ゲームとは
裏設定。
そう口にしたミナト。
本来であれば表に出てこない、物語などに出てくる設定を指す場合が多いだろう。
けれどミナトはそう口にした。
そしてそれが一体何に関係があるのだろう。
そもそもそれではまるで、
「……貴方は、私達が出る物語を知っているように聞こえるわ。“乙女ゲーム”の世界を知っているみたいに聞こえる。どういった話になっているのかしら」
「この世界らしからぬ“乙女ゲーム”発言。……そういえば聖女には“可能性の片鱗”を“視る”事が出来るとかなんとか。その“可能性の片鱗”が、そういえばこの“乙女ゲーム”の世界なんだ! といったメタい設定があったようななかったような。どうだったかな、それか?」
「だからその設定ってなんなの? まるで私達が物語の登場人物のように聞こえるわ。……私が見ているあの映像の物語のように」
不気味な感覚を覚えながら私はそう返すとミナトが、
「そうなんだよな。俺達の世界では、多分、リリーが見ているその聖女としての能力? の映像……それが一連の長い物語として、存在している。それが“乙女ゲーム”だ」
「……箱庭の……魔法?」
「魔法というよりは“科学”というものだが、そのあたりの説明は置いておく。……前にこの世界の人に話したら、可愛そうな人間を見るような目で見られたからな。いまだに異世界人だと信じてもらえないあたりでもう少し、説明を変えた方がいいのかもしれないが……そういった、映像、音楽、文字などが組み合わさったそういった物語があるんだ。それが俺達の世界では、この話に関しては家庭用携帯ゲーム機の物だったりする」
そう話しているのを聞きながら私は、確かに私の見ている物は、私自身を俯瞰したような光景で、文字によって説明がなされていた気がする。
まるで鏡を見ているような、そんな私が文字で語りかけていたのだ。
そしてそれは、このミナトの世界ではゲームとして存在しているらしい。
だがそれは一体どういった目的で作られたものなのだろう?
そういった模型を作って……この世界を侵略でもするためのモデルか何かにしているのだろうか?
もう少しそのゲームとやらの話を聞かないといけない。
そう思って私は、
「そのゲームというのはいったいどのような目的で作られたのですか?」
「目的? 目的……う~ん、今現在の状況でいいんだよな?」
「ええ」
私はどんな答えが返ってくるのだろうと思って、ごくりとつばを飲み込む。
するとミナトは、
「娯楽だ」
「え?」
「娯楽。遊び道具の一つだ。映像音楽物語……しかも、ある程度それを見ているプレイヤーが介入できるそんな物語だ。その介入できるというものが選択肢をいくつか選べるものから、自由に狩りに行ったり……といった冒険ができる物まで色々だけれどな」
「ええっと、つまりそれは、本当にただ物語として? この世界をモデルにしたのではなく?」
「俺、こんなファンタジーな異世界が本当に存在しているなんて知らなかったし、俺達の世界でもそれが存在していると信じている人間はほとんどいないと思うんだ」
そうミナトが疲れたように返してきたのだった。
評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。




