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第25話 婚約さえ解消すれば、NTRじゃない……よな?

先ほどの不吉な夜の夢の続きだ。


それが僕をひどく焦らせた。

未来の流れは、ずっと僕の思い通りになっていない……。


ぼんやりと目を開けたあと、

自分がまだ安寿院にいると確かめて、僕は周囲を見回した。

みんな疲れているようで、

それぞれ場所を見つけて座り、休んでいる。


そこで僕は、

こっそりと気になる相手である児墨へ視線を向けた。


夢の内容によれば、蕭貴妃ショウ キヒの一件は、

まもなく裁かれるはずだ。


禎尚書は家財を没収され、辺境へ流罪。

楠祝師兄はそのせいで学籍を失い、


馬槍の試合に出る資格も、

星御のことも、すべて失うような絶望に追い込まれる。


ここ数日で、父上と刑部もすでに動いているはずだ。

だから僕の目的は、楠祝師兄を京に残し、

辺境で騒ぎを起こさせないこと。


それと同時に、蘭夫人が何か企んでいないか、

裏で探らなければならない。

児墨の最後の言葉は、しっかり僕の中に残っている。


謎の中心へ近づくためにも、

どうやって彼に近づくか、早く考えなければ。

そして、彼の陰謀を止めるんだ。


僕が考え込んでいると、不意に誰かの視線を感じた。

侑晴は、さっきからずっと僕の様子をうかがっているようだった。


まさか、何か知っているのか?

直接、聞いてみるべきだろうか。


「侑晴?大丈夫?」


艾碧落がいきなり侑晴の前で肩を軽く叩いた。

侑晴は我に返ったように碧落へうなずき、そのまま口を碧落の耳元へ寄せる。


実のところ、僕の聴覚はかなり鋭い。

位置を少し動いて風向きに合わせれば、風下から会話を拾うことができる。


「碧落、ご両親には知らせたの?」


「京から少し離れてるし、ここまで来るのに二日はかかるの。

だから、わざわざ呼ぶのも悪いかなって」


「そっか。さっきね、吉帥キッスイに見つからない方法を考えてたの。

半江園の別院なら隠れられるかなって。でも靖雪貴妃が私の居場所を漏らしそうで」


「吉帥?そんなに親しいの?

お父上をそのまま名前で呼ぶの?」


「あ、訂正するね。父上です!」


「侑晴、禁足を怖がってるの?」


「私が何かやらかすと、

あの人ずっと険しい顔のままで、何も言わないの。


食事の時もじっと見てくるし、

廊下ですれ違う時まで見てくるし。

前に父上からもらった金の簪を失くした時なんて、

それが一週間も続いて、ほんとにきつかったんだから!

とにかく、翼鷹はあそこに住んでるの?


誰にも見つからず入れる抜け道とかない?

五日だけ隠れられればいいの……。」


「五日で足りる?」


「週末なら梓談の家にも行けるけど、

一週間もいたら梓談のお母様に怪しまれるし。

え?六皇子殿下……?」


そこまで聞いたところで、僕は侑晴の慌てた顔を見た。

碧落も目を丸くしている。


僕はその場から足早に背を向け、離れるしかなかった。


どうやら、

彼女たちのいる遊歩道とは、一メートルほどしか離れていなかった。

雀柄の衝立の裏に隠れたのは、さすがに近すぎたらしい。


それから間もなくして、外からまた規則正しい足音が聞こえてきた。


「星御お嬢様はいらっしゃいますか?」


扉の向こうから入ってきたのは、

質素な灰黒の衣をまとった老婦人だった。

その細くやわらかな声に、皆の視線が一斉にそちらへ向く。


「碧佳お婆様?どうしてここに?」


「もちろん、星御お嬢様のご様子を見に参ったのです。

お怪我はございませんか?」


「私は大丈夫です。

でも……楠祝先輩が溺れてしまって!

賴太医が診てくれているけど、

京には他にも診られるお医者様はいないの?」


「星御お嬢様がご友人を案じるお心、

なんともお優しいこと。

この件につきましては、

旦那様も老身も、たいへん安堵しております。」


「どういう意味ですか?

楠祝は私の婚約者では……。」


「旦那様より、

先ほど老身が伝えるよう申しつかりました。

禎家との間で話がまとまり、

婚約は解消されたとのことです!」


星御先輩は目を見開いた。

そして僕も、その場で固まる。


星御先輩と楠祝先輩の婚約が、解消された?


本来なら、

楠祝先輩が流罪になった後に起きるはずのことだ。


それが、こんなにも早く今になってしまうなんて?

予知って、たまに呪いみたいだなと思います。= =lll

従わなければ悪いことが起きそうで気が重いし、

かといって動いた結果が自分の想像と違ってしまうのも怖いんですよね。

よければ、みなさんの感想もコメントで聞かせてください。

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