狩りの手ほどき
森の中を歩きモンスター探し
ニックさんの見せたいもののため
見つけ次第ニックさんの前に引き出す算段だ
「いたよ!!」
マリアが叫ぶ
「こっちにこい!!!」
それにイルが声をかけて呼び込む
その声の方にマリアは全力で走りこむ
するとマリアの前にニックさんが回り込み
吹き矢をふく
「え!!ニックさん!?」
俺はまさかの吹き矢攻撃に驚き声がでる
そんな中吹き矢は見事に突撃ウサギの顔に命中
しかし、勢いのままニックさんへと距離が詰まる
「ニックさんが危ない!!」
リディアが叫びみんなでニックさんを守ろうと攻撃態勢をとる
しかし
突撃ウサギはそのまま勢いを失い
その場で倒れる
「「「「「「!?!?」」」」」」
その場にいた全員が驚きを隠せない
そんな中ニックさんは笑いながら
「成功です。これが教えたいことです」
と答える
「ニックさん?教えたいことって・・・吹き矢でも倒せるくらい弱いってことですか?」
俺はニックさんに聞いた
「いいえ、違います。あれまだ生きてますから」
「え?」
「寝かせたというか、マヒというかモンスターの動きを一時的に抑える毒です」
「へぇ~」
その言葉に興味があったのかほかの子も集まって話を聞く
ニックさんは倒れたモンスターに近づきながら
「これは毒の中でも効果は少なく、森を少しいくとよく見る毒キノコから作った矢です」
「こんなに聞く毒があるならなんであの時に?」
リオンが聞く
「たしかにあのモンスター襲来の時に使えば楽だったんじゃないの?」
イルがかぶせて聞いた
「実はさっきも言ったように効果は低いから顔に命中させないとこんな風に動かなくならないんだ」
「そうなんだ」
イルが納得していた
「でですが、その顔に当たらないといけない毒でなぜ今回倒したのですか?」
俺は疑問を投げかけた
「はい、実はお見せしたいのはこの工程なんです」
「工程ですか?」
「はい、この吹き矢で相手の動きを封じるのが最初の段階。そして」
そういうとニックさんは荷物いれから
先が丸く鍵爪のようなナイフを出す
するとモンスターの首元にそのナイフで切れ目を少し入れ
鍵爪部分の先端をひっかけ一気に引き下ろした
その姿に
「「ひっ!!」」
マリアとジンは慄く
そしてその一線に引いた切れ目に手をかけて
皮をはいでいく
皮は時に引っ掛かりながらも綺麗にはがれていく
そしてモンスターが肉の状態になった時
初めて消えていった
「これが見せたかった本当の工程、いわゆる皮剥ぎです」
子供たちはイルとリオンを抜いてみんな引いていた
たしかに少しグロテスクではあったが
血とかでてないから全然大丈夫だった
しかし疑問があった
「あの、ニックさん・・・なんで皮が剥げるんです?普通モンスターは倒すと消えますよね?」
「はい、そこが今回皆さんに見せたかったことなんです」
そういってドロップアイテムと剥いだ皮をしまい説明の態勢をとる
「みなさんもモンスターは攻撃したら死んでしまう。つまり消えると考えていると思います。」
「ああ、そうだろ?」
イルが答える
「たしかに攻撃を受けたモンスターは消えてしまいますが、ある上限を超える攻撃を受けると消えるようでそうでない場合、そのモンスターは形が残ります。」
みんな興味深々で話に聞き入る
そんな中その状態になぜかピンときた
そう例のピクピクタイムだ
あの時モンスターは形を残しているが
息を引き取ると消える
あの時の感じだ!
ニックさんは話をつづける
「そのため形を残すために弱い毒で動きを封じてその隙に皮をはぎます。すると皮は残り本体は消えてしまいます。この皮は加工して生活のさなざまな物に使えるので猟師はこうやって皮を入手します」
「なるほど・・・そうやって皮を手に入れてたんだ・・・」
納得して声がでた
「それじゃ、その毒を使わば皮も手に入れて一石二鳥なわけだ!」
ジンがみんなに先駆けて声を出した
「そうです!なのでみなさんに毒の作り方と皮の剥ぎ方を教えます!」
ニックさんはそう言ってみんなにさっきのナイフを渡す
「これは皮剥ぎようのナイフです。みなさんの分があります!タケシさんもどうぞ!」
渡させたみんなは物珍しそうにかつ嬉しそうに受け取る
「ニックさんいいのかよ?これ?しかも全員分なんて?」
イルが聞いてくれたので答えを待つ
「いいんです。これは騒ぎに迅速に対応したみなさんへのお礼です。トーマスさんがみなさんにって!」
あの人は・・・ギルドの件だけでなくこんなにしてくれるなんて・・・
「あとこの技術を伝えるよう言ったのもトーマスさんでみなさんが村になじめるように村で必要な技術はすべて教えていこうって言ってました・・・たぶん、トーマスさんは皆さんを信頼なさったんだと思います。もちろん村のみんなも今回の件でみなさんに本当に感謝していますから!」
その言葉に何か照れ臭いような空気が流れた
それを打ち消すように
「さ!ニックさん次はどうするんだい?」
イルが声を上げた
「次は毒の作り方を教えます。といっても簡単なんで見ていてください」
そう言ってニックさんはキノコを集めつぶすという
一連の作業を見せた
「ここらへんのキノコは毒も少ないのでそれほど扱いに注意することはないですが、傷口に入ると倦怠感や嘔吐してしまうかもなんでそれは気を付けてください」
「「「「「はーい」」」」」
みんなニックさんの指示に従い作業していく
そこで俺はいくつかニックさんに聞くことに
「この毒は村で独自に?」
「はい、知っての通りこの辺りはモンスターが弱いので市販の毒では死んでしまうのです。しかも、一回一回買っていたら財政も厳しいので」
「なるほど、ではこの毒は戦闘向きではないと?」
「そうですね、私たちの先人が狩りのためだけに開発というか見つけてたみたいなんで、戦闘には向かないかと。しかもこの辺のモンスターくらいしか効かないかもしれませんね」
「そうですか・・・では道具として売るのも?」
「そうですね、値はつかないかと・・・というよりはあとで子供たちに言おうと思っていたのですがこの技術は基本村で守りたいのでほかには・・・」
「!そうでしたか!!わかりましたこの件は他のところではいいません!!」
「ありがとうございます!」
そういうとニックさんは今のことを子供たちにも言いに行った
聞いといてよかった!
