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第十王子との人違い一夜により、へっぽこ近衛兵は十夜目で王妃になりました。  作者: KUMANOMORI


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守護者の息吹2

「何か生き物のようなものが見えました。なぜ見えるのかは分かりませんが。その生き物がラルズス様を害したのかもしれません」

 非常に濁した形で話をする。


「ウィリエール様は魔物の気配とおっしゃっていたな。ラルズス様を襲ったのもまた、魔物かもしれないのか」

「はい」

 私は頷いた。


「ウィリエール様はご兄弟の中でも特殊なお生まれだと聞いている。詳しい話は伏せられているが、何か特別なお力をお持ちなのかもしれない」

「そうですね」


 深入りは出来ない話題だ。


「ルートラン様とキーリム様はこの頃動物の実験を好んでいらした。生き血を採取していたと聞いている。何か関係しているかもしれない」


「生き血を?確かに気になりますね」

 私がそう告げれば、ヴィルヘルム様は私の手を重ねてくる。


「危険な目には遭わせたくない。一人では動かないでくれないか?」

「ですが、まだ疑いの段階です。大げさに動くわけには参りません」


「そうだな。だからこそ、力を送り込ませてほしい」

「力を?」


 視線が交わり、ヴィルヘルム様の手が私の頬にやって来る。


「ミリアが軍神の家系であるように、俺は守護者の家系だ。力を送り込める」


 その意味が分かった瞬間には、眼差しで問いかけられているのを感じた。迷いがあると、判断が遅れてしまう。


 ヴィルヘルム様に初めて唇を奪われた。


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