ツインテールになる程度
私の髪がツインテールと化してしまったのは、どうやら彼の能力の副作用であったらしい。
とはいえ彼の力がなければ私達はあの場面で大変なことになっていたし、力に目覚めることもなかったかもしれないが……でもそういえば私に力を使うときこの、ミナトという自称異世界人は何と言っていただろうと思いだす。
確か、危機に陥って能力隔世的な話をしていた気がする。
でも、どうして彼はそれを知っていたのだろう?
そう問いかけようとしたところでロジェンが、
「その“副作用”でボク、“女の子”になっちゃったんだよね」
「俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない」
ロジェンのその言葉に、ミナトが青くなりながらそう繰り返し呟いた。
確かに彼は好意で怪我を治そうとしてきて、その結果、“副作用”でロジェンは女の子になってしまったらしい。
ミナトは何も悪くない……かもしれない。
ただ聞きたいことがいくつかあると私は思って聞こうとした所でロジェンが、
「でも、ボクこんな風に女の子になっちゃったんだよね~。本当は男で王子様だったのにお姫様になっちゃったんだ~」
「……」
「どう責任取ってくれるのかな~、そう、せ・き・に・ん。女の子になっちゃったしね~」
「……」
沈黙して、今すぐ逃走しようとするかのように椅子から立ち上がったミナト。
それを見ながら、またロジェンはからかっていると思いながら、そして今ここでミナトが逃げたら私が話を聞けなくなると思いつつ、
「ロジェン、ミナトをからかうのはやめて」
「え~」
「聞かないといけない話が沢山あるの。女の子生活を楽しんでいるから構わないでしょ」
「リリーはボクが男に戻って欲しくないの?」
「男だろうと女だろうと、私の幼馴染のロジェンはロジェンでしょ? 全く性格が変わっていないからどちらでもいいわ」
「……そっか。リリーにとっては、ボクはボクなんだ」
「そうよ、何を言っているの」
「ん~、ハルト~、どう思う?」
そこでなぜかロジェンはハルト王子の方に話を振るが、ハルト王子は嘆息して、
「……いいから話の腰を折るな」
「は~い」
といった話をする。
まったくロジェンはと私は思いながらもふと気になったことがあったのでミナトに、
「そういえばロジェンのように、そういった女の子になる“副作用”って今まであったの?」
「いや、ない。こんな風になったのは初めてだ。そもそも“副作用”といったって軽微な作用があるだけで……大体がその、リリーのