話の本題
イルとマリアの後ろに一人の女性
「こちらカートレットさん、私たちがここにいたころお世話になった人よ」
マリアが紹介してカートレットさんは一礼する
女性の年を推測するのは邪推だが
思ったより若い方ですこしおどろいた
年は・・・
俺より若いかもしれない
そんな彼女は俺をみてなにかそわそわしている
これは・・・
ついにやってしまったか・・・
俺の中の大泥棒さんが奪ってしまったのか・・・
あなたの心を!!!
そんなことを思っているとカートレットさんはマリアに
「・・・ね、あの人本当に大丈夫なの?マリア、何かいたずらとかされてない?」
ハーイ!!ただの変態認定!!
「ああ・・・大丈夫だよ、こう見えていい人なんだから!」
どう見えてるんだろ・・・そして間がきになるわ・・・
なんか早々にハートブレイクショットを食らって
軽くダウンしてしまった俺に
「あの・・・タケシさんでいいですか?」
カートレットさんが話しかけてくる
「はい、タケシです・・・」
黒いスーツで哀愁漂う音楽が流れ
その中をつぶやくようなテンションで返した
「イルとマリアから聞いたのですが・・・私に話があると?」
「まだ話しかけたばかりなのに恋は終わったとです!!!」
「はぁ?」
「いいえ、こちらの話です・・・すいません・・・取り乱しました」
ついテンションに任せて一ネタやってしまった
その横でイルとマリアが呆れた顔をしていた
自分でとちっらかした空気を収集すべく
背を正し声のトーンを少し落とし落ち着いた感じにして
「うっうん!カートレットさん、足を運んでいただきありがとうございます」
そういって一礼をする
「ええ・・・その、話ってなんですか?」
まわりのポカーンな空気をしり目に
「はい、では・・・立って話のもなんです、座ってもいいですか?フランクさん?」
そういってフランクさんに話を促し
空気の再興に努めた
「あんたは本当に面白い人間だな~まぁ、座るって言っても地べただが・・・それでもよければどうぞ、座ってくれ」
フランクさんはどこかにこやかに対応してくれた
「はい、ありがとうございます。ではあと・・・他の方には退出を・・・」
「ああ、わかったよ・・・わしらで話すから他の者は少しでてもらっていいかな?」
その言葉に周りにいたものは席を外す
そしていなくなったのを確認して腰を下ろす
それにともなって
イル、マリアそしてカートレットさんも座る
そしてその瞬間カートレットさんはフランクさんに
「この人・・・大丈夫なんですか?」
だよね!警戒されるよね!!
「まぁ~わしも今あったばかりだからな~、しかし・・・話は聞くには面白い人間かもしれんよ」
「そうですか・・・フランクさんがいうなら・・・」
どこかしぶしぶといった感じだが一応話は聞いてもらえそうだ
「すいません」
なんとなく謝ってしまった
そして場を立て直して本題に入ることにした
「先ほどフランクさんにも話したのですが・・・頼みがあるのです」
「頼みですか?」
眉をひそめるカートレットさん
「その頼みを聞いたらこの”町”が手に入るらしいぞ?なぁ?タケシさん?」
フランクさんが先ほどの話の続きを促すように
合いの手を入れてくれた
「町!?手に入れるって・・・そんなことできるわけないじゃない!!」
カートレットさんは驚き疑念の言葉を上げる
「そうですね・・・現状では無理です。ですが、あなた方の働きで出来るかもしれないんです・・・どうですか?無理だという前に一度、話だけでも」
カートレットさんに話しかける
その言葉に
「・・・わかったわ。内容次第よ」
そういって一応の納得を得て話をつづける
「では続きを話します。お二人にはこの町に住んでる方で今の現状に不満を持っている方に目途を付けていただき、クリフに反する組織を作ってほしいのです」
「「!?」」
二人は鋭く反応する特にクリフという言葉に
「タケシさん・・・あんた簡単に言うがそれができると思って言ってるのかい?」
フランクさんが聞いてくる
「簡単でないと思います。だからお二人に話をしています」
「・・・」
黙るフランクさんそれにカートレットさん
「タケシさん、あなたはこの町の人じゃないから知らないのかもしれないけど、クリフに反感を持ったものがどのようになったか知っていってるの?あいつは容赦ない・・・金で人を動かして黙らす・・・そういう男なの・・・」
ありていなセリフだがそれだけ悪役ど真ん中な男だということがわかる
「あんたみたいな考えがなかった訳ではない・・・だが、人が多いとどうしても情報は洩れる・・・そこでおしまい・・・そんな結末で終わってるんだが・・・それでもかい?」
フランクさんがいう
「その時の状況は俺にはわかりません・・・ですが二の足は踏まない。それができるのではないのですか?そして、今回はあなた方だけではないです。」
「・・・タケシさん、つまりあんたがいることでなにか変わるのかい?」
フランクさんが確信をつく
「はい、ギルドを動かします」
「・・・たしかギルドもこの件を望んでるって言ってたか・・・しかし、あのギルドが市民のために動くのかい?」
「市民のためにっというと難しいかもですね・・・ギルドが町の事情、しかも片方に加担したとなれば・・・中立性が保てなくなりますから」
フランクさんの疑問に否定的な答えを返す
すると
「それじゃ、私たちがただ損をして終わりじゃない!そんなことをやれなんて、無責任じゃない!?」
