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継承権第九位王子の死3
ベアラル様の首に残った痕跡は、ナイフではなく魔物の爪の後だと裁判所の調査で分かった。
爪の長い魔物が襲いかかっていった可能性があり、ベアラル様はナイフで応戦した可能性がある、と言われる。
私は魔物と言った単語に、ギクッと背筋が冷える思いがした。
ウィリエール様の使い魔のラドルに鋭い爪があったことを記憶していたからだ。ただ、ウィリエール様がベアラル様に害をなすことは考えにくいと思う。
お二人は仲がよろしかったと記憶しているのだ。ベアラル様は私にも優しくしてくださった。
「ミリア、君に似合う花をプレゼントするよ」
と言って季節の花をプレゼントしてくださることもある。
「ミリア、君がウィリエールの近衛兵でなければ、ぜひ僕の奥さんになって欲しかったな」
とリップサービスをくださったこともあった。
私に対して侮りしかないランドルフ様やリドムンド様達よりも好意的に接してくださっていた印象だ。
私は裁判所を出て駐屯所へと戻る。
ウィリエール様の公務がある日は、おそばに控えておかなければいけない。幸い今日はウィリエール様の公務がない予定なので私は訓練施設に向かう。




