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第十王子との人違い一夜により、へっぽこ近衛兵は十夜目で王妃になりました。  作者: KUMANOMORI


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双子の第六王子と第七王子2

 左目の下に小さなひっかき傷があるのが、レイナード様だ。

 エルドナード様は右眉の上にほくろがある。

 遠目で分かりにくいけれど、確かに右眉の上にほくろが見えた。


「エルドナード様、どうかなさいましたか?」

 あたりをつけて言ってみれば、目を丸くして、それから、

「ミリアか。へっぽこ近衛兵の割には観察眼が鋭いんだね」

 とおっしゃる。

 当たりだ。


 得てしてウィリエール様のお兄様方は、私への当たりが強いのだ。女だてらに近衛兵をつとめる私を快く思っていない節があった。

 エルドナード様はこちらに近づいてくるうちに、廊下の下をチラチラと確認していた。


「何かウィリエール様に御用がおありだったのですか?」

 私が問えば、

「君みたいな一兵卒に言う必要はない」

 と返って来る。想定範囲内ではあった。


「出過ぎた真似をしてしまい、申し訳ありません」

「ただ、この辺で紙切れを見つけなかったかい?」

「紙切れですか?」


「そうだよ。愚かにも、同衾をねだる言葉の書き連ねられている紙切れだ。この辺りで落としたように思うんだ」

「ど、同衾ですか?一体誰が誰当てに?」

 私の問いにエルドナード様の顔は嫌悪一色に染まる。僕の大切なお兄様にだよ、と吐き捨てた。

 お兄様と一口に言っても、彼にはランドルフ様を筆頭に六名のお兄様がおられる。


「お兄様、とは?」

 エルドナード様は言うつもりはない、と首を振った。ただエルドナード様は双子の兄君のレイナード様とよく一緒にいらっしゃっている。


 恐らくは、レイナード様のことでは、と私は思うのだ。


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