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第十王子との人違い一夜により、へっぽこ近衛兵は十夜目で王妃になりました。  作者: KUMANOMORI


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我が君の秘密4

「そうだね、ラドルじゃない。他の使い魔の仕業だと思う」

「他の使い魔?」


「そう、僕は詳しくは知らないけれど、お兄様の中には、僕のように人間界の者じゃない人もいるみたいだ。誰かが手をくだしたのかもしれないね。僕がライオネルを消したみたいに」

「人間界の者じゃない?ウィリエール様は一体?」


「お母様は魔獣と人間とのハーフなんだ。お母様のお父様は魔獣だから。僕は魔族の系譜を引いている」

「人間の世界で生きていくには、今みたいに人の血肉をもらわなければいけない。魔力がもれ出て来てしまうからね」


「同じように人の血肉を必要とする方が、お兄様方の中にはいらっしゃるのでしょうか?」

「そうかもしれない。僕は一番年下だから、お兄様達のことはあまり知らないけれど」

 ウィリエール様はそう言って、指先をくるりんとまわし、ラドルを呼び寄せた。


「ラドル。お兄様をお墓に戻してあげて」

 そう告げれば、ラドルがベアラル様を元へ飛んでいき、その亡骸をパクッと飲み込んでしまう。ああ、と私が驚きの声をあげれば、

「安心していいよ。ちゃんと土で眠ってもらうから」

 とおっしゃるのだ。

 ラドルは扉をすり抜けて飛んでいく。


「因果応報だね、ライオネルを消してしまったから、一番仲の良かったお兄様が消されてしまった」

 ウィリエール様は呟いた。そして、ミリア。と私の名を呼ぶ。

 弾かれるみたいにウィリエール様の顔を見たら、


「慰めを求めて、共寝を強要するのはいけないことかな?」

 と尋ねてくるのだった。透き通るような瞳には悲しみの色が浮かぶ。


 ベアラル様の逝去を悼んでいるようだ。一方で、ウィリエール様はいとも簡単にライオネル様を消してしまった。どこかちぐはぐな振る舞いに、ウィリエール様の不安定な心の内を想像する。


 身体の中に何か表現しにくいエネルギーが湧いてくる感覚があった。私は、

「私でよろしければ、ウィリエール様のおそばに」

 と告げていた。


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