守護者の息吹2
「何か生き物のようなものが見えました。なぜ見えるのかは分かりませんが。その生き物がラルズス様を害したのかもしれません」
非常に濁した形で話をする。
「ウィリエール様は魔物の気配とおっしゃっていたな。ラルズス様を襲ったのもまた、魔物かもしれないのか」
「はい」
私は頷いた。
「ウィリエール様はご兄弟の中でも特殊なお生まれだと聞いている。詳しい話は伏せられているが、何か特別なお力をお持ちなのかもしれない」
「そうですね」
深入りは出来ない話題だ。
「ルートラン様とキーリム様はこの頃動物の実験を好んでいらした。生き血を採取していたと聞いている。何か関係しているかもしれない」
「生き血を?確かに気になりますね」
私がそう告げれば、ヴィルヘルム様は私の手を重ねてくる。
「危険な目には遭わせたくない。一人では動かないでくれないか?」
「ですが、まだ疑いの段階です。大げさに動くわけには参りません」
「そうだな。だからこそ、力を送り込ませてほしい」
「力を?」
視線が交わり、ヴィルヘルム様の手が私の頬にやって来る。
「ミリアが軍神の家系であるように、俺は守護者の家系だ。力を送り込める」
その意味が分かった瞬間には、眼差しで問いかけられているのを感じた。迷いがあると、判断が遅れてしまう。
ヴィルヘルム様に初めて唇を奪われた。




