婚約者を消した二夜目3
天蓋付きの寝台の上で、
「ミリア」
ウィリエール様は甘い声音で呼び、私のチュニックやボトムスを手際よく外していく。王宮の一室にて、二夜目のあやまちを犯そうとしていた。
「いけません、ウィリエール様!」
「ライオネルが消えたんだ、この一夜はお祝いのようなものだよ」
ライオネル様が消えた?
信じられなかった。けれど、確かめる間もなく私はここにいる。軍部は大騒ぎだろうし、宰相をはじめ院の者たちも大わらわだと思う。
本来ならば私は真っ先に確認しに走らなければいけない。
ウィリエール様の安全のためにも、そして、婚約者の安否確認のためにも。
けれど――――
ウィリエール様の花のような香りに当てられてしまい、身体が動かないのだ。
「知ってる?こっちの手管だけは、お兄様達にも負けていないんだよ」
とキラキラした瞳でこちらを見ながら、ウィリエール様はおっしゃった。手管、の意味はすぐに分かる。
ウィリエール様は私の身体のあちこちに、話しかけていく。
果実みたいだね、とこねくりまわし、蕾みたいだね、と口づけていく。
こ、これは、一体?
「ウ、ウィリエール様、いけません。その穢れなき御手で、私の身体に触れるなんて」
「ミリアはきれいだ。もっともっと、可愛い声を出して?」
「そ、そんな」
「恥ずかしがらないで。もっと育てたいな」
ミリア、かわいいね、と花のかんばせのウィリエール様は囁きながら、私の身体をとき解いていく。
ほとんど経験のない私には、未知の世界だ。
「お母様の生家に伝わる、交わりの技だよ。これがあったから、お母様はお父様に召し抱えられたらしい」
「ま、交わりの……?」
「この方法では魔力を送り込むことも出来るんだ。ミリアの中には、僕の魔力が入っている。だからね、危険からは護られるんだよ」
ライオネル様が触れたとたんに、焔がほとばしったのを思いだした。
ウィリエール様は両手の五指を器用に動かし、唇や足先まで駆使する。
私は蕩かされてしまった。




