、貴方に仕えます」


劉備は仲間たちを見渡した。


「皆、ありがとう。私は...皆と共に、この地を守っていく」


---


その夜、京の街では、民たちが喜んでいた。


「戦が終わった!」


「劉備様が、天下を治めてくださる!」


「もう、戦はないのか?」


民たちの笑顔が、京の街に溢れていた。


---


劉備は一人、城の外に立っていた。


星空を見上げ、深く息を吸う。


「これで、良かったのだろうか...」


「主公」


諸葛亮が横に立った。


「孔明...」


「主公、貴方は正しい選択をされました」


「しかし、信長殿も曹操殿も、まだ私を信じていない」


「それで良いのです」


諸葛亮は劉備を見た。


「信じてもらうのではなく、信じられる自分であり続ける。それが、主公の道です」


劉備は深く頷いた。


「ああ...私は、この道を進もう」


---


数日後、信長が秀吉と家康を呼んだ。


「藤吉郎、元康」


「はっ」


「貴様ら、劉備の元に行け」


二人が驚いて顔を上げた。


「殿...!?」


「劉備の在り方を、近くで見てこい」


信長は二人を見た。


「貴様らが劉備に心を動かされているのは分かっている。ならば、その目で確かめてこい」


「殿、しかし...」


「これは命令だ」


信長の声は冷たかった。


「劉備が本当に天下を治められるのか。それを、検分してこい。そして...」


信長は不敵に笑った。


「もし劉備が失敗したら、貴様らが俺の元に戻り、天下を取る手助けをしろ」


家康が理解した。


「殿...つまり、私たちは...」


「そうだ。貴様らは俺の目であり、保険だ」


秀吉も頷いた。


「承知しました、殿」


信長は二人を見送った。


「劉備...貴様の理想、本当に通用するのか。見せてもらおう」


---


京では、新たな秩序が動き始めていた。


劉備、信長、孫権、曹操の四者による統治。


それぞれが、それぞれの想いを持ちながら、民のために協力する。


完全な平和ではない。だが、一つの形ができた。


そして、秀吉と家康が劉備の下についたことで、未来への道が見えてきた。


---


劉備は、京の街を歩いていた。


民たちが、笑顔で暮らしている。子供たちが、元気に走り回っている。


「これが...私の望んだ世界だ」


劉備は微笑んだ。


まだ、完璧ではない。信長も曹操も、いつ裏切るか分からない。


だが、今は、民が笑っている。


それだけで、劉備は満足だった。


「主公」


諸葛亮が横に並んだ。


「これからが、本当の始まりです」


「ああ、孔明」


劉備は前を見据えた。


「皆と共に、この地を守っていこう」


---


日本全土に、新たな時代が訪れた。


劉備の想いが、この地を変えた。


織田の力、孫権の智謀、曹操の覇道。


そして、劉備の心。


四つの理念が、これから融合していく。


だが、完全な平和ではなかった。


信長は虎視眈々と機会を狙い、曹操は覇道を捨てておらず、孫権もまた独自の道を歩んでいた。


そして、遠く北の地では、新たな脅威が動き始めていた。


蝦夷の地に、得体の知れぬ勢力が現れたという報告が、劉備の元に届いていた。


「主公、北の蝦夷から不穏な知らせです」


諸葛亮が報告する。


「何があった、孔明」


「詳細は不明ですが、何か大きな勢力が動いているようです」


劉備は地図を見た。


「新たな戦が...始まるのか」


「分かりません。しかし、備えは必要です」


それが、新たな時代の始まりだった──。

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