異空間?
赤い岩だらけの場所。
先ほどのような人のいる場所ではなく、人の住むこともできないような場所である。
緑豊かな場所しか知らに私は、物語で見たことのある砂漠を思い出す。
そこは死が目の前に広がっているのだという。
熱く照り付ける日差しに、岩がそこら中に転がった砂の大地。
なぜこんな場所に、私達は飛ばされたのか?
そう私が疑問におもっつて周りを見渡すと、ハルト王子がいない。
そして少し離れていた場所にいたイレイズもいない。
イレイズは一般人でもあるので巻き込まなくてよかった、とも思うけれど、
「ハルト王子がいないのは……彼の力を利用するため? そんなこと、させない」
私はそう思って周りを見回すけれどそこでロジェンが、周りの石等に触ってみて、次に砂のようなものにも触れて、小さく呻く。
どうやら何か疑問があるらしい。
そこでロジェンが私の方を見て、
「どうやらこの世界は作り物みたいだ」
「作り物?」
「うん。熱い場所なのに、ここにの砂はそこまで熱くないし、岩だってそう。それにこの服装で平気ってことは、ここは見せかけだけ、という事になるのかも。それはいいとして……ミナトはどうしたの? やけに深刻な顔をして」
ロジェンが私達の方を見て、ミナトの異常について気づいたようだ。
だから私は近づいて行って、
「どうしたの? ミナト」
「いや、“空間操作”も関連しているのかと思って、ぞっとしただけだ」
「“空間操作”?」
「……そのうちの一つが、別の空間を作り上げてこうやって出し入れしたりといった物だが……」
「空間……どこか別の場所、こういった広大な場所に瞬時に移動させた、という事かしら」
「いや、それはそうだがその空間は……待てよ? この世界ではそういった異空間を作り上げたりする、そういった魔法はあるのか?」
「聞いたことがないわね、“聖女”関係の魔法でそういったものはあったかしら」
「“聖女”の力はこの世界において必要だから置かれた“能力”だからああいった変なものもあるのはわかるが……空間。物を入れる袋の中でやけにたくさんのものが入る、そういった道具袋のようなものはあるか?」
そう聞かれて私は、
「確か宝物庫にそういった魔法の袋があると聞いたわ。とはいってもその中身の大きさは一定までしか行かないけれど、一つ一つに魔力を使うとかなんとか」
「その内部の大きさはどれくらいまでなら可能なんだ?」
「確か、10メートルが一辺の立方体のような形をしているとかなんとか」
「なるほど……それで、その立方体を幾つもつなげてしまえばある程度広い空間が作れて……そしてこういった中にあるものを逆に出して、屋敷などの跡に入れ替えられるのか。“空間操作”の一種ではあるがこの世界にあるものの使い方か、よかった」
「……どういう事?」
「いや、俺の思い過ごしだ。そして実は黙っていたが幾つか気になる点があるから、ここで話しておく。“聖女”の“夢”等では出てこなかった差異の話だ」
そこでどうしてそんな話になったのかと思っているとミナトが、追加で話さないことがあるといってくる。
だから私は黙っているとミナトは、
「俺が知っている話では、そもそもあの別荘に屋敷の生き残りのような少女が訪ねてくる物もあったんだ。だが今回は、そういった人は出てこなかった。そして痛い関係の話も出てきていないから認識操作と思ったが、ここに丸ごと移動させられていたとしたら……」
「まさか、なくなった屋敷ごとここに?」
「そしてその場所とつなげた関係で砂があちらに流れ込んだと。時間操作で風化して砂にも戻るが……さっき白い女が現れた所の先の空き地に、この色の砂が見えた」
「目ざといわね。ハルト王子の事で私は精いっぱいだったわ。そういった所もよく観察しておかないといけないわね……でないと私が守れない」
「あまり気負いすぎる方が良くないぞ。周りに見ている人間がいるならそれでいいと思え。一人で抱え込むとろくなことにならない」
「……ありがとう。っロジェン、勝手に動かないの!」
そこでロジェンが一人で行動を開始しようとしていて私が諫めるとロジェンが楽しそうに笑った。
「そこの岩の陰になっていたからそこからは見えないけれど、あっちの方に民家があるよ? それも五件ほどね」
などと言い出したのだった。
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