目撃したのだった
目を覚ました男はぼんやり落としているようだった。
けれど私達が見ているのに気づくとはっとしたような顔をする。
「あなた方は……」
「あなたが白い女に操られていた所を、回収したの。気分はどう? 何かおかしい所がある?」
私がそう聞くと彼は少し黙ってから、
「大丈夫です」
「そう、よかったわ」
私がそう返すと彼は戸惑ったように一瞬黙ってから、
「あの、俺は、貴方がたを殺そうと……」
「ええ、操られていたのでしょう? 仕方がないわ」
「……ありがとございます」
「いえいえ。それで、幾つか聞きたいことがあるのだけれど……何かの見ながらにする? それともお腹がすいている?」
「……おなかがすいています」
「そう。そういえば私もお腹がすいたし、他の人たちはどう?」
私がそう問いかけると全員がお腹がすいたと答える。
あれから色々あって話し込んでいたりもしたので、そういえば何も食べていない。
まだ何か残っているだろうかといった不安を覚えながらも私は、何か食事がないかを聞きに行ったのだった。
どうにかサンドイッチとスープを手に入れた私。
ギリギリ残っていたものを手に入れつつ、持っていくのをハルト王子に手伝ってもらった。
ロジェンは何故か空気を呼んだといって、手伝いから逃げた。
まったくロジェンは、と私が思っているとそこで運んでいる途中でハルト王子が、
「……やっぱり俺は、何かあるのだろうか?」
「そういって疑心暗鬼にさせてかく乱させるのも敵の手の内かも知れないわよ」
「だが物語で俺は出てこないようだから」
「でもミナトの知っている物語も絶対じゃない。すでに差異が生じているようだもの」
「……そうだな。だが……」
「どうしたのハルト王子」
そこで何かを言おうとしてハルト王子は黙ってしまう。
そして少ししてから、
「あの白い女の気配は嫌悪感があると同時に、どこか……知っているような既視感に見舞われた」
「知っている? 私達があの白で前に戦ったから、ではなく?」
「……そうだな、そのせいかもしれない」
そう言ってため息をつくハルト王子。
それを見ながらも思いのほかハルト王子が参っているのではと私は思う。
思ったのだけれど、元気を出させるために私は、
「大丈夫。だって私がいつだってハルト王子のそばにいて、何かあったら“聖女”の力で何とかするから、安心していればいいわ」
「そう……か?」
「そうそう」
私がそう言って励ますとハルト王子が微笑んだ。
どうやら少し元気が出たみたいだと思って元の部屋に戻ってくるとそこでロジェンが、今回助けた彼と腕を組んでみたりして、
「ふむ、顔を赤くしたりと初心な反応をしている。楽し~」
「え、えっと、あの、腕に胸が当たっているのですが……」
「うんうん、男だとそういった事が気になるよね。折角だからもう少しいじって遊ぼうか……あ、リリー、ハルト、どうしたの? そんなところで怖い顔をして」
そこで私は助けた彼をもてあそぶロジェンと、巻き込まれないように席を離れているミナトの様子を目撃したのだった。
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