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記憶に残る香り2
温室で不法な幻覚剤の粉が見つかったことを思い出す。
ベアラル様のお洋服についていた粉を採取していたとウィリエール様はおっしゃっていた。
誰か手をくだした人がいるはずだ。そして、幻覚剤の粉の精製に関して、ウィリエール様に罪をなすりつけた人がいるはずだと思う。
けれど、浮かびあがりそうで浮かびあがらない。
まるで思い出せないように魔法でもかけられているかのように。
耳慣れない名前を、ウィリエール様が発していた記憶があるのだ。そう、いつだっただろう。
耳慣れないお名前をウィリエール様は口にしていらっしゃった。
寝台に顔を寄せて、香りを香る。そう、スパイシーな香りが残っていた。
記憶を辿っていたら――――
眠気がやって来る。
そう、少し前にこの部屋で初めて訪れた日のように。




