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第十王子との人違い一夜により、へっぽこ近衛兵は十夜目で王妃になりました。  作者: KUMANOMORI


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記憶に残る香り2

 温室で不法な幻覚剤の粉が見つかったことを思い出す。

 ベアラル様のお洋服についていた粉を採取していたとウィリエール様はおっしゃっていた。


 誰か手をくだした人がいるはずだ。そして、幻覚剤の粉の精製に関して、ウィリエール様に罪をなすりつけた人がいるはずだと思う。


 けれど、浮かびあがりそうで浮かびあがらない。


 まるで思い出せないように魔法でもかけられているかのように。


 耳慣れない名前を、ウィリエール様が発していた記憶があるのだ。そう、いつだっただろう。


 耳慣れないお名前をウィリエール様は口にしていらっしゃった。


 寝台に顔を寄せて、香りを香る。そう、スパイシーな香りが残っていた。


 記憶を辿っていたら――――

 眠気がやって来る。


 そう、少し前にこの部屋で初めて訪れた日のように。


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