双子の第六王子と第七王子2
左目の下に小さなひっかき傷があるのが、レイナード様だ。
エルドナード様は右眉の上にほくろがある。
遠目で分かりにくいけれど、確かに右眉の上にほくろが見えた。
「エルドナード様、どうかなさいましたか?」
あたりをつけて言ってみれば、目を丸くして、それから、
「ミリアか。へっぽこ近衛兵の割には観察眼が鋭いんだね」
とおっしゃる。
当たりだ。
得てしてウィリエール様のお兄様方は、私への当たりが強いのだ。女だてらに近衛兵をつとめる私を快く思っていない節があった。
エルドナード様はこちらに近づいてくるうちに、廊下の下をチラチラと確認していた。
「何かウィリエール様に御用がおありだったのですか?」
私が問えば、
「君みたいな一兵卒に言う必要はない」
と返って来る。想定範囲内ではあった。
「出過ぎた真似をしてしまい、申し訳ありません」
「ただ、この辺で紙切れを見つけなかったかい?」
「紙切れですか?」
「そうだよ。愚かにも、同衾をねだる言葉の書き連ねられている紙切れだ。この辺りで落としたように思うんだ」
「ど、同衾ですか?一体誰が誰当てに?」
私の問いにエルドナード様の顔は嫌悪一色に染まる。僕の大切なお兄様にだよ、と吐き捨てた。
お兄様と一口に言っても、彼にはランドルフ様を筆頭に六名のお兄様がおられる。
「お兄様、とは?」
エルドナード様は言うつもりはない、と首を振った。ただエルドナード様は双子の兄君のレイナード様とよく一緒にいらっしゃっている。
恐らくは、レイナード様のことでは、と私は思うのだ。




