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魔女と王国と声変わり  作者: 睦月はくろ
第二章 イースの里編
59/63

崩壊

「えーと……説明が欲しいかな?」


 なんてことないようにギャルになると言い放ったローコに、頭のおかしいものを見る目をしながら説明を求めた。急に何言ってんの?カリスとツァールは唖然としてるし……ナトちゃんはギャルというものをよく知らないから頭に疑問符を浮かべていた。


「いやさー、あーし思ったのよ」

「今のギャルは一人称あーし使わないよ?」

「あーしとリリやんってキャラが被ってると思うんよね」


 私のツッコミはスルーすか。ていうかリリやん……リリーさんのこと?


「被って……るかな?まぁたとえ被ってたとして別にいいんじゃないの?」

「いやいや、一大事だって!向こうは無表情だけどおちゃめなところがあるっていうキャラが立ってるじゃん。あーしのキャラが完全に埋もれてんの!」


 いや、変形する体を持ってる人形ってだけで結構キャラが立ってる気がするんだけど?


「あとマスターってギャル好きっしょ?」

「どこ情報!?」

「そうなのかマオくん?」

「まさか自分の魔導人形に自身の性癖の強制をしとるのか……?」

「すみません!ギャルって何ですか!」

「一言も言ってないし、別に好きでも嫌いでもない!」


 私に流れ弾来たんだけど!?勝手に人をギャル好きにしないでくれる?あとナトちゃん、ギャルについてはカリスかツァールに教えてもらって!


「まぁ、あとはマスターの色んな表情が見たかったし。可愛い笑顔の時とか驚いてるところとか」

「十分驚いたから、元に戻ってくれない?」

「いや、やめないけど?ご主人様の日記に書いてたじゃん、あーしたちは自由に生きて欲しいって」


 自由の意味ちがうくない?それに多分、ライアーもこんな風になるとは思ってなかったよ?


「そんなわけでこれからヨロシク~、マスター」

「はぁ……分かったよ」


 もう何言っても変わらなさそうだし諦めることにする……。で、次何すればいいんだっけ?ローコのインパクトが強すぎて頭から吹っ飛んだんだけど?


「次何するんだっけ?」

「他の魔導人形たちを目覚めさせることじゃないかナー?」

「あぁ、そうだったわ。で、どうすればいいのツァール?」

「ふむ、とりあえず魔導人形たちが眠っているところへと案内しよう。それから目覚めさせる詳しい手順を……」


 私たちがあの魔導人形たちが並べられた場所へと行こうと動きだしたとき……


 ”ビーーーーーーー!! ビーーーーーーー!!”


「なんだ一体!?」


 突如、けたたましく鳴り響く警報の音。私たちが何事かと思ってると、私たちがいる部屋にアナウンスの声が聞こえ始める。


 ”里の結界が破壊されました! 里の結界が破壊されました!”


「結界が……破壊された……」




△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△




 同時刻、警報の音が鳴り響いたのは【祭壇】の中だけではなかった。


「警報!?」


 【トナコ】で魔女についての資料を読み漁っていたカレンたちも、突如鳴り響いた警報に驚きを隠せないでいた。


「一体何事じゃ!」

「アードゥル様!何者かによって里の結界が破壊されました!」

「なんじゃとぉ!」


 扉を勢いよく開けて入ってきたアゼ人から結界が破壊されたことを知る一同。ただならぬことが起きていることは明白だが、とりあえず情報を集める。


「ルート、魔力感知でなんか分かったか?」

「…………結界が破壊されて、北と南にある門から大勢の人が侵入してきてる……」


 ルートさんの口から現在のイースの里の状況を知らされる。結界が破壊されたタイミングでの侵入……


「つまりこれは……」

「――緻密に練られた計画的な襲撃じゃな」


 アードゥルさんがそのように断定する。


「一番気になるのが結界が()()されたという点……穴を開けられたならば、外からの攻撃で無理やりという線もあるのじゃが……」

「結界そのものがきれいさっぱり消えてんな。こりゃあ結界の核自体になんかあったな」

「アードゥル様、結界の核はどこに?」

「……ワシの家の離れで管理しておった」


 アードゥルさんが苦しそうにそう言葉をこぼす。それもそのはずね。アードゥルさんの家は当然、結界の中にある。それが意味することは……


「――つまり結界の内から壊した誰かがいるということですか……」


 リリーの言葉に場の空気が重くなる。結界は許可した者以外は入れない仕組みになっている。結界が正常に作動していた場合、結界を破壊したのは結界内部に侵入した者の可能性もあるけど、一番可能性が高いのは結界内部に裏切者がいた可能性だからね。


「…………結界の核があった場所に変な人がいる」

「変な人?」


 魔力感知をしているルートさんから新しい情報が入ってくる。変な人?


「…………アゼ人の魔力なんだけど……魔力がおかしい……。別の魔力と混ざりあっているような……」

「よくわからへんけど、そいつが犯人なんやろ?じゃあ捕まえるだけや」

「おうそうだな。とりあえずどう動くか考えようぜ」

「といっても北と南の門、あとは結界を壊した犯人を追う三チームに分かれるべきじゃないかしら?」


 私の提案に反対する人はいなかった。


「そうやなぁ……北はワイ、南はライハちゃんとリリーちゃん。結界の核はカレンちゃんとルートが行けば?ルートやったら結界の核を治せるやろ?」

「…………損傷のぐあいによるけど」

「マオさんたちはどうしますか?」

「大丈夫よリリー。マオたちなら各々ちゃんと考えて動いてくれるわ」

「それじゃあそういうことで……」

「待ってくだされ。ワシも連れて行ってもらえんかの!」


 各々与えられた役目に動き出そうした瞬間、アードゥルさんが声をあげる。連れて行くって……アードゥルさんは戦えない体でしょう?歩くのにも一苦労の体じゃはっきり言って足手まといとしか言えない。


「結界が破壊されたのがアゼ人の誰かによる仕業なのなら……ワシはそれを許すわけにはいかんのじゃ!」

「アードゥルさん……気持ちは分かりますけど……」

「この通りじゃ!」


 アードゥルさんが必死に頭を下げる。もはや土下座にまでいきそうな勢いだ。


「…………僕から絶対に離れないと約束してくれますか?」

「!もちろんじゃ!」


 先に折れたのはルートさんだった。私としてはまだ反対なんだけど……でもルートさんが守ってくれるのなら安心なのよね……。仕方ない……アードゥルさんは馬鹿じゃないし危険なことはしないだろう。


「それじゃあ……行きましょう」


 私たちはこの騒動を止めるため各々動き出した……






ギャルになるって言った時のローコの脳内

(やっぱ驚いてるなーマスター。そんな顔も可愛い♡これでマスターからのあーしの印象も深く焼き付いたかな?これからもずーーーとあーしのこと傍に居させてねマスター♡)


すいません、リアルの方が忙しくなるので投稿が週一くらいになりそうです……首を長くして待ってもらえると幸いです……

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