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魔女と王国と声変わり  作者: 睦月はくろ
第二章 イースの里編
50/54

攻略法

50話……50話か…………50話ぁ!?(二度見)

というわけで50話です。ここまで続けることができてよかったです。100話までいけるかなぁ……

「それでここまで戻ってきたと……」


 試練を中断して審判の間の入り口にまで戻ってくると、今までの【祭壇】の情報を整理しているカリスとパンクした脳が復活したナトちゃんがいた。二人に審判の間での出来事を話し、ツァールの攻略法を一緒に考えてもらう。


「私たちの話を聞いてどう思った?」

「ナトはとても強いってこと以外よくわかりませんでした!」


 申し訳なくナトちゃんがそう言ってくる。まぁ私もどう攻略するかあんまり思いついてないからね。物理無効に魔法無効……正直あの盾が反則的すぎる……


「そうだナー……実際に見たわけではないが、弱点はあると思うナー」


 さっきまで悩んでいたカリスが不意にそう言った。なにか思いついたのかな?流石はアゼ人、こういう知識や考えることは得意らしい。


「その盾は一つだけで機能を変化させ、物理か魔法の無効かを操るのだろう?」

「そうですね」

「なら、物理と魔法の無効を両方一気にすることはできないんじゃないかナー?」

「「「!」」」


 あー!確かに!あの盾モードを切り替えてるって本人も言ってたし、私が最初に魔法で攻撃したときは盾でガードするんじゃなくて回避の方を選択してた。カリスの考察が合ってる可能性が高いね。


「なら物理攻撃と魔法での攻撃、両方同じタイミングで当てることができたら……」

「どちらかの攻撃は通って、あの盾を壊せると思うナー」


 ……もしかして魔導人形とそのマスター二人で攻略するのも、あの盾があるからなのかも。他にも理由があるのかもしれないけどね。


「でも一発当てるだけじゃ盾は壊れないんじゃないですか?」


 話に待ったをかけたのは意外にもナトちゃんだった。でもその言うことは一理あるんだよね。だってあの盾ってかなりの魔道具?みたいなものだし、戦闘中何回も盾を狙って同時攻撃を仕掛けるのは、飛ぶことのできる相手に現実的じゃないよね。


「それでしたら大丈夫ではないでしょうか?」

「え?何か知ってるの?」

「実はあの盾が緑色の時……つまり魔法無効の時に私の銃弾が一発命中したのですが、あまり強い攻撃とはいえないのに少しひびが入ったんです」


 それってつまり……


「――まさか対応する攻撃と逆の攻撃には脆くなるのか?」


 私と同じ結論にいたったカリスがローコに尋ねる。ローコは頷きその問いに肯定する。それが正しければ威力のある攻撃じゃなくてもタイミングさえ合えばあの盾を壊すことができるかもしれない。


「光明が見えてきたわ」

「そうですね、では早速……」


 またツァールに挑もうと立ち上がったローコ。まぁ、早く他の魔導人形を解放したい気持ちは分かるけど、今日は……


「待ってローコ。今日はいったん里に帰ろ。魔力も回復したいし、明日万全の状態で行こ?」


 魔導銃を使う私は魔力の心配はあまりないけど、試練でローコは結構な魔力を消費したと思う。あの盾の攻略に二人必要なのを考えると、途中で魔力が着れてローコが動けなくなるのは避けたい。それに【祭壇】についても【トナコ】でよく調べてみたいし。なにか有益な情報があるかもしれないし。


