慰撫の三夜目1
「ミリアと交わることでも、少しだけ魔力が補える。傷もふさがるんだ」
ウィリエール様は寝台の上で私を抱きしめたまま、そう話しはじめる。
そんな風におっしゃるのはズルい。断りにくくなってしまう。
「お兄様はミリアのことが好きだったんだよ」
ウィリエール様はそう言い、私の頬に手を振れた。
「似姿が見つかり、裁判所で関係を問われました」
「きっと宮廷画家に描かせたんだと思う。そばにいて、ミリアを花のように愛でたいと、僕にも話してくれた」
「そうですか」
ヴィルヘルム様の弁に寄れば、ベアラル様は私をお傍においておきたいとおっしゃってくださったらしい。だとしても、身分の違いすぎる私はベアラル様のお隣にふさわしくはないけれど。
「僕もミリアを大切に思っている。お兄様と同じ思いだからこそ、亡くなったのは無念だよ」
悲しみの色が浮かぶウィリエール様の瞳を見ていたら、胸騒ぎがした。
「必ず犯人を突きとめる」
その清らかな顔からは想像もつかないほど、冷たい口調で告げる。
「ウィリエール様」
「でも今は、お兄様の分までミリアに触れたい。ダメかな?」
問いかける瞳には悲しみが沈んでいて、私は拒絶の言葉を失う。私で良ければ、と言ってしまってから、愚かなことを口にしてしまった、と気づくのだ。