カートレットさんがすこし怒りをあらわにした
「まぁまぁ、カートレットそんなにカッカするじゃない。タケシさんもあまり勿体ぶらないで話を進めてくれ」
「そうですね・・・すいません。今回はむしろ情報を流しましょう!町に不穏な動きがあると!!」
「??」
カートレットさんが疑問を浮かべる
フランクさんは話の続きを聞こうとしている
「ギルドには動いてもらいます。だが、市民のためとかではなく町のためにです。冒険者に町の警備をしてもらうのです。」
「・・・」
どこか要領を得ない感じでカートレットさんが黙る
するとその横ではフランクさんが不敵に笑う
「ふふふ、なるほどな・・・」
「はい、ある意味これは相手にとって安全のように見せて、実は裏では相手の動きを封じる一手になります」
カートレットさんに詳しく説明をする
「今回、ギルドに事前に動いてもらいクリフの動きを封じます。もしかしたら自分たちを守るために動いてるかもしれないのに、不穏な動きを自らしてギルドに目を付けられるようなことはしないでしょ?」
「なるほど・・・たしかにそうなると動きは封じられるかもしれないわね・・・でもそれだと私たちの動きまで封じられない?」
カートレットさんに聞かれる
「それは不穏なことをしようとすればそうなるでしょう・・・しかし、集団になるのはある一時、しかも暴力的な暴動ではなく紳士的に訴えるのです」
「訴えかけるそんなことでクリフが変わると?」
カートレットさんからもっともなことを言われる
しかしそれも想定内
「ここで大事なのは集団として活動できるまでにクリフの手が伸びないこと。基本裏で手を回し動くクリフはさっきも言った通り不穏、暴力的な行動が基本です。そうなると動こうにも動けない・・・そう考えます。そして集団で訴えることで起きることもだいたい予想できます。多分、武力での鎮圧です」
「そんなにうまくいくもんかね?もしクリフが武力でこなかったらどうする?」
フランクさんが聞いてくる
「武力でこなくても市民が悲鳴を上げていると近隣に伝われば、ギルドに動くきっかけになります。なんども言いますここで大事なのは集団になること。そこに限ります」
「ふむ・・・」
「・・・」
フランクさん、カートレットさんともに言葉を少なく
しばしの沈黙
「ふー」
フランクさんが息を吐く
「わかった、やってみるかの~」
「!?」
フランクさんの言葉にカートレットさんが驚く
そして
「フランクさん正気ですか!?こんな不確かな予想で動くのですか!?」
言葉が続いた
それに対してフランクさんは
「・・・このままいても何も変わらないのなら、もう一度・・・勝算の薄い戦いをするより、今できるであろうことをしたい・・・そうは思わんか?」
「・・・」
沈黙するカートレットさん
「タケシさん、わしらができることはしよう・・・だから、あんたはあんたの仕事をしっかりしてくれるな?」
フランクさんは俺に話しかける
そしてカートレットさんに
「カートレットは・・・無理はするな・・・わしはもう生い先短いじじいだからな!」
笑って話す
「あのタケシさん・・・私はあなたを信じていいのでしょうか?」
カートレットさんに語り掛けられる
それに対して俺はこういうことしかできない
「カートレットさん、俺を信じなくてもいいです。けど、町の人あなたの仲間を信じてみてください・・・その・・・そこに手助けできるように努力しますから」
するとイルが
「カートレットさん・・・おっさんはさっきみたいに突然おかしなこと言うけど・・・なんだかんだ、俺たちを面倒見てくれてそして、仕事とか居場所とか作ってくれたんだ・・・そんなおっさんだから俺は信じていいと思ってる・・・そして、今回のこと俺たちもなんかできることがあれば手伝うからさ!なぁ?マリア?」
「うん、カートレットさんにもお世話になったからその分しっかり返したいし!」
マリアもイルの言葉に同意して話す
「・・・わかりました!やります!」
カートレットさんは決意が決まったようにいう
「私もこのままではいられません!イルやマリアみたいな子供達でもいろいろやってきたんですから、私もやります!」
「カートレットいいのか?」
フランクさんが確認する
「はい!フランクさんだけではできないのでしょ?」
カートレットさんは俺に向かっていう
「はい。フランクさんの人脈とカートレットさんの人脈、それぞれ違うでしょうしそれを補うことができることを考えるとお二人の力が必要です」
カートレットさん、フランクさんの両名に向けて言う
二人は頷いて答えた
その様子を見て安堵するイルとマリア
二人の今回の人選にも感謝しないとな・・・
そして最後に
「今回のことはここだけの話にしてください。まだ動くのは待ってほしいです。一応ギルドが動いてから動き出す感じでお願いします。あと、枝を広げるのはかならずお二方がやってください。お二方以外が枝をのばすのは無しです。かならず二人の目で確かな人と組んでください。お願いします」
と今回のことを秘密にすることと二人以外の人選を選ばないことを告げて
二人のもとを後にした
ここからは二人の働き
そして俺のギルドへの根回しが必要になる
ハイツさんはこの話・・・というか芝居をうってくれるか?
そこにもかかるがひとまずの重要な役はそろった
ここからミアム町の命運をかける一歩を踏み出す