「……分かりました」


 私の言ってることが正しいと感じたのかローコは納得してくれた。顔からしぶしぶといった感じが隠せてないけどね。


「とりあえず里に戻ろっか」

「はい!」

「そうだナー、わたしも早くこのことをみんなに伝えたいしナー」


 私たちは立ち上がって、来た道を歩いていく。強制的に連れてこられたときはどうなるかと思ったけど、まぁ……ちょっと楽しかったかな。


(あれ……そういえばなんか忘れてる気が……)




~~~~~




「それで全部説明してくれるのよね?」

「言い訳は無しだぜ?」


 目の前で仁王立ちしているカレンとライハさんをまえに、私とナトちゃんはいま土の地面の上で正座している。小さい石が食い込んできて痛い……。カリス?あいつは向こうでアードゥルさんたちに絞られてるよ。


 私たちはカレン達に質問責めと説教の両方を喰らっている。主にカレンとライハさんからだけど。他のルートさんら三人はローコの方で話している。まぁローコって見た目は人間だからアゼ人しかいないはずの里に急に現れた人間に見えてるからね。

 ていうかそうだったわ、私たちって【祭壇】が開いたことを報告もせず勝手に入って、中を少し破壊もしたんだよね。完全に忘れてた……。私は無理やり連れていかれたけど、二人を止められなかったっていう点はあるしね。怒られるのも分かる。……私巻き込まれただけじゃんって気持ちはあるけど。


「あー……まず何から話したもんか……」


 とりあえず私たちは【祭壇】が開いたときのことから中で何かあったかを説明した。私が【祭壇】の入り口に触れたら開いた話をしたとき、全員の疑うような目がこっちに向けられたけど、なんていうか嘘を疑ってるかより別のことを疑ってるように感じた。


「……ねぇマオ、一つ聞いてもいいかしら?」

「なに?」

「マオは、【魔女】についてどう思ってるのかしら?」


 意図が分からないカレンの急な質問に少々困惑する。なんで魔女?まぁ、一言で言うなら……


「ヤバい奴ら……かな?」


 だってあいつら私には友好的だけど、世界滅ぼそうとしてたり、人間全員私になればいいとかいう奴らだからね?それに歴史とか言い伝えを調べてもヤバいことしか書いてないし。


(流石にひどくないかい?)

(確かにお母さん以外は頭のおかしい人たちね~)

(あんたも含まれてるだろ……)

(やはり私が一番まともなようですね)

((((それだけはない))))


 頭の中から魔女たちの声がするがフル無視する。たしかにトルネが一番マシは絶対ないかな……うん。


「そう……。そう思うわよね」

「?」


 少しほっとしたようなカレンを不思議に思ったけど、今度はライハさんから質問が飛んでくる。あの……そろそろ正座をといてもいいかな?ダメ?そうすっか……


「それであれが例の……」

「はい!魔導人形のローコさんです!」

「ホントに人やないんか?どこからどう見ても普通の人にしか見えんし……えらい別嬪さんやけど」

「ウェンさん、帰ったら女性をナンパしてたとルトさんに伝えておきますね」

「なんでや!?ちょっと見た目を褒めただけやん!」


 ウェンさんは『ルトとはそういう関係やないんやけどなぁ……』って言ってるけど、幼馴染で大人になっても一緒にいるんだから、ルトさんの方は気があると思うよ?なにかとウェンさんの世話を焼くし。


「マスター、この方たちは?」

「私がメイドしてるとこの当主様と上司に王国騎士団の二人とエル教のギャンブラーだよ」

「ワイだけなんかおかしくない?」


 いや事実じゃん。ローコは一人一人に挨拶をしていく。そういえば、ローコってどういう立ち位置なんだろ?メイドである私をマスターとして仕えてるってことになるし、ちょっと変な感じ。


「カレン、ローコのこれからのことなんだけどさ」

「うちで雇わせてくれないかって話でしょ?全然いいけど」

「ありがと」


 まぁ、ローコの住む場所も決まったし後の問題は【祭壇】の試練の攻略かな?とりあえずは【トナコ】で色々調べないとね。


 ちなみに正座をといた後、十分くらい足が痺れた。




