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第十王子との人違い一夜により、へっぽこ近衛兵は十夜目で王妃になりました。  作者: KUMANOMORI


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大失態の一夜目6

 私は寝台から降りて、散らばった衣服を身につけていく。

 本来、ウィリエール様の前で晒して良いような、姿ではない。


「近衛兵をやめてしまうというのは、本当?」

「はい」

「そばを離れることになったから、最後の思い出をと。手紙には書いてあった」


「は、はい。たしかにそのようなことをしたためましたが」

 それは、ヴィルヘルム様への手紙だ。

 最後の思い出、としたためた手紙は、なぜかウィリエール様の元に届いてしまったらしい。


「近衛兵をやめたら、どこにいくの?」

「恐らく、軍部司令官のご子息の元にですね。縁組の話があります」


「ライオネルだね」

 とウィリエール様はおっしゃる。私はその名前を聞き、内臓に石のつぶてを大量に押し込まれたように感じた。


「私には手先の技術や芸事の才がありません。身を立てるためには、武力や胆力に頼むほかありませんでした。それもまた、こうして任を解かれてしまえば、何一つ残りません」

「そんなことないよ。ミリアはとっても魅力的だ」


 ウィリエール様は微笑んで私の髪の房に口づけをなさる。とても可愛かった、ととろけるような声音でおっしゃるので、気恥ずかしくなった私は頭をさげた。


「ありがとうございます。ウィリエール様にお仕えできて幸運でした」

「もし、条件が揃ったなら。ミリアは僕と結婚してくれるの?」

 とウィリエール様はおっしゃるのだ。


「条件は、成立しえません」

 私にはあの色好みで、あちこちに手を付けている軍司令官、ライオネル様との婚姻生活が待っているのだ。


「ライオネルが好き?」

 私は首を横に振った。

「じゃあ、決まりだ」

 とウィリエール様はおっしゃるけれど、何が決まったのだろう?と私は思う。


 何も分からないままに、ウィリエール様に手を取られた。

「僕はミリアと結婚出来るために、条件を揃えるよ」とおっしゃるのだ。


 そんなバカな、と思う。

 私の手に口づけをしてくださる。


「愛しいミリア。必ず、僕の奥さんにしてみせるからね」

 とウィリエール様はおっしゃった。私はそんなことがあるわけがない、と思いながら、部屋を出る。


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