疑惑の第三王子と第四王子3
「始末してしまおうか」
ルートラン様がおっしゃったことで、キーリム様もうなずく。
「ミドゥを使う?」
とキーリム様がおっしゃるけれど、
「生贄が足りない」
とルートラン様はおっしゃるのだ。
「じゃあ、このまま消してしまおうか」
とキーリム様。
「消してしまおうか?」
消してしまう?
つまりここで命を奪うということ?
ここで脚を振りあげて、お二人を蹴り倒せばいい。剣を抜けばどうにか切り抜けられる。力が込められる両腕を見つめながら、動向をうかがった。
「何をなさっているんです?」
低い声が飛んできたことにより、ルートラン様とキーリム様が急に私の手を離す。お二人の視線が向いた先に、私も視線を向けた。
「ヴィルヘルム様」
「ミリア?どうかしたのか?お二人もこんなところでどうなさったのです?」
とヴィルヘルム様はおっしゃる。けれど、その手は帯刀している剣に触れていた。
「彼女が不思議なことを言っていたので、聞いていただけだ」
とキーリム様がおっしゃる。
「不思議なことですか?」
「ああ、幻覚じみた話をしていた。恐らく疲れているだけだろうな」
ルートラン様は私の肩を叩く。
「たしかにこの頃色々立て込んでいた。疲れるのも無理はない」
と口にしながらも、ヴィルヘルム様の顔には怪訝そうな色が浮かんでいた。
私はヴィルヘルム様に付き添われて、図書館を出る。始終ルートラン様とキーリム様の視線が注がれていた。




