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第十王子との人違い一夜により、へっぽこ近衛兵は十夜目で王妃になりました。  作者: KUMANOMORI


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偽りの五夜目1

 目を開ければ華やいだかんばせの男性がいた。

 視界はなぜかぼやけていたけれど、ウィリエール様だと即座に思う。目鼻立ちがウィリエール様に似ていたからだ。

 名前を呼ぼうとするけれど、声が出ない。


「そちらから呼び出しておいて、いぎたない女だな」

 言葉遣いはまるで別人だ。その口調には覚えがあった。


 傲岸不遜の第一王子、ランドルフ様だ。


 なぜ、ここにランドルフ様がいらっしゃるのか、私には分からない。意識がしっかりと戻って来て、正面から見据えれば精悍なお顔立ちのランドルフ様だ。


「なぜこちらへ?」

「なぜ?一夜限りでもよいのです。最後の思い出をくださいと手紙をよこしたのはお前だろう?」


「手紙をお送りした覚えはありません」

「嘘だな。軍神の巫女となったお前は知っているんだろう?継承権の秘密を」


「え?」

「あんな危険な手紙を剥き出しのまま、扉に挟んでおく神経が分からない」


「私は何もしてはおりませんが」

 身体を見おろせば、私は何も身に着けていない。

 さらにランドルフ様もまた上半身裸なのだ。


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