疲労のせいかすぐに眠り
どうやら職務には忠実な真面目な男であるらしい。
だから先ほどはロジェンに弄ばれてしっまったようだが……そこで私は気づいてしまった。
ロジェンが何となく楽しそうにイレイズの方を見ていることに。
これはくぎを刺しておかないと、と私は思ってロジェンに、
「ロジェン、イレイズをあまり困らせたらだめよ」
「え?」
「え? じゃなくて、からかって遊ぼうという顔をしていたから、、先においっておくわ。いい、男の人をからかったりしてはだめよ?」
「でもボク、男だし」
「今は女の子でしょう? だから女の子としての行動をとらないと、襲われるわよ?」
そう注意をすると、イレイズがえっ、というかのように私の方を見たが、
「物のたとえです。自分の身を守るための行動は必要なの」
「え~、でもリリー、前は僕が後ろから抱きついたりしても全然何もなかったじゃないか」
「……ロジェンは私にとって異性というよりは、弟か何かのように感じるのよね。婚約者といっても実感がわかないし」
「……ボクの男としてのプライドがぞわぞわする」
「もしも戻れなかった時のことも考えて、今のうちにそういった事は覚えておいて損はないわよ?」
「え~、でももしも戻ったら女装癖やらなにやら出ちゃうかもしれないのにいいの?」
そう聞いてくるロジェンだが私は、
「今のところ戻れる当てもないし、今は女の子だからそんな風に行動するの」
「……なんだか理不尽な気がする。でもボクを心配してくれているからだものね。うん、だから大人しく少しは聞いてあげるよ。一応は、元婚約者で幼馴染だしね~」
と言いながらちらちらとハルト王子を見る。
だがハルト王子は無視しているようだ。
ただこうして話していると、
「大体の話は終わったし、食事をして今日は寝ましょうか。それで……部屋割りはどうしましょうか。大分人数も増えましたし、あの白い女が先払いで借りていたあの部屋も使わさせてもらうとして……どうする?」
「はい! ボクとリリーの二人で一部屋使いたいです。一緒に寝よう!」
「……面倒くさいから、この部屋で全員一緒に寝ましょうか」
私がそう呟くとそこでイレイズが、
「隣の部屋には二つベッドがありますが……」
「あまりあの女の気配があるところで寝たくないけれど……そうね。では昨日と同じでいいかしら」
「昨日と同じ?」
「私とハルト王子とロジェンで寝て、ロジェンが悪さをしないようにするの」
そうイレイズに告げると、イレイズは少し黙ってから、
「そうですね、その方が安全かもしれません。では我々は……」
「そっちのベッドが空くから、そちらで二人で寝て」
「……よろしいでしょうか」
イレイズがミナトにそう聞くとミナトが、
「まあ、この状況だからな。外で野宿をする人もどうにか出ない状況だし……贅沢は言えない」
「では、今日はよろしくお願いします」
といった話をしつつ、とりあえずは食事をとり私達は眠ることに。
疲労のせいかすぐに眠り……けれど私は、いつものように【夢】を見たのだった。
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