偽りの五夜目2
「えぇ!?なぜ、服を着ていないのですか?」
「何を今さら、初心なふりをしているんだ?ベアラル、ウィリエール、ヴィルヘルム、レイナードにエルドナード。お前は陥落し続けているだろう?」
「していませんっ」
「何でもいいさ、ほら。ご希望通り、抱いてやるよ」
ランドルフ様が私の腿に手を這わせてきたので、その手を掴んだ。
香りがしたのを覚えている。そして眠気がやって来たのだ。それは、ウィリエール様との一件の前にも起こったことだった。
あの香りは何か意味があるはずだ。
「私に手をかければ、恐らく、エルドナード様のようになってしまいます」
「なるほどな、あいつが死んだのはお前が原因か」
「ですから、私に触れない方がよろしいと思います」
ランドルフ様は嘲笑う。
「俺が容易くやられるわけがないだろう?エルドナードもレイナードも所詮貴族の子。力で負けただけだ。格が違うんだよ」
「力で負けた?」
「何も知らないのか?巫女は力を蓄えるがゆえに、珍重されるんだよ。ミリア、お前もヴィルヘルムの婚約者なら守護者の息吹を受けているんだろ?それに、あれだけウィリエールがご執心だ。あいつの母親は並外れた美貌と魔力で父上に召し抱えられたと聞いている。お前があいつの息吹を受けているとすれば、たしかに凄まじい魔法力を持つだろう」
ランドルフ様は私の前髪を戯れのように弾いた。




