第24話 梓談(シダン)の白玉と、錦崇(キン スウ)の偽りの黑槌
申し訳ありません、章を間違えて投稿してしまいました。(´;ω;`)
新しい章を上げ直しましたので、ご容赦いただけますと嬉しいです。
僕が「白松香」と口にすると、
梓談は口元を押さえて、くすりと笑った。
「はい。血の巡りを良くして、
気持ちを落ち着かせる効き目があります。」
「だが、
白松香は龍子を授かりにくくするのではないのか?」
梓談はぴくりと目を動かし、
そのあと少し頬を赤くした。
僕は彼女が何か言うより先に、そっと顔を寄せた。
「娘子は僕の白玉だ。僕は石槌となって、
いちばん美しい形に彫り上げたい!」
僕は梓談の腰を支え、
白いベッドカバーの掛かった寝台に一緒に腰を下ろした。
黒い絹の布と白い薄紗が壁に垂れ、
まるで陰陽図のようだった。
白松香の香りが鼻の奥へ入り込む。
髪のあたりは特に濃く、首元では少し薄れ、
耳の後ろのひだに近づくとまた強くなる。
そんな僕の、まるで子犬みたいな仕草が可笑しかったのか、
梓談はふっと笑った。
僕は、少し前に梓談と一緒に肉包を食べた時の感触を、
まだ覚えていた。
肉包の皮は白くてやわらかく、
僕がそっと口に含むと、皮そのものの香りまで感じられた。
舌先で肉包のふくらみをなぞるように一周すると、
かすかな震えを返すような弾力が伝わってきた。
僕の鼻先は白松香の香りを追うように、
そのまま下へと辿っていき、やわらかな肌の起伏を感じ取った。
梓談は、熱い肉包を口にした時みたいに、
ふっと息を漏らした。
「錦崇......?」
僕はもう一つの肉包を舐めて、
それから歯で軽く噛む。
こんなふうに食べ物で遊んだら、きっと梓談に叱られるだろうか。
「錦、崇?」
僕は白玉のような肌を辿るように、
さらに下へと顔を寄せていった。
そこには、ひときわ濃い白松香の香りがあって、
僕の鼻先を強く引き寄せる。
肉包を食べ終えたあと、梓談は茶を白玉の磁器杯へ注ぎ、
ゆっくりと僕に差し出した。
僕には、この白玉の磁器杯が、
先ほどよりもさらにやわらかく、
表面のきめも豊かになったように感じられた。
外側の紋様をなぞるように一周舐めると、
湿り気を帯びた茶の味が、まだ口元に残っている気がした。
僕の舌は杯の縁をなぞりながら、
ゆっくりと内側へ入っていく。
口に触れたのは、ほんのり温い塩気だった。
嫌な味ではなかったから、僕は何度も繰り返し舐めた。
僕はすぐに顔を上げ、
梓談の腰に手を添えて、そっと寝台へ押し倒した。
梓談はいつも、僕の身はまるで道具みたいだと笑う。
後継ぎに指名されてからは、
皇族のしきたりを学ぶことに追われ、
彼女のそばにいる時間もなかなか取れなかった。
僕は今夜、自分の身を砥石のようなものに変えて、
少し力を込めながら、
美しい柔らかな玉鉱石を軽く打ち鳴らしたい気分だった。
僕は玉鉱の根元を見つけ、
道具でその表面をなぞるように滑らせながら、
開口部の形を確かめた。
「錦、崇......。」
僕はどうにか彫れそうな糸口を見つけたらしい。
まずは道具でゆっくりと削って口を開き、
砥石が奥まで入るだけの幅ができたのを確かめる。
それから力を少し落とし、玉石が砕けないよう慎重に削り進めた。
「錦、錦、崇.!」
そのまま砥石を玉石の開口へ差し込み、
縁に沿って何度も擦っていく。
だが、道具は長く使っていなかったせいで、
刻まれた細かな傷が引っかかり、動きはどこかぎこちなかった。
僕は時おり唾を少しつけて滑りをよくしながら、
さらに力と速さを加えていく。
そうして、玉石に残る細かな皺までも、少しずつ丸く整えていった。
「錦!錦......崇!」
いったん力を落とし、
内側の感触を確かめるようにゆっくりと刃を滑らせる。
そこから徐々に力を込め、擦りつける速さを上げながら、
最後の仕上げへと移っていった。
そして最後には、二十センチほどの深さにまで刃が届き、
玉石彫刻はようやく完成した。
「ハァ、ハァ、錦……崇……!」
僕の頬のそばにある梓談の顔は、
ひどくやわらかな感触だった。
僕も、このまま錦崇でいていいのだろうか。
この秘密を隠したまま。
そうして穏やかに、一国の君主となっていく。
梓談の肌はどこまでも白く、しっとりと温かくて、
胸元に触れる体温もまたぬくもりを帯びていた。
その熱が、氷のようだった僕の心を少しずつ溶かしていく。
僕は思わず、
自分が翼鷹だと口にしてしまいそうになった。
だが……本当に、
こんな形で長く続けられるのだろうか!
そう思った瞬間、羞恥と帰属意識が胸の内でせめぎ合い、
その感覚は僕の中に深く刻み込まれた。
この場面で作者の語彙と形容詞は完全に力尽きました。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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