説得 その1
納屋へ向かう途中
トーマスさんの前を通る
すると
「にいさん!!」
呼び止められた
ちょうどこちらも話したいことがあったのでよかった
「さっきはすまなかったな・・・なんていうか厳しかったよな?」
「いえ、そんなことはないですよ」
「俺もなんていうか・・・その・・・悪かった」
トーマスさんが頭を下げる
「トーマスさん!!頭をあげて!!」
頭をあげて
「すまなかったな」
言葉を残す
そこに
「あの、トーマスさん俺の話を来てくれませんか?」
「なんだい??もしかしてまた!?」
「はい、またです」
「にいさん、それは・・・」
言いかけた言葉に
「お願いします!!まずは聞いてください!!」
遮り言葉をかぶせた
「・・・わかった。」
トーマスさんが話を聞く態勢をとる
「ありがとうございます」
お礼を述べて考えていたこと疑問を混ぜ話を開始する
「まずはこの村はあまり若い人がいませんが20代の人は何人いますか?」
「??村かい?若いのは今は3人ぐらいだ」
やっぱり、この村は結構老化が進んでる
「ニックさんとあと2人ってことですか?」
「そうだな~あとは30代より上かな?夫婦世代が多いからなある程度落ち着いてるな」
「そうなんですね、子供は多いのはそれでということですか」
「そうだな!!」
この村は幼い子供は多いが
「その割には10代後半から20代は少ない気がするのですが・・・」
「・・・まぁ、この村はわりと町に近いが町の盛んな雰囲気は若い物には魅力的なんだろう・・・」
「そうなんですね・・・」
どこの世界も同じってことかな?
「それだと、村的につらくないですか?」
「村的に・・・かい?」
「はい、この村は農業が盛んだ。そうなると力がある若いのが流れると衰退しませんか??」
「衰退・・・か・・・」
気持ちトーマスさんの言葉が歯切れが悪くなる
「はい、もしかしたら今は問題になってないかもしれませんが!」
語彙を強めて続ける
「この先この村にいる子供たちがこの村に残らないとなるとこの村の年齢が高くなり、農業を続ける者がいなくなり村自体が存続できなくなります!」
「・・・言わんとすることはわかるが、子供が残らないことが・・・」
わかる、すべていなくなることなんてというその気持ちしかし
「すべての子がいなくならなくても今のこの現状・・・若い人が少ないと、この村に残ることも難しくなります」
「?なぜだ??」
「出会いがなくなります。」
「!?!?」
あまりに当たり前のことで気づかなかったようだ
「やはり男女の出会いは繁栄やその時期の子たちには大事なものでしょう」
「だが、町で出会ってこちらに来ればいい」
そう簡単にはいかない
「確かにその流れがあるならそれでもいい。ですが今この村にその傾向はありますか?」
「・・・」
トーマスさんが黙る
それから口を開いた
「にいさん・・・あんたはまるでそれがあったかのように話すがそんなことがあるのかい?」
「はい、あります。」
即答する
現代社会である日本で問題になっていた人口の集中
地方から都会に移り住む人々
そこから生まれる地方の高齢化とその地域の経済的衰退
第一次産業に頼っていたことによる人材不足
顕著になっている問題はこの世界にも起こりうること
日本でさえ村では維持できず様々な方法で統合し
数を減らした
「そうか・・・で、あんたは何が言いたい?」
「はい、若い子を受け入れるその手段をここで作りませんか?」
「受け入れる手段?」
かなり突拍子もないことを言ってるとは思う
だがこれは多分いい提案になるはずだ
「町では若い子、つまり今回みたいな山賊みたいな子があふれているのでは?」
「う~ん・・・あふれてるとは言わないが・・・最近は盗みが多くなってるみたいだな」
「そうなんですね、簡単な話その盗みを起こした若い子をこの村で更生させて受け入れるんです」
「は!?何言ってんだい!そんなことしたらこの村が終わっちまう!!」
トーマスさんが顔色を変えていう
「さっきも言ったが盗人は盗人なんだ!それを受け入れていたらこの村は犯罪者だらけになる!!」
ごもっともな意見だ
誰もかれも受け入れていたらそうなるしかし
「そうです、全員を受け入れるまた経験がないうちにやったら犯罪者で手が回らなくなるでしょう」
「そうだろうよ!」
「だから、今回の彼らに協力というかできるかどうかの実証をできないかと思うんです」
「あいつらで?」
「はい、そのまま牢屋に入れるより労働力になりますし、年齢的にも若くまだいろんなことを吸収できます」
「あんた、それは奴隷として使うってことかい?」
「うーん、最初はもしかしたらそれに近い形になるかもですね」
「にいさん、いくらなんでも子供を奴隷には・・・」
言い淀むトーマスさん
たしかに奴隷には俺も抵抗あるだが最初のうちは子供からしたらそんな思いだろう
「ですが、牢獄に入れてしまえば彼らは一生犯罪者だ、しかしかなり限定的になりますが可能性を見たうえでこちらで一度預かり村に労働力と若い力を取り入れる。ある意味奴隷的にとらえられますがこの時に無理矢理にやるのではなく、彼らの同意のうえでやることが大切なことになります」
「うーん・・・」
トーマスさんが顔をしかめる
「それを今ここにいる彼らに聞くんです。否定するならそのまま町に送りましょうですが、そうではなくやる気があるならやってみませんか?」
「・・・」
考えるトーマスさん
「もちろんその際、俺も言い出した者としてしっかり面倒を見るつもりです」
「・・・」
「みなさんの力が必要です。特にトーマスさん!あなたが納得しなければできないと思ってます・・・どうか一度やってみませんか??」
「・・・わかった・・・でもまずはあの子たちの話をきいてからだ。それでいいだろ?」
「!!はい!!ありがとうございます!!」
勢いよく頭を下げる
「おいおい!にいさんがそんなに頭を下げるなよ!まだ決まったわけじゃないしな!」
「はい!でも、大事な一歩なので!!」
頭を上げて喜びを伝える
「ははは、やっぱりにいさんは変な人だ、それに優しいな」
トーマスさんの顔も緩む
「じゃ、納屋に行くか、にいさん!!」
「はい!!」
そういって納屋へ向けてトーマスさんと歩いた
これは変革の第一の壁
それを今すこし上ったのと同じ
トーマスさんを説得できなければこの作戦はできないからな・・・・
大きな一歩だ!
そしてこれからが本題である!
彼らの人間性が問題になる
俺の感が正しいことを願うばかりだ




