憧れの思い人と憎らしい婚約者4
屋敷に着けば、早速夫婦の寝室に通されるのだった。
まだ、婚礼式もしていないにもかかわらず、随分適当な扱いだ、と私は思う。
ウィリエール様と一夜かぎりの大失敗を演じてしまったけれど、私の現実は、これだ。
ヴィルヘルム様から縁組の話が出て少しばかり舞いあがったとしても、家の決めた縁組は絶対だった。
私の家は代々軍神をまつって来た一族だ。父は軍神をまつる神官をつとめている。ゆえに、軍部の人たちからすれば、験担ぎから好まれる縁組だ。軍神の巫女を介して、軍部の人たちは神と交わる。そんな風にゲン担ぎとして、好まれる縁組なのだ。
ライオネル様から寝台に横たわるように言われる。拒否しても、受け入れても私にはもう居場所はない、と思うと悲しかった。
この屋敷の中で、数いる愛人たちと共にこの方に囲われるのか、と思うと絶望しかない。寝台には花の香りが香った。
既に先客がいたことが匂わされ、怖気が走る。
「ほら、私に戦の神のご加護をくれないか」
そう言って、衣服を引きはがしていく。ボトムスを引きずりおろされたときには、敗北の気配がした。
「ああ、痩せっぽちの小娘かと思ったが。こちらの方は、思ったよりも」
皆まで告げずに、身体を私の足の間に挟みこんでくる。
その手が太腿の外側を撫でたときに、ライオネル様の手に炎が燃えうつるのを見た。