村で守る文化みたいなものを外にはだせないしね!
あとこの毒もここだけで使える物と認識しておこう
「では次は実際にモンスターを狩ってみましょう!!」
大きな声でみんなにいうニックさん
そのこえにみんなで移動を始める
モンスターを見つけるべくそこら辺を歩くと
「いた!!」
またマリアが声を上げる
しかし今度はマリアが用意した吹き矢で
モンスターの顔に矢を放つ
すると
「・・・」
ウリウリボーは倒れた
「やった!!」
マリアが喜びその様子をみたニックさんが
「さすがですね!!いい腕です!」
そう褒める
「ですが!狩りをするときは声を立てずに目標に向かっていき止めを刺すことが必要になるので発見時声を出さずに矢を刺す方法があるので今度それを教えますね」
「わかった!!」
マリアが答える
そして仕留めたウリウリボーに近づいて
「では皮をはぎますが・・・イルさんやってみますか?」
「おう!」
そういって皮の剥ぎ方をイルにモンスターを練習台に教える
ほかのみんなもその様子をジッと見つめている
先ほどは引いていたジンやリディア、マリアも真剣だ
その中イルが切れ目を入れて皮を引くとき
「ちょっといいかい?」
そういって二人の作業にはいる
「俺にも少しさせてもらっても?」
「いいですよ?イル?」
「ああ、おっさんもやってみなよ!」
「ありがとう」
そう言ってさっきの行動を思い出しやってみる
すると思ったより皮は薄く切れ目はすぐ入った
あとは皮引きだが・・・
すぅぅぅぅ
これも案外簡単に引ける
肉と皮の密着はさほど感じず
壁のクロスをはぐ時みたいな感覚でとれた
そんなこんなですぐウリウリボーは裸になり消えた
その手さばきをみたニックさんは
「あの・・・タケシさん本当はやってました?」
「いいえ、初めてです。けど思ったより簡単ですね!」
「器用ですね!タケシさんは!!」
ニックさんが感嘆の声をあげる
「おっさん、全部やっちゃうかな?普通??」
イルがそう告げる
「あ!ごめん!つい・・・」
「まぁ、いいや次探そうぜ!!おっさんに負けられない!」
イルが声を上げる
ニックさんに褒められたがこれも現実世界での経験のおかげだ
仕事で壁のクロスを剥ぐことをやったのでそれが何となく似ていて
うまく今回の動きと合った
「どこでなにが役に立つか・・・わからんもんだな・・・・」
そうつぶやきイルたちが森の奥にはいろうとしているあとを追おうとした
そのとき
ゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォ
向こうの方から何か多くが向かってくる気配がする
「!?みんな!!」
イルたちに声をかける
すると彼らも気づいたのかすでに戦闘の態勢を整えて構えていた
ゴゴゴゴゴゴゴ
前方の音が大きくなり全貌が見える
それは大量のモンスターの群れ
「またか!!不味いです!!タケシさん」
「はい!!みんな固まるんだ!!少し蹴散らして撤退するぞ!
「「「「「はい」」」」」
そう言って後方に下がり
モンスターの群れを迎撃する構えをとる
ゴゴゴゴゴゴゴ!!!
来る!!
ザザ!!
しかし、モンスターの群れはこちらに人がいるのを確認すると左右に分かれ四散した
「あれ?」
リオンが声を出す
「モンスターが逃げましたね・・・群れで・・・」
リディアが呆気にとられたように話す
「そうだな・・・・」
俺自身も驚きの声をだす
「どうなってるんだ・・・いったい・・・!!」
前方からまた気配がした
ザッザッザッザ・・・
「なんだ?まだなんかいんのか?」
イルがそう言って前に出ようとする
だが
「イル!!止まれ!!」
声が出ていた
「なんだよ?おっさん??」
「もどれ!!」
「??」
「いいから!!」
「お、おう」
イルも俺の危機感の強さにそのまま下がる
そしてその声を聞いたかのように
前方の存在は姿を現した
「・・・・嘘だろ・・・・」




