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三國乱世録 〜戦国転生〜  作者: 月城 リョウ
第九章「融合の時代」

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第二節「最後の激突」

号令と共に、三つの軍が動き出した。


織田軍の鉄砲隊が火を噴き、劉備軍の前線に銃弾が降り注ぐ。


孫権軍は織田軍の側面を突き、劉備軍は正面から押し寄せる。


京の手前で、最後の三つ巴が始まった。


---


劉備本陣では、諸葛亮が冷静に指示を出していた。


「主公、織田の鉄砲隊を何とかしなければ、前線が持ちません」


「分かった。雲長、翼徳、行ってくれ」


「承知しました」


関羽と張飛が馬を駆る。


関羽の青龍偃月刀が織田の鉄砲隊を薙ぎ払い、張飛の蛇矛が敵兵を吹き飛ばしていく。


「うおおおっ!邪魔だ、どけぇ!」


張飛の咆哮が戦場に響く。


---


織田本陣では、信長が冷静に戦況を見ていた。


「半兵衛、劉備の動きは」


「中央から押してきています。関羽と張飛が鉄砲隊を崩しにかかっています」


「ならば、光秀と利家を向かわせろ」


「承知しました」


明智光秀と前田利家が、関羽と張飛の前に立ちはだかった。


「関羽殿、ここは通しません」


光秀が槍を構える。


「明智殿...」


関羽が青龍偃月刀を構え直した。


「ならば、力ずくで通らせてもらう」


二人の武将が激突する。


---


その横では、張飛と利家が戦っていた。


「前田とやら、お前も邪魔か!」


「貴様こそ、織田の邪魔をするな!」


蛇矛と槍が激しくぶつかり合う。二人の怪力が火花を散らした。


---


孫権軍は、織田軍の側面を攻めていた。


「殿、織田軍の右翼が崩れ始めています!」


周瑜が報告する。


「よし、そのまま押し込め」


孫権が号令を出す。


だが、その時、織田本陣から援軍が来た。


竹中半兵衛が采配を振るい、織田軍が見事に陣形を立て直す。


「流石ですな、竹中殿...」


周瑜が呟いた。


「だが、我らも負けてはいられません」


周瑜が自ら前線に出る。その智謀と武勇で、織田軍を押し返していく。


---


劉備軍の左翼では、趙雲と真田幸村が奮戦していた。


「幸村殿、敵の数が多すぎます!」


「ならば俺が先陣を切る!趙雲殿、後を頼む!」


幸村が槍を構え、敵陣に突撃する。その気迫で、敵の包囲を突き崩していく。


「幸村殿、無茶を...!」


「これが俺のやり方だ!」


二人の槍が、次々と敵を倒していく。


だが、その前に立ちはだかったのは、秀吉と家康だった。


「趙雲殿、真田殿...」


秀吉の声には、迷いがあった。


「藤吉郎殿...」


趙雲が秀吉を見た。


「貴方たちは、劉備様を慕っていたはずです」


「ああ、今でも慕っています」


秀吉は刀を構えた。


「だが、我らは織田殿に仕えている。その忠義を、捨てるわけにはいきません」


家康も槍を構えた。


「申し訳ありません」


趙雲は静かに槍を構え直した。


「ならば、戦いましょう」


---


右翼では、武田信玄と上杉謙信が毛利元就、島津義弘と対峙していた。


「毛利殿、島津殿、また会いましたな」


信玄が笑った。


「武田殿、上杉殿、お久しぶりです」


毛利元就も微笑んだ。


「しかし、今日は容赦しませんぞ」


「こちらも同じです」


謙信が刀を抜いた。


四人の武将が、激しい戦いを繰り広げる。


---


戦場の中央では、劉備が馬を進めていた。


「信長殿!」


劉備の声が響く。


織田本陣で、信長がその声を聞いた。


「劉備か...」


信長は馬を駆り、劉備の元に向かった。


二人が、戦場の中央で対峙する。


「信長殿、まだ話し合いで解決できるはずです」


劉備が必死に訴える。


「劉備、貴様は本当に甘いな」


信長は冷たく言った。


「話し合いで何が解決する。力がなければ、何も守れぬ」


「しかし...」


「貴様の理想は美しい。だが、それだけでは天下は治められぬ」


信長は刀を抜いた。


「貴様を倒し、俺が天下を取る。それが、この乱世を終わらせる唯一の道だ」


劉備は悲しそうに信長を見た。


「信長殿...貴方も、民のことを想っているはずです」


「想っている」


信長は即答した。


「だからこそ、力で治める。貴様のような甘い理想では、民は守れぬ」


劉備は剣を抜いた。


「ならば...戦うしかありませんね」


二人が馬を駆る。


剣と剣が激突した。


---


その光景を、孫権が遠くから見ていた。


「劉備殿と信長殿が戦っている...」


「殿、今が好機です」


周瑜が言った。


「両者が消耗したところを、我らが突きます」


孫権は劉備の姿を見つめた。


信長と戦いながらも、劉備は必死に説得を続けている。民を想い、戦いを避けようとしている。


「公瑾、あの方を見ろ」


「殿?」


「劉備殿は、本当に戦いたくないのだ。それでも、民のために剣を取っている」


孫権の脳裏に、これまでの三年間が蘇った。劉備が民のために働く姿。評議で常に民を第一に考える姿。


「俺は...間違っていたのかもしれん」


「殿...」


「力や智謀だけでは、民の心は掴めぬ。信長殿の覇道が天下を取れば、海の民はどうなる。南の民はどうなる」


孫権は立ち上がった。


「劉備殿なら、全ての民を守れる。あの方なら、任せられる」


「殿...!」


「公瑾、俺は決めた」


孫権は馬を駆った。


「全軍、織田を攻めろ!劉備殿を支援する!」


---


その号令を聞いて、周瑜は驚いた。


だが、すぐに理解した。


孫権は、劉備の想いに心を動かされたのだ。


「...殿らしいな」


周瑜は微笑み、号令を出した。


「全軍、織田を攻めろ!」


---


孫権軍が、織田軍に集中攻撃を始めた。


織田本陣で、竹中半兵衛が叫んだ。


「殿、孫権軍が我らを攻めています!」


「何...!?」


信長が驚いた。


「孫権め、劉備についたのか...」


劉備も、その光景を見て驚いた。


「孫権殿...」


その隙を、信長は突かなかった。


「劉備、貴様は...人を動かす力がある」


信長は剣を下ろした。


「孫権すら、貴様の想いに動かされた」


「信長殿...」


「だが、それでも俺は認めぬ」


信長の目が鋭く光った。


「貴様の理想が本当に正しいのか、俺はまだ信じられぬ」


---


その時、関東から一つの軍が現れた。


曹操軍だった。


荀彧が横に並ぶ。


「主公、関東は全て平定しました。もはや、この戦いの行方が、乱世の終わり方を決めます」


「ああ...」


曹操は戦場を見た。劉備、信長、孫権。三者が激突している。


「文若、俺はこの目で見たかった。劉備の理想が、本当に通用するのかを」


「主公...」


「三年間、劉備を見てきた。あの男は、本物だ。だが、それでも俺は信じられなかった」


曹操は馬を進めた。


「今日、決める。劉備の理想を、俺が試す」


「曹操殿...!?」


劉備が驚く。


曹操が馬を進め、戦場の中央に現れた。


「信長、貴様一人では無理だ」


「曹操...貴様、何をしに来た」


「決まっている」


曹操は不敵に笑った。


「劉備を倒すのは、俺だ。貴様には渡さん」


信長と曹操が、劉備を挟んで対峙した。


---


だが、その時、曹操が言った。


「だが、今日は違う」


「何...?」


「信長、貴様は劉備を理解していない」


曹操は劉備を見た。


「この男の想いは、本物だ。それを、俺は三年間見てきた」


「曹操殿...」


劉備が驚く。


「俺は覇道を行く。だが、劉備の理想も、一つの在り方だ」


曹操は信長を見た。


「今日、俺は劉備に協力する」


---


信長は、曹操と劉備を見た。


そして、孫権軍も劉備側についている。


信長は剣を握り締めた。


「劉備...貴様に問う」


「信長殿...」


「貴様は、力なき理想で、民を守れるのか」


劉備は信長の目を見た。


「私には、力があります」


「何...?」


「信長殿、私の力は、人を信じる力です」


劉備は周囲を見渡した。


「雲長、翼徳、子龍。信玄殿、謙信殿、幸村殿。そして、孫権殿、曹操殿。皆が、共に歩んでくれています」


劉備は信長を見た。


「私一人では、何もできません。しかし、皆と共になら、民を守れます。それが、私の力です」


信長は、劉備の目を見つめた。


その目には、嘘がなかった。


「...フッ」


信長は笑った。


「劉備、貴様は...本当に恐ろしい男だ」


信長は刀を鞘に収めた。


「俺の負けだ」


「信長殿...!?」


「貴様の想いが、曹操も孫権も動かした。俺一人では、それに対抗できぬ」


信長は劉備を見た。


「だが、劉備。これは俺の敗北ではない」


「...」


「貴様が本当に天下を治められるか。それを、俺はこれから見届ける」


信長の目には、冷徹な光があった。


「もし貴様が民を守れぬのなら、その時は俺が天下を取る。それまでは...貴様に任せる」


---


その言葉に、戦場が静まり返った。


織田信長が、劉備に天下を譲った。


それは、誰も予想しなかった展開だった──。

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