結実の九夜目3
指先から足の先まで、燃えるように熱くなり、熱が毛細血管の隅々まで走り抜ける。
ぱん、と乾いた音がして、キリムド様の頭が弾け飛ぶ。私は目を伏せて血の雨を身体に受けとめた。何度となく王子の死に立ち会ってきている。
けれど、ウィリエール様のお身体だけは、事情が違った。お身体が崩れ落ちる前に、弾け飛んだ部分がみるみる間に再生していくのだ。
「お兄様は、勇敢だね。でもとても愚かだ」
曇りなき笑顔を浮かべ、ウィリエール様は自身の髪から腕、脚など、各部位に飛び散った血をひとしきり舐めとっていく。
「お着替えが必要ですよね。用意していただきましょうか?」
と私が問えば、
「いいよ。少し血を浴びているくらいの方が、戦ったような感じがあるしね」
と衣服に纏わりついた血液を弾きながら、おっしゃるのだった。
そして今度は私の頬や腕に纏わりついた血液を舐めとっていく。
ん、と声が出てしまえば、サファイアブルーの瞳が見つめてくる。私がその瞳を見つめているうちに、ウィリエール様は私の唇をふさいだ。
「ミリアが欲しい」
ウィリエール様のお言葉に、私は頷いた。衣服を脱ぎ、唇から力を吹き込まれれば、炎の文様が肌の上に浮かびあがる。
文様をウィリエール様の御手が撫でていく。
腹部に触れたときに、ウィリエール様は私の目を見た。私は頷く。
今日はただ抱き合って眠ろうか、とウィリエール様はおっしゃるけれど、私はもっと深く結んでください、と告げた。
事の極まりには、私の文様が光り輝き、ウィリエール様の白磁の肌に反射する。まるで光に包まれているかのようだった。




