奇妙な侵入者
レンは起伏のある平原を、長く嘆かわしげなため息とともに、かかとを引きずって歩いた。そのため息には、彼のみじめな存在すべての重みが乗っているかのようだった。彼は自分の正気に対し、厳粛で切実な誓いを立てていた。何があろうと、二度と全力は出さない。普通の人間のように、小さく行儀のいい歩幅で歩く。望みはただ、静かな村を見つけ、背景に溶け込み、このふざけたファンタジーの煉獄で生き延びる方法を見つけることだけだった。
鋭いサファイア色の瞳が細められた。
彼が今しがた足を踏み入れた森は、死んだように静まり返っていた。鳥のさえずりも、林冠で羽音を立てる虫もおらず、下生えを揺らすリスの音すらしない。極度に研ぎ澄まされた彼の感覚が即座に跳ね上がり、うなじの毛を一本残らず逆立たせた。誰かが彼を見ている。
数メートル先で、土の小道に沿って咲き乱れていた鮮やかな野の花が、突然しおれた。菫色の花びらは灰色に変わり、宙で腐り落ちて、力なく土の上へひらひらと舞った。
腰のあたりで、七つの天徳の剣が暗色の鞘越しに、かすかな結晶のような青い光とともに脈打っていた。
シャキィン――
何マイルも離れた鬱蒼とした木立の奥から、圧縮された殲滅の見えざる波が、現実そのものを引き裂いた。倒れ始めるより先に、太古の巨木の幹が綺麗に両断され、凄まじい大気摩擦が空気そのものを、甲高く鳴り響く真空へと切り裂いた。致死の弧は地形の上を悲鳴のように駆け抜け、レンが立つまさにその地点へ叩きつけられた。
ドオォン!
衝撃を伴う爆発が大地を吹き飛ばし、深さ約六メートルの、煙を上げる焦げたクレーターを残した。土と砕けた木片が、破片のように降り注いだ。
何マイルも離れた、林冠上部の濃い影に包まれた場所で、痩身の人影が一歩前へ出た。炭のように黒い肌、尖った耳、流れるような銀髪。黒曜石のレイピアが、彼の腰に無造作に収まっている。ダークエルフはにやりと笑い、柄頭に手を置いたまま、遠くを見渡した。
「マナの痕跡が微塵もない」ダークエルフは鼻で笑い、尊大で傲慢な笑い声を漏らした。「無防備で哀れな、迷い込んだ人間か。つまらん」
「すみません」
ダークエルフの笑い声が、彼の喉の奥で詰まった。冷たく息苦しい原初的な恐怖の波が、彼の背筋を駆け上がり、全身の毛が一本残らず、瞬時に逆立った。
彼は身を強張らせ、ゆっくりと、苦しいほどゆっくりと、頭を後ろへ向けた。
彼のすぐ後ろ、頑丈な枝の上に立っていたのは――黒いタートルネックには塵ひとつなく、真っ白な靴は輝き、青い髪は少しも乱れていない――レンだった。レンは、平板で、心底うんざりした、純粋な不信の表情で、エルフを見つめていた。
ダークエルフはよろめいて後ずさり、ブーツが樹皮から滑った。目が頭蓋から飛び出さんばかりに見開かれた。「ど、どうやって!? どうやってあれから逃れた!?」
「触れる前に、肩を左に半ミリ傾けた」レンは、平板で疲れきった苛立ちをにじませた声で言い、一歩近づいた。「それより……いったいどうして、文字通りただ穏やかな朝の散歩をしているだけで、誰にも迷惑をかけていない人間の首を刎ねようとするんだ!?」
ダークエルフはパニックを起こし、木々の間を駆け抜けようと身を翻したが、レンの手が気負いのない、恐ろしいほど正確な動きで伸び、彼のチュニックの襟をがっしりとつかんだ。
「だめだ、逃げられると思うなよ!」レンは鋭く言い放ち、彼をぼろ人形のように前後に揺さぶった。別れ、自分の死、そして今朝のあまりに宇宙的な不条理に対して溜め込んできた苛立ちが、完全に煮えたぎっていた。「俺は今日、とんでもなく最悪な一日を過ごしてるんだよ! メッセージで振られて、頭を撃ち抜かれて、異次元に放り込まれて、うっかり山脈を核で吹き飛ばして、今度は耳の尖った狂人に五マイル先から狙撃されるだと!? この世界の連中はどうなってるんだ!?」
ダークエルフはレンの光るサファイア色の瞳を見つめ、レンから放たれる押し潰すような不可視のオーラに、完全に圧倒された。彼の顎は緩み、目は頭の奥へぐるりと裏返り、濃い白い泡が口からぶくぶくと溢れた。あまりの精神的外傷に、彼の意識はぷつりと切れた。
エルフは完全にぐったりと力を失った。
レンは凍りついた。
瞳孔が、恐怖に染まった針の先ほどの点にまで収縮した。
待て! 違う! と彼の内なる独白が、絶対的で混沌とした恐怖の中で金切り声を上げた。死んだ! 死んだぞ! お前が! 武装した暗殺者を、口で文句を言っただけで脅かして死なせたんだ! この人殺し! この化け物め!
