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第十王子との人違い一夜により、へっぽこ近衛兵は十夜目で王妃になりました。  作者: KUMANOMORI


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死の痕跡1

 ベアラル様の近衛兵から、温室で王子の遺体を見つけたときのことを再び聞き取りする。

 やはり記憶がはっきりしないということを口にするのだ。

 ただ、今回はもう少し具体的にポイントを絞って聞いてみることにした。


「ベアラル様以外に、誰かいらっしゃった気配はなかった?」

 そう尋ねると、面会室で向かい合わせに座っていた同僚の兵は、首をかしげる。

 質問の意図が分からなかったのかもしれない。


 そう思ってもう一度言いなおそうとしたら、

「香りがした」

 と言ってくる。


「どんな香り?香水みたいなもの?」

 尋ねれば同僚は首を横に振った。


「香水というよりも、スパイス、香辛料のような感じがした。ピリッと鼻の奥をつくような香りだった」

 スパイス?ピリッと鼻に刺さるような香りは、以前どこかで嗅いだことがあった。


 どこだっただろう?


 記憶を紐解こうとすると、なぜかウィリエール様のお顔が浮かんだ。


 他に思い出せることはない、と言うので、その日は面会室を後にした。


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