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第十王子との人違い一夜により、へっぽこ近衛兵は十夜目で王妃になりました。  作者: KUMANOMORI


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疑惑の第三王子と第四王子3

「始末してしまおうか」

 ルートラン様がおっしゃったことで、キーリム様もうなずく。


「ミドゥを使う?」

 とキーリム様がおっしゃるけれど、

「生贄が足りない」

 とルートラン様はおっしゃるのだ。


「じゃあ、このまま消してしまおうか」

 とキーリム様。

「消してしまおうか?」


 消してしまう?

 つまりここで命を奪うということ?


 ここで脚を振りあげて、お二人を蹴り倒せばいい。剣を抜けばどうにか切り抜けられる。力が込められる両腕を見つめながら、動向をうかがった。


「何をなさっているんです?」


 低い声が飛んできたことにより、ルートラン様とキーリム様が急に私の手を離す。お二人の視線が向いた先に、私も視線を向けた。


「ヴィルヘルム様」


「ミリア?どうかしたのか?お二人もこんなところでどうなさったのです?」

 とヴィルヘルム様はおっしゃる。けれど、その手は帯刀している剣に触れていた。


「彼女が不思議なことを言っていたので、聞いていただけだ」

 とキーリム様がおっしゃる。

「不思議なことですか?」


「ああ、幻覚じみた話をしていた。恐らく疲れているだけだろうな」

 ルートラン様は私の肩を叩く。


「たしかにこの頃色々立て込んでいた。疲れるのも無理はない」

 と口にしながらも、ヴィルヘルム様の顔には怪訝そうな色が浮かんでいた。


 私はヴィルヘルム様に付き添われて、図書館を出る。始終ルートラン様とキーリム様の視線が注がれていた。


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