みんなへ
「おはようございます」
翌朝、トーマスさんに挨拶する
「おう、にいさん、おはようさん」
トーマスさんはいつもどうりに気さくに挨拶してくれる
「にいさん?ちょっといいかい?」
「え?どうしました?」
トーマスさんに呼び止められる
「にいさん忘れてないかい?これ?」
そういって一枚の皮を出す
「ああ!!」
「もういいころだ、仕上げてみないか?」
「はい!」
勢いよく返事をして店の裏に行く
そこにはもう道具がそろっており
「まぁ、あとははりつけるだけなんだが・・・」
そういって丸太の一かけをだして
「すこし工夫しようか」
「いいですね!」
そういってトーマスさんは
丸太を輪切りにした物を盾の表面に置き
裏から釘で円を描くように打ち付ける
「こうすれば、盾にも攻撃力がでるだろ?」
「おお!!」
盾は正面に釘の剣先が突き出て
正面から当てれば突き刺すような攻撃ができる
「いいですね!これ!!」
感動の出来であった
そしてその上から皮をかぶせて
飾り鋲で周りを止める
「こうやって皮をまとわせとけば壊れにくく丈夫になるからどんどん使ってくれ」
そういって手早く盾を仕上げていく
「ありがとうございます」
「いいんだよ、せっかくのこの村の思いでにな!」
「あはは、そんな思い出になんて」
「・・・まぁ、俺からの選別だ」
「・・・はい」
なんか感傷的な空気が流れる
「イルたちにはこれからか?」
「はい、今から会いに行くところです」
「おう、じゃ後はやっとくから行ってきな」
そういって送り出してくれた
そのあとパラスさん、アークスさんの家を周り
イルたちに広場に集まってもらった
「おっさん?どうした?みんなあつめて?」
イルが口を開いた
「うん、今日はみんなに話があるんだ」
「話?」
リオンが聞き返す
「ああ、なんというか・・・みんな本当にありがとう」
そういって頭を下げる
「どうしたの?いきなり??」
マリアが聞く
「実は俺・・・この村を出ようと思っている」
「「「「「!!」」」」」
「最初はみんながなじむまで時間がかかるかと思ったが・・・もうみんな村の一員といて生活しているし、俺がいなくても村のみんなと仲良くできるかと思ってな」
「いや、でもなんで今なんだよ!?」
イルが聞いてくる
「まぁ、今言ったところもそうなんだけどな・・・俺を次の一歩を踏みたいと思ってな」
「次の一歩・・・」
リディアがつぶやく
「みんなと楽しくここで暮らすのもいいかなとも思ったけど、やらなきゃいけないことがあるからな、ここで留まることにはいけないんだ」
「やらなきゃいけないこと?」
ジンは聞いてきた
「俺な、この世界をもっとよくしたいんだ。イルたちみたいな子供たちや魔物で困っている人の力になりたいんだ」
「「「「「・・・」」」」」
みんな静まる
「俺なんかができるかなんて思ってないけどここで学んだこと、そして人たちの強さそれをこの先も手助けしたい、そして悪の根源をつぶす。そのために次に行こうと思ってな」
・・・
沈黙は続いた
「君たちには本当に助けてもらったから、感謝の言葉を告げたくてな、ありがとう!」
なにか沈黙とは違いなんかしんみりとした空気が流れる
それぞれ何か言いたげだが
言葉にまでは至らない感じ
「まぁ、準備もあるからすぐではないけどとりあえずみんなには伝えたいと思ってな!とりあえず、以上だな!!」
何となく明るく告げた
みんなはなんか言いたげな雰囲気を残しながら
その場を離れた
続いてニックさんやハイツさん
フランクさんやカートレットさんなど
お世話になった主要な人物に旅立つことを伝えた
ハイツさんは
「次の目的地はありますか?」
「いいえ、まだ決まってないです」
「そうですか、ここは他の土地とは少し離れていますので、これを」
そういって簡易的な地図を受け取る
「現在地がここです。目印を書き込んだものになりますこれがあれば近隣の町まで行けると思うので」
「ありがとうざいます」
「あと、旅立つ前にギルドにお越しください。前回の報酬とギルドの紹介状があります。これがあれば他の地域でもここと同じように使えるので」
そういって言葉を区切る
「なにか悲しくなりますね・・・」
しみじみと語るハイツさん
「あなたと出会ったのはつい最近なのに、行ってしまうと聞くと寂しさを感じます」
「そんな・・・」
照れて言葉を濁す
「この先も大変なことがあると思います。けして油断せずまた元気な姿を見せてださいね」
そう言ってにこやかに微笑んでくれた
一通りまわり
旅立つ決意をまた一つ強く持った
これからまた知らない土地に行くワクワク
そして新たな敵との対峙
これからまたさらに難関な道が待ってるんだろうな・・・
でもここで得た経験、そしてこれから知ることをフルに使って
この異世界を生きてやると
そして、まだまだ遠い魔王の存在を目指して
えいえいおーな気分であった




