接触
そんなこんなで私達はイレイズに案内されてその消えていったお屋敷を見に行くことに。
彼らの手の内にはまりたくない、そういった話になり私達はまずは貴族のお屋敷を見に行った後は適当に家を回ることになったのだけれど……。
先ほどからミナトの様子がおかしい。
まるで警戒する何かがあるかのように背後を見て確認している。
どうしたのだろうと思って声をかけると、
「……あいつらがこっちを見ている気がしたんだ」
「あいつら?」
「そう、この世界の仲間だ」
「……別に出会えたならいいと思うけれど」
「俺、彼女たちから逃げたんだ」
それを聞いて少し黙ってから私は、
「女性に何をしたの? しかも仲間でしょう?」
「いろいろ事情があるんだよ。……俺は身の危険を感じたんだ。三人のうちだれかを選べといわれたって無理だ。俺はそもそも異世界人だ。なのに放しても分かってくれない……」
「そ、そう、大変ね。そういえばイレイズ、どういった話が聞けた? 白い女に関する話もあったりしたの?」
私は話題を変えようとイレイズにそう問いかける。
それにイレイズは苦笑いしながら、
「そうですね、結果として白い女らしき怪談は聞けましたが、この家の消失については全くと言っていいほど聞きません。ただ……」
「ただ?」
「その消えた家の周辺で、目撃はされているようです。恐ろしく白く美しい不気味な女が、歩いていた、と」
「誰かと接触している様子はあった?」
「いえ、私のように接触した人間はおらず……一人だけで動いていたそうです」
「……誰の手も借りないのは、その自分自身の力に自信があるから?」
私のつぶやきに、イレイズは絶句をしたように黙る。
でもその可能性があるとするなら……今までの白い女とは違って危険だ。
今までの者たちも嫌な形での攻撃であったけれど、今回は物理的な危険が特に強いかもしれない。
そう思っているとハルト王子が、
「白い女……か」
「ハルト王子、どうしたの?」
「いや……白い女に……リリーと一緒に出会う前に……」
呻くようにハルト王子が呟く。
それを聞きながらも私はハルト王子の顔色がおかしいと気づく。
体調が悪いのかもしれない。
それとも……ハルト王子には、
「白い女が出している良くない何かがハルト王子に影響しているのかも。ハルト王子、一度別荘に戻ってはどうかしら」
「だが……」
「そこにい白い女がつけ込んできては危険だわ。どのみち今日は軽く様子を見て別荘に戻るもの。罠かどうかわかっているから、それを踏まなければいいわ」
「だが“罠以外でも全部回れば発動”するかもしれないじゃないか」
ハルト王子がそこでそう……珍しく強い口調で告げた。
同時に私は何かの糸が切れる音が聞こえる。
そこで、
「くすくすくすくす」
笑い声が聞こえて、そして、白い女が現れた。
それも当然のように。
そこでミナトが、
「なんでここで……現れた」
「あら、あなたも“知っている人”なのかしら」
そう楽しそうにミナトの方を見て、次にハルト王子に向かって白い女が微笑んだ。
「お久しぶりですね。覚えています? いませんよね」
そう言って白い女はハルト王子に微笑み、そこで、ハルト王子は頭痛を覚えたように頭を押さえながら倒れこんだのだった。
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