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第十王子との人違い一夜により、へっぽこ近衛兵は十夜目で王妃になりました。  作者: KUMANOMORI


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守護者の息吹1

 図書館を辞した後で、ヴィルヘルム様に兵長室へと案内される。

「お二人は殺気を帯びていたな。何があった?」

 と問われた。


「お二人は何かお探しのようでした。私はラルズス様の件に関係しているのかと、思いまして図書館を調べておりました」

「ランドルフ様の件か?」


「な、なぜご存知なのですか?」

「そうやって動揺を隠せないのが、ミリアの弱みだな」

 とヴィルヘルム様は微笑む。


「ま、まさかっ」

「悪かったな。ウィリエール様が投獄されたことが気がかりだった。何かがおかしいと思っていたところ、ミリアが図書館に向かうのが見えて追っていったんだ」


 そしたら、お二人が私を囲んでいたということのようだ。


「ウィリエール様は継承権争いにご興味がなさそうだった。それはベアラル様も同様だ。さらにラルズス様もまた、闘争心とは遠い方々だ。野心の薄い方々が狙われることには、違和感が強かった」

「私もそう思っておりました。逆に……」


 これは口にしていいのか、迷う話だ。ヴィルヘルム様は頷いた。


「恐らく、お二人がラルズス様の死に関係していらっしゃるのだろう。何か見たり聞いたりはしていないか?」

 ヴィルヘルム様の青鈍色の瞳に見すえられると、心を開いてしまいそうになる。使い魔のことを話すことは出来る。


 けれど、芋づる式にウィリエール様の秘密を明かすことにも繋がる。ウィリエール様の秘密を勝手に明かすことは、出来ないと思った。私の君主なのだから。


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