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説得 その2

タッタッタッタ

「トーマスさん!タケシさん!!」

ニックさんが声をかけてくれる

納屋の周りを数人の男性が警護している

正面のドアにニックさんともう一人構えている

「お二人でどうしましたか?」

「実はな、ちょっと彼らに話がね」

トーマスさんが話す

「え!?でも!!」

おどろいているがトーマスさんの顔を見て察したのか

「わかりました」

そういうと扉に向かい戸を開ける

扉のむこうに彼らが固まっている

戸が開いたのに気付いたのか

イルとリオンが前に出てく来て3人をかばう形をとる

すると

「なんだ!?おまえら!!」

大人が突然集団で入ってくれば構えるか・・・

「イル、リオン、君たちそう構えなくていいよ」

ここからは俺の出番だ

「・・・」

声を出さずだがそのままの体制は変えずにいた

「・・・まぁ、そのままでいい話をしないか?」

「話?なんだっていうんだ!?」

警戒心を解くことはないという感じで

こちらに睨みを向ける

「ぐぅっ」

イルが胸を抱えて蹲る

俺が蹴り飛ばしたことで負傷した傷

村の人の介抱により包帯で保護されていた

「それ」

指をさして

「大丈夫か??」

「お前がやったくせにうるせぇよ!!」

たしかに・・・

「それは・・・悪かった・・・やりすぎたな」

「・・・」

イルは黙ってしまったが警戒は解かない

とりあえず話を聞くためにこちらから話しかけてみる

「君たち・・・町から来たのかい?」

「・・・」

「若いけど、親はいるのかい??」

「・・・」

「盗みは初めてか???」

「・・・」

「君たちの関係・・・」

「うるせぇ!!俺たちのことなんて知ってどうするんだよ!?」

ついに口を開いた

「まぁ、落ち着けよ。別に何か悪いことをするわけじゃない」

「そんな言葉信じろってのか!?大人はそうやっていつも都合のいいことばかりだろ!!」

イルがここぞとばかりにまくしたてる

トーマスさんは横で渋い顔をしていた

そして

「にいさん、これが現実だろ??」

「・・・」

ここで黙ってはだめだ

「いえ、今なら話ができますから・・・」

そういってイルたちに話しかける

「じゃ、俺たちの話をしない君たちの話をしてほしい」

「はぁ!?」

「君たちの話が聞きたい」

「・・・何がききたいってんだ?」

やっと話が進みそうだ

「君たちはなぜ盗賊を?」

直球ストレート勝負!!

「はぁ?マジで聞いてるのか??そんなの言うまでもないだろうが!金がねぇー!!食いもんがねぇー!!住むところもねぇー!だからだよ!!」

「・・・親は?」

「いねぇよ!!」

「いないことはないだろう?生まれてるんだ、誰かしら・・・」

「だから!!いねぇ!!」

「・・・」

う~ん、わかってることではあったがなんとも味気ない返答

「じゃ、君たちは兄弟?」

「・・・いや、違う」

「それじゃ、君たちの関係は??」

「町であった・・・そんだけ・・・」

みんなその言葉を聞きながらどこか暗い顔をする

「それだけなのかい?」

「・・・それだけだ・・・」

イルも言ったあとどこか暗い顔をする

「そうか・・・じつはこの中から奴隷にしようかとね・・・」

するとイルが顔を怒りでゆがめる

「やっぱ、そういうことかよ!!てめぇ!!こいつらに手出したらただじゃおかねぇ!!」

イルが吠えたあとリオンと二人で立ちふさがる

「なんだ?お前らただ知り合っただけの関係だろ?」

「こいつらは・・・こいつらは・・・俺にとって大切な仲間だ!!手はださせねぇ!!やるなら俺にしろ!!そうじゃないならここにいる奴ら全員相手してでも逃がす!!絶対!!」

そういうと駆け出すイル、リオン

それにかまえるニックさんとトーマスさん

「待て!!!」

大声で叫び行動をいさめる

「イル・・・冗談だ、落ち着け」

大声で立ち止まったイルに対して一言

「は?冗談って・・・おっさんいいかげんに・・・」

言いかけたイルに

「君たち・・・これからここで、働いてみないか?」

「「「「「「!?」」」」」」」

そこにいた少年、そしてニックさんも驚いていた

「トーマスさん、彼の行動・・・ただの盗人にできるでしょうか?仲間というものを大切にできる、人と絆が結べるそういう人間でなければできないのではないですか?」

トーマスさんに振り返り聞く

「犯罪はいけないですが、それを許し、立ち上がりたいと願うものには手を差し出す・・・そんな大人がそんな人間がいてやらないといけない気がするんです。そのために必要な人と関係を築く・・・それを彼らは持っている・・・まだ救いがあると僕は思うんです」

