守護者の息吹1
図書館を辞した後で、ヴィルヘルム様に兵長室へと案内される。
「お二人は殺気を帯びていたな。何があった?」
と問われた。
「お二人は何かお探しのようでした。私はラルズス様の件に関係しているのかと、思いまして図書館を調べておりました」
「ランドルフ様の件か?」
「な、なぜご存知なのですか?」
「そうやって動揺を隠せないのが、ミリアの弱みだな」
とヴィルヘルム様は微笑む。
「ま、まさかっ」
「悪かったな。ウィリエール様が投獄されたことが気がかりだった。何かがおかしいと思っていたところ、ミリアが図書館に向かうのが見えて追っていったんだ」
そしたら、お二人が私を囲んでいたということのようだ。
「ウィリエール様は継承権争いにご興味がなさそうだった。それはベアラル様も同様だ。さらにラルズス様もまた、闘争心とは遠い方々だ。野心の薄い方々が狙われることには、違和感が強かった」
「私もそう思っておりました。逆に……」
これは口にしていいのか、迷う話だ。ヴィルヘルム様は頷いた。
「恐らく、お二人がラルズス様の死に関係していらっしゃるのだろう。何か見たり聞いたりはしていないか?」
ヴィルヘルム様の青鈍色の瞳に見すえられると、心を開いてしまいそうになる。使い魔のことを話すことは出来る。
けれど、芋づる式にウィリエール様の秘密を明かすことにも繋がる。ウィリエール様の秘密を勝手に明かすことは、出来ないと思った。私の君主なのだから。




