手紙の真相1
ウィリエール様のお部屋をノックして、お返事を聞く。
それから中へと入っていった。
ウィリエール様のお部屋はまるで隠れ家のようだ。壁中には絵画や仮面、花などが飾られていたけれど、系統もテーマもあまりに取り止めがない。ただ、ウィリエール様が関心を傾けているものという一点に、すべてが集約されていた。
たった今も、ウィリエール様はガラスの小瓶を手にして、中に入った粉を見つめている。
「ウィリエール様、お休みのところ申し訳ございません。先日の護衛の件について、お聞かせいただきたく、参りました」
ウィリエール様は私や姉達を護衛につけてはどうだろう、とおっしゃっていたばかりだ。事実、護衛が亡くなってしまった今となっては、ウィリエール様の言葉が信憑性を増してくる。
「ミリア、おはよう」
「また、ランドルフ様とリドムンド様付きの護衛が亡くなりました」
ウィリエール様は小瓶から視線を外し、頷いた。
「そうだと思ったよ、死の香りが高まっていた」
ウィリエール様はベッドサイドのスツールから立ちあがり、指先をくるりんと回してみせる。ラドルが登場してきた。
ラドルはぶるりんと首を揺する。
「ラドルが騒いでいたからね」
手に持っていた小瓶を揺すった。
「魔物の気配を感じるとおっしゃっておりましたね?私やお姉様を護衛につけてはどうだろう、と」
「そうだね。お兄様達の命を誰かが狙っているのだと思う。兵たちは攻撃を受けて亡くなったんだと思うよ」
ウィリエール様はのどかな調子でおっしゃるけれども、口にした言葉は、聞く人が聞いたら危険な発言だ。