「おい! 起きろ!」レンは気絶したエルフを必死に揺さぶり、声は裏返って切羽詰まったどもりへと変わった。「ごめん! 本当にごめん! 頼むから死なないでくれ! 声を荒げるつもりじゃなかったんだ! 大丈夫か!? 目を開けてくれ、謝るから!」
二十分後、レンは苔むした丸太にぎこちなく腰かけていた。向かいの草の上に座ったダークエルフは、額が地面につかんばかりに、必死に頭を下げ続けていた。
「申し訳ございません! 許されざる傲慢を、心の底から、力の限りお詫び申し上げます!」エルフは震えながらまくし立てた。彼は自らを、人里離れたダークエルフの村の斥候だと名乗り、冷や汗をだらだらと流しながら、ちらりとレンを見上げた。
「だ、大丈夫……大丈夫だから」レンは両手を振って受け流しながら、もごもごと言った。顔は気まずさで燃えるように熱かった。「ただ……通りすがりの人を撃たないでくれよ。ところで、君の村はどこにあるんだ?」
ダークエルフは身を起こし、気楽で曖昧な肩のすくめ方をした。「ああ、北西に山脈四つほどです」
レンの顎が完全に外れた。
山脈を四つも丸ごと徒歩で越えてきて、森にいた赤の他人を狙撃したってのか!? と彼の脳は頭蓋の虚空に向かって叫んだ。正気か!? 趣味とかないのかよ!?
「重ねて、心よりお詫びいたします」エルフはそう言い、ぎこちなく緊張した笑みを浮かべて、首の後ろをかいた。それから、その表情が深い困惑に変わった。彼は少し身を乗り出し、目を細めた。「ですが……恐れながら、あなた様……それでもなお、あなた様の身体からは、マナの原子ひとつ感じ取れないのです。あまりにも不自然です」
レンはごくりと唾を飲んだ。冷や汗が襟元をちくちくと刺さんばかりだった。
しっかりしろ。マナのない、生の感情で動いてる男だなんて言えるか。変人か、名状しがたい異形の怪物だと思われるぞ。
「お、俺はただ……マナを隠してるだけだ」レンはどもり、嘘を何もない空気から引っ張り出した。「当然だろ」
ダークエルフは瞬きをした。「ああ。なるほど、確かに。我らダークエルフも、マナの波長を隠すことができます」
レンはそれにすぐさま飛びつき、無理に作った得意げな自信とともにうなずいた。「だろ!? そうなんだよ! だよな? 正直、素人みたいにマナをひけらかして歩くより、隠すほうがずっと楽だよな」
ダークエルフが固まった。
レンも止まった。森は死んだように静まり返った。レンの額に冷や汗がひと粒浮かび、ゆっくりと頬を伝って落ちた。
「待ってください……」ダークエルフは、深い困惑に眉をひそめてささやいた。「マナの隠蔽には、絶え間ない能動的な内部圧縮が必要です。毎秒、膨大なマナの蓄えを急速に消耗します。それのどこが『楽』に思えるというのです?」
レンの内臓は、崩れ落ちていくように感じられた。
ああ、クソッ! と彼の心は吠え、激しく彼を嘲った。ただ「はい」って言えばよかったのに! 調子に乗りやがって! ファンタジー生物学の基礎すら知らないのを、丸ごとさらしたんだぞ! バレる! お前が詐欺師だって見抜かれる!
レンは滝のような汗をかき始め、膝の上で両手を震わせながら、別の言い訳を必死に練り上げようとした。
ダークエルフの目が突然、皿のように大きく見開かれた。圧倒的で畏敬に満ちた驚嘆の色が、彼の顔いっぱいに広がった。
「もしや……」ダークエルフは、突然の理解に頭を抱えて息を呑んだ。「もしや、あなた様のマナの総量があまりにも底知れず、無限に巨大なため、それを受動的に圧縮し続けることが、あなた様にとっては息をするのと同じくらい苦もないことなのでは! だから消耗にすら気づかれなかったのだ! 空間の次元の織り目を断ち割ったあの一撃を、難なくかわされた理由も、それで説明がつく!」
レンは硬直した。
彼は、感嘆に目を輝かせたエルフの顔を、丸々二秒間見つめた。やがてレンはゆっくりと腕を組み、咳払いをして、厳粛で泰然とした重々しさとともにうなずいた。「わかってくれて嬉しいよ」
うおお、マジかよ、信じやがった! とレンは心の中で、純粋な安堵の涙を流した。ありがとう、ファンタジーの理屈!
ダークエルフは喜んで最寄りの人間の集落への道を教え、東を指さすと、その場に顕現した神から逃げるかのように、木々の中へ慌てて走り去った。
レンは密集した森の中を、小道をたどってひとり歩いた。太陽は高く昇り、エメラルド色の葉の間から金色の光を濾していた。歩くうちに、野心的で計算高い火花が、彼の頭の中に灯った。
ちょっと待てよ、と彼は、得意げで分析的な誇りとともに姿勢を正しながら思った。前に大陸の台地をぶっ壊したのは、運動神経のない間抜けみたいに、闇雲に動いたからだ。でも俺は教育を受けた人間だ。最高速度で走りつつ、すべてのベクトルを微細に計算したらどうなる? 大気の押しのけを微小な歩幅に分散させて、逆向きの数学的な曲線で減速し、到着する前に地面との摩擦を完全に打ち消す。ミリ単位まで計算すれば、地形に傷ひとつ付かないはずだ。
自らの天才ぶりに満足したレンは、深く集中した呼吸をした。低く身を沈めてランナーの構えを取り、サファイア色の瞳を遠い地平線に据えて、魂圧を発動させた。
三、二、一――実行。
彼はぼやけを残さなかった。残像すら残さなかった。
レンは世界の大気の織り目を、目に見えないメスのように切り裂いた。何百マイルもの密林、奔流の川、岩だらけの丘が、彼の脇を閃光のように通り過ぎた。脳は全力で回転し、微細な足の運びを調整し、運動エネルギーを完璧に土へ吸収させていく。物理学と生体計算の、見事な名人芸だった。
前方に、趣のある素朴な人間の村が姿を現した。
レンは最後の減速曲線を開始した。運動量は、絹のように滑らかで完璧な静寂の中で抜けていった。彼の白いスニーカーは、速度が絶対的なゼロに一致するまで、地面にまったく触れなかった。
トン。
レンは、村の門のすぐ前の風情ある石畳の小道の上で、なめらかに、ささやきのように静かに止まった。塵ひとつ舞わなかった。草の葉一枚、曲がらなかった。
すぐ隣に、摘みたての赤いリンゴが入った籠を抱えた、年老いた村人が立っていた。
老人は瞬きをして、青い髪の若者を見上げた。「おはよう、若いの」
レンは胸を張って立ち、腕を組み、胸の中で勝ち誇った歓喜の笑いが泡立った。やった! 完璧だ! 非の打ちどころのない実行! 科学の勝利だ!
一ミリ秒後、遅れていた大気の押しのけが到達した。
ドオォン。
ドォンドォンドォンドォンドォンドォン――バキィッ!
破滅的で終末的な、遅れて届いた音速の衝撃波の連鎖が、立て続けに地平線を引き裂いた。レンが今しがた通過した三百マイルの軌跡の全体が激しく内破し、土の小道を蒸発させ、太古の木々を焚き付けほどの木っ端へと吹き飛ばし、粉砕された岩盤でできた、煙を上げる渓谷ほどもある巨大な溝を、村の入口までまっすぐに刻み込んだ。
レンは凍りついた。
ゆっくりと、首が錆びた蝶番のようにきしむ音を立てながら、彼は振り返り、背後の煙を上げる荒れ地を見た。
老人の籠からリンゴがこぼれ落ち、石の上を跳ねていった。
二人の顎は外れ、目は頭から飛び出さんばかりに見開かれ、二人は耳をつんざくような、一体となった恐怖の悲鳴を上げた。
「なにィィィィィィィィィィィ?」