◇◇◇




 【祭壇】は調査のため立ち入りを規制されることになったらしい。といっても私は入れるけどね。なんでも【祭壇】のすべてを調べるためには私とローコが試練をクリアしないといけないからね。アードゥルさんが試練をクリアするまで私を王都に帰らせないって言うぐらいだし。落ち着いてるあのおじいちゃんも一応アゼ人だからねー、知識や未知には貪欲だから、圧もすごかったし。ちなみにカリスも調査に加わってる。まぁ、いままで【祭壇】について研究してたし、知識なら他のアゼ人より詳しいだろうしね。実際に中にも入ったし。


 【祭壇】から離れたマオとカレンとローコの三人は【トナコ】まで向かっている。ルートさんたちは文献を調べるのが疲れたらしく、先に宿に戻って休むらしい。まぁ、もう日が落ちてきたし、まだ里に来て初日だしね。ナトちゃんも【祭壇】の探索で疲れてリリーさんと一緒に宿まで戻った。


「そういえば、里にはどのくらい滞在する予定?」

「とりあえずは一週間の予定ね。その期間で残り火について何か分かればいいんだけど」

「まだ異常の原因は分かってないんだ」

「有益な情報は見つかってないわね。以前の残り火の被害と照らし合わせても特段変わったことは見当たらないし……」


 そうぼやくカレンの顔は少し疲れているように見える。まぁ結構な時間、文献を漁ってたらしいから。


 話をしながら歩いていると蔵書塔【トナコ】のまえまで着く。その入り口には……


『ようやく戻ってきたか』

「あれ?リファ、戻って来てたの?」


 入り口の近くで休んでいるリファの姿があった。私とナトちゃんがお昼食べに行ったときにはいなくなってたんだよね。どこ行ったんだろうって思ってた。


『我はそなたらと違って、狩りをしないといけないのでな』


 あー、そういえばそうだったわ。じゃあ、リファもお昼ご飯食べに行ってたってことか。


「マスターは魔物と話すことができるのですか?」

「私の混合魔法(デュアル)のおかげでね」

『ところでそっちの女は誰だ』


 急に魔物と話し始めた私に困惑したローコが話しかけてくる。魔導人形でも魔物の声が分かったりはしないんだ。

 メイドが一人増えてることに気が付いたリファが私に説明を求めてくる。とりあえず一から説明して、あげた。


『ほう……そんなことがな……』

「ところでリファはなんでここにいんの?私たちを待ってたっぽいけど」

『待ってたのはそなたなのだがな、我の言葉が通ずるのはそなたのみだからな。なに、少々頼みごとがあってな』


 頼み事?リファが私になにかを頼むのは珍しいというか初めてな気がする。


『じつはあの中にある本が読みたくてな』


 そう言って【トナコ】の方を指し示す。リファの体じゃ入り口につっかえて塔の中に入れないもんね。


「別にいいけど、何の本が読みたいの?」

『……酒の造り方についての本だ』

「……なんで?」


 なに?お酒でも造るつもりなの?ていうか密造なんじゃ……いやこいつグリフォンか、国の法律に縛られないんだ。


『我は食うものには困っていないんだが……酒だけはどうにも手に入らなくてな。金銭も持ってない以上買えもせん』

「だから自分で造ろうって?」

『そうだ』


 リファって何気に行動力がすごいときあるよねー。王都の襲撃の時も急に私についていってくれたし。ていうかもしかしてイースの里に来たのってそれが理由なの?


「お酒ぐらいなら私が買ってきてあげるのに」

『!――本当か!ならさっそく蜂蜜酒を30リットルほど……』

「破産させる気?」


 お酒って意外と高いんだよこの世界。前の世界がいかにすごいか分かるくらいには。ていうか30リットルて。グリフォンはそれぐらい飲むのが普通なの?


「何本かボトルで持っていくからそれで我慢して」

『むぅ……、もらえるだけマシか』


 しぶしぶ……本当にしぶしぶといった感じで引き下がるリファ。酒が好きなのはいいけどさ……もうちょっと飲む量減らした方がいい気がする。






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