差異が
どうやら本当に、ミナトの言うゲームとやらは娯楽であるらしい。
私にとっては信じられない話だが、そういった遊びがあるようなのだ。
異世界。
私達の想像を超えた概念がそこには存在しているらしい。
そう思いつつもどこか奇妙に感じられた私は、
「よほど文明が進んだ世界みたい。一体貴方方はどのようにして生活しているのですか?」
「どのようにって……“普通”かな」
「……“普通”?」
「所持をとって寝て遊んで……触れる情報量は多くなっているし、こうやって向かい合って話さなくても遠距離の人間とも簡単に会話も文字も一瞬にして送れるし、便利というには便利かな」
「そんなものが……」
「でも日常になってしまうと、それが“普通”なんだよな。だからこの世界はある意味で新鮮だったな」
そうぽつりとつぶやいてミナトは黙ってしまう。
ミナトにとってこの世界は、日常の物とは違うらしい。
そう呟いてからミナトは、
「それで、俺達の世界にある娯楽。それがこの世界と酷似していて、大体の状況を俺は知っているわけだ」
「それはあんな他の世界でこの世界に似たもののゲームをしたことがある、という事かしら」
私の問いかけにミナトは頷く。
頷いてから、
「ただ俺が自分で買ったわけじゃない。妹が面白いゲームが手に入ったといって、薦めてきたんだ。何となくその時は暇だったからそのゲームが結構面白くてやりこんでしまったから、知っていただけだ。そして勧められるままに裏設定まで……」
そういって何故か頭を抱えてしまったミナト。
“乙女ゲーム”なるものをやった程度でどうしてそんなに頭を抱えることになるのだろうか?
私にはよく分からない、男ならではの葛藤があるのかもしれない。
などと私は思いつつ、
「それで私の能力なども知っていたのね」
「そうなるな。だがゲーム内でいくつかの展開があって、それで能力が解放される展開もあるから、俺が介入した時点でどうなんだろうなという気がしている」
「それは……そのゲーム内の筋書通りになっていないという事?」
「そうだ。もっともさっきのように介入して、能力を目覚めさせたりしたけれどな。そうするとこうなったわけだが……う~ん」
「どうしたの?」
「いや、もともとこの世界とゲームでは微妙に似ているようで似ていない。ゲームならリセットしてセーブしたところから始められるからそれもできないし。それに……俺の知っているリリーの髪形は、こちらなんだよな」
そこで私のツインテールを指さすミナト。
どうやら彼の知っている“私”は初めからこの髪形であったらしい。
そのあたりも差異であるようだ。
また、次にロジェンの方を見て、
「俺が知っているのはロシェの方なんだよな。ロジェンて誰だという気もするし」
「え~、女体化をボクはさせられたのに~」
「……」
ロジェンの言葉に凍り付くミナト。
私はため息をつきながら、
「それで他にどのような差異が?」
「あ、ああ。……白い女の一人を俺が事前に倒したことと、そこに入るハルト王子という……俺の知っている範囲では“モブ”だった人物が目立ってここにいるという話かな」
そう言ったのだった。
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