オラァ!第20話 無銭飲食
遅くなりましたー!
ガタン…ガタン…
「はぁ…全くついてないですよ…折角手に入れた紅蓮石投げられてしまうなんて…
まぁね?お客さんがウィンドウルフの魔石を拾ってくれたので?
多少は利益は得られますが…次勝手に投げたら街の兵士に突き出しますからね!!」
行商人は怒りながらもしっかり馬を操り王都へ向かう。
モヒカン男は凄く申し訳なさそうな顔で座っていた…。
王都の門の目の前まで来ると
ガシャン!
突然二人の若い門番が立ち塞がった。
一人が
「ここは王都の門だ!入りたければこの水晶に触れろ!」
と、言って緑色の綺麗な水晶を取り出し、行商人に近づけた。
「あいよ」行商人は慣れたように両手をあげ、無抵抗を示す。
すると水晶は青色に変化した。
門番はそれを確認し、「通ってよし。」と言った。
だが…
「少し待ってくれ」
青色のモヒカンが荷台からひょこっと顔を出し、門番に問いかけたので
びっくりした門番は表情を顰めながら
「お前も確認するか両手を上げろ」と言った。
モヒカンは『俺はまだ納得していないぞ』と不満げな表情だが
仕方なく両手を上げた。
水晶は緑色に変化したので、門番は少しほっとしたような表情のまま
「で、用件は何だ?」と質問する。
モヒカン男は「この水晶は何を調べるものなんだ?」
と言いだしたので、もう一人の門番が吹き出した。
そして吹き出さなかった方の門番が
「これは人間か調べる為のものだ。都に魔物が入ってきたら大変なことになるからな。」
といい、行商人とモヒカンを中に入れた。
都に着いたので行商人とモヒカンは
関係を断ち切った。所詮は利害が一致しただけだったのだろう。
行商人は(何でアイツこんなことも知らないんだ…?)と思ったが
モヒカン男のみすぼらしい格好を見て(まぁ関わりがなかったんだろう)
と勝手に納得していた。
一方のモヒカンはというと…
(腹減ったなぁ…)
と都を散策していた…。
しばらく歩いて
腹が減っていた事に気づいたモヒは
骨付き肉の看板の店を見かけたのでそこに入ることにした。
そこそこ繁盛しているのかテーブル席はほとんど空いていなかったので
仕方なくモヒはカウンター席に座ることにした。
向こう側からマスターらしき人が現れ「らっしゃい」と一言。
モヒは「一番安いやつを頼む」といった。
しばらくして出されたのは何やら黒くてかたいパンとスープであった。
スープは薄味でパンはかたかったが、文句は言わなかった
(で、王都に着いたらどうすればいいんだっけ?)
モヒは魔王ルールとの取引を思い出しながら昼食をとっていた。
まず、ルールは自分の仲間たちの事は守ってくれるという事。
その代わりにモヒは王都のギルドへ行って冒険者になり、「魔王の迷宮」というAランクの迷宮を攻略する。
(迷宮で死んだ人間の経験値は魔王に分配されるらしい。)
でも「人化するとよわっちくなるから気をつけるんじゃぞ」と念を押された。
(…よし、やる事が纏まった。あとは行動に移すだけだ。)
腹ごしらえの済んだモヒはマスターに気づかれないように
さりげなく店を出た。
モヒは一文なしであった…。
店主「あれ?さっきの男は…?」
(食い逃げされたのか…?いや、まさか…だがこの俺の目を欺くとはあいつなかなかやるじゃないか。)
綺麗に食べられた皿を見て(ギルド)マスターは満足げに笑っていた。
…「次来たらどうしてやろうか」と考えながら…
ll
(−_−;)ナンカサムケガ…