これは言うがやすしってやつで甘い考えだ

すべてを許せとは言わないだが

何かの過ちでその道にいった者を

過ちも正さぬままに一定の者たちと共に裁くこと

それは理不尽という言葉にならないか

弱者はそのまま弱者のままで死んでいく・・・

人とのつながりが世界を築くのだとしたら

今、この瞬間つながりができたのだどうにかならないか・・・

どっちにしても甘い考えなのはわかる

だからトーマスさんの決断を仰ぎたい

「・・・おまえら、仕事はしたことは?」

「・・・ある・・・けど・・・」

「けど?」

「けど、ちゃんと雇われたことはない・・・」

トーマスさんの質問にイルは答えた

「ちゃんと雇われたことないってのは?」

「・・・働いた・・・けど金はもらえなかった・・・」

「・・・」

トーマスさんが口を閉じた

沈黙があたりを包む

「おまえら全員か?」

ふたたび質問をする

「全員ではない・・・」

ジンが答える

すると後ろからリディアが

「私たちはあの町、ミアムの町で会いましたですが・・・最初はみんなバラバラで私とマリアは売られ男の人に乱暴されそうなところをイルとリオンに助けてもらいました。そこで働いていたのが彼らでした・・・」

イルが続ける

「俺たちは施設から抜け出してあの町に行った。それで酒屋で働いていた・・・っていっても、宿代だって金はもらえなかった。それにジンが流れてきて同じ扱いを受けて、しまいにはマリアやリディアを乱暴しようとした・・・それに抵抗したら叩き出され路上生活・・・」

答えを聞いて黙る俺たち

さらにイルは続ける

「なんとか仕事を探そうとしてもマリアとリディアに手を出そうとする奴らか、俺たちのなりをみて見下す奴らだった・・・施設でもひどい扱いをうけて逃げ出したがあの町ではもっとひどい扱いをうけた・・・だからもう誰も信じないで俺たちで生きようってそうしたんだ・・・」

「それで山賊ってことか・・・それが続くと?」

トーマスさんが聞き返す

それに対してイルは

「そんなの続くなんて思ってねぇよ・・・ただ仕返しをしたかったそんだけだぁ」

「仕返し?」

トーマスさんが聞く

「あぁ、仕返しだ。どうせあのままでいてもいつか捕まると思っていたなら、最後に大人に仕返ししたかった・・・そんだけだ・・・」

その答えにトーマスさんが振り返り俺に聞く

「にいさん、こんな風に大人に恨み持ってる子供がまっとうに更生するかい??」

その言葉に正直面を食らう

さっきまでの勢いも一気に静まる

それほど想像にしてない彼らの答えだった

自分の思いの浅さ、甘さ、そして自分の境遇の良さを痛感する

日本で生きてればまずないだろう話

そんなことを今聞き、その世界で生きているその人たちに

どうにかなりますよって・・・

それは無理だといわれる・・・

だが!!

「仕事は俺が教えます!!こいつらがモノになるまでこの村に居て教えます!!ダメな時・・・その時は俺ともども牢屋に送ってください!!抵抗はしません!!」

「!?」

トーマスさんが驚く

そして

「おっさん、あんた何言ってるんだぁ?俺たちなんてかばっても何もないだろ!!」

イルがいう

「・・・君たちに見返りを求めていない。これからなんだ!君たちからが始まりなんだ!!」

力説してみただが

「なに言ってんだ?・・・」

意味は通じてないみたいだ

しかし

「ホント何言ってんだよ・・・おっさん・・・」

どうやら感極まってるようだ

その光景をみたトーマスさんは

「わかった、にいさんがそこまで言うなら俺は信じるよ・・・まだ出会ってそんなに立ってないがあんたはそうだな、年のわりには抜けてるが・・・いいやつだってのはわかったからな!!」

その答えに本当にうれしくなり

「ありがとうございます!!」

頭を勢いよく下げていた

衝動的な行動だが素直な気持ちがでた

「にいさん!あんたはこれからが大変なんだ!!まだこれからだぞ!!」

「はい!」

トーマスさんの温かい言葉・・・

人が出来てる人はどこまでもできた人なんだと思った

そして彼らに向かって

「君たち!!どうせ牢屋にはいるなら俺とここで仕事をやろう!?」

熱血教師顔負けの熱い眼差しで語り掛ける

「・・・・わかった・・・・」

イルが答えた

「ほかのリオン、ジン、リディア、マリア!君たちは!?」

「「「「はい」」」」

同意を得た

そこにずっと様子をみていたニックさんが

「あの、僕たちもできることがあったら手伝いますから、いってくださいね!」

やさしい言葉をくれる

あー、人間って捨てたもんじゃないな・・・

そう思った瞬間だった

「ありがとうございます!!」

ニックさんに感謝をのべ

「じゃ、君たち明日からいろいろやってもらうからな!!」

「わかった、な?」

「「「「うん」」」」

何となく気になったことからこんな大事に・・・

何があるかわからない人生・・・

キャラにないことばかりで疲れるがまだまだゲームでいうところの序盤

明日からまたやってやる!

そんな現実世界では思わないことをここで思う

新たな一歩を踏み出したそんな日であった


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