疑われたのは気に入らない
この異世界人ミナトがゲームの世界で知っている話では、ハルト王子がそんなに目立った存在ではないらしい。
けれど今の戦闘では私達の中では必要な存在だしそれに、
「私の幼馴染で別荘に行くのよ? それならハルト王子がでてきてもおかしくないでしょう?」
「そうなんだよな。一応はいるにはいることにはなっているけれど、話のポジションとしては……攻略対象キャラじゃなかったから、でてこなかったんだよな。たしかボツ設定の関係でこうなったとか何とか」
「そのボツ設定については何か情報は有るの?」
「そのあたりは俺は読んでいないからわからない。すでに色々と俺が知らない状況になっているからどうなっていくかは全くわからない。ただ、あの白い女は四人にて、全員を倒せばクリア……のはずなんだよな」
「全員……そのうちの一人はこの前のロジェンの騒動で一人捕らえているわ」
「捕らえている状況か。滅殺しないと元の世界には戻れないようなんだよな、俺は。……そのうち城に潜入して倒しに行かないといけないのか。でもそのあたりは筋書き通りだよな」
「どういうこと?」
そこで私は筋書き通りという言葉が気になって聞いてみた。
まるで全てはじめから定められた道を歩いているかのよう。
それがハッピーエンドならば踊ってもいいとは思っていたけれど、そろそろ状況が変わりつつあるようだ。
私がそう思って聞くとミナトが、
「最終決戦はリリー達の城のはずなんだ。本当は前にあった時、リリーに助言を幾つかしたが……あの時は城の下見の予定だったんだよな。なのに、本来の主人公は能力がちょっとおかしかったし」
「おかしい? 私の能力が?」
「完全に目覚めていないようだったから。その遅れは“致命的”になると思って幾つか助言を俺はして修正したわけだ」
「そうなの……」
「そうそう。ただ、白い女は俺が以前一人倒しているし戦闘も今回の女ともしていたりしているから……リリーの能力発現イベントがいくつか削られる。そのあたりも補完しないといけない」
そこで補完しないといけない、と言い出したミナトにハルト王子が、
「それはこれ以上副作用のある魔法を使うということか?」
「そう、それなんだが……多少変わると言っても、服装が少し変わったりする程度だと思う。本来はそういったもののはずだったんだ」
「……ロジェンは」
「俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない」
「その話は置いておくが……そんなもしもの危険があるのならリリーに、受けさせたくない」
「だが今後を考えると、ハルト王子の件もあるから、先に手を打っておいたほうがいいんじゃないのか? 白い女はこのハルト王子が重要人物らしい話をしている」
それを聞いてハルト王子が沈黙する。
だがそこで私は、
「ハルト王子を疑うの? 彼は信頼できる私の幼馴染よ? おかしなことを言うと怒るわよ」
「気づかずに何かに巻き込まれている、そういったこともあるんだぞ。だから、信頼しているならなおさら、そういった人物の危険をどう減らすか考えたほうがいいんじゃないのか?」
そう私は言われてしまう。
もっともな意見だがハルト王子が疑われたのは気に入らない。
そう私が思っていると、
「……ここは」
そこで、白い女に操られていた男が目を覚ましたのだった。
評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。




