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第十王子との人違い一夜により、へっぽこ近衛兵は十夜目で王妃になりました。  作者: KUMANOMORI


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我が君の投獄2

 私が向かうと、書物に向けていた視線をこちらにあげた。

 曇り一つない透明な瞳に、驚きの色が浮かぶ。

「ミリア、来てくれたんだ」


 私はウィリエール様のお傍に近づいて頭をさげた。

「ウィリエール様、きっと何かの間違いですよね?幻覚剤を個人精製するなんて」

「どうしてそう思うの?」


「使い魔の力をお持ちのウィリエール様が、幻覚剤を必要とするわけがありません。指一本で命を奪うができますから」

 飾りのない言葉を選んだのは、ウィリエール様を責めるためじゃない。信頼を伝えたかったからだ。


「そう、命を奪える。ラルズスお兄様も近衛兵も、ベアラルお兄様も、僕が手をくだすことができた」

 ウィリエール様はとつとつと語る。


「でも、ウィリエール様はなさらないと思います」

 私がそう言えば、ウィリエール様はくすくすと笑う。


「ミリアは僕への評価が甘いね。必要があればしてしまうよ」

 力のない笑いが悲しい。ウィリエール様が気落ちしているのが分かった。鉄格子の向こう側に閉じ込められている状況は、不似合いだ。


「幻覚剤はどこで見つかったものですか?」

「僕の部屋」


「本当のことをお話しください、ウィリエール様。私は、あなたの味方です」

 私は念を押す。

「温室だよ」

 とウィリエール様は言いなおしてくださった。


「温室と言えば、ベアラル様が亡くなっていた場所ですよね。そして、私の同僚は所々記憶が怪しいと言っていました。幻覚剤の影響でしょうか?」


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