継承権第九位王子の死2
しかし、この口添えにより、ベアラル様の近衛兵の一人が捕まることになってしまった。
ベアラル様が温室にて絶命していたからだ。ナイフで首元を一撃だという。凶器のナイフはそのまま温室に残っていたというのだ。
そして、疑いを向けられて捕まった同僚は、自分の罪を認めていた。
おかしい、と私は思う。彼はベアラル様を探していたのに。あの時、ベアラル様を殺害しようとして探していたようには見えなかった。
違和感があった私は、彼への面会を求める。
その後裁判所の面会所にて、
「どうして?そんなことをしたの?」
そう尋ねる私に、知り合いの近衛兵は頭をふるのだ。
「分からないんだ」と言うのだった。
――――分からない?
「記憶がところどころ飛んでいるんだ。気がついたらナイフを手にしていた」
「そんなことがある?魔法の心得がある者の仕業かしら?」
ベアラル様は継承順位も高くはない。それに穏やかなお人柄であったし、ベアラル様に対して敵意を向けることは少ないと思うのだ。
「誰かがあなたを誘導してまで、ベアラル様の命を狙った?」
私がそう口にすると、近衛兵仲間は窓越しにこちらをじっと見つめてくる。
「オレを信じてくれるのか?」
「私が見に行ってみればと言ったの。そう言わなければ、こんな事態にはならなかった」
「ミリアの心根は清らかだな。けれど、この王宮には謀略しかない。気をつけた方がいい」
「裁判所に無実を訴えなければ。あなたは何もしていないんでしょう?」
「だが、難しい。証拠もない」
「何とか調べてみるわ」
私は仲間の無実を晴らすために、決意をする。が――――真実はあっさりと明かされてしまう。




