10/34
憧れの思い人と憎らしい婚約者3
「ミリアは兵たちの士気をあげてくれているので、存在自体に意味があったと思います。それに、引継ぎの時間は必要です」
「ヴィルヘルム、お前はたしかに優秀だが。分相応というものがある。その発言一つ一つが、家の存亡にかかわることを認識した方がいい」
と言い捨てた。
「出過ぎたまねをしました。申し訳ございません」
と言ってヴィルヘルム様は引きさがる。そう、王族をさておけば、軍司令官であるライオネル様に適う者はそうはいない。
彼は申し分ない身分ではある。そのような方との縁組が、なぜ私の元に来るのかは分からない。
「行くよ、ミリア」
と言って、ライオネル様に手を引かれた。
無理やり連れていかれて、ライオネル様のお屋敷に向かうことになる。




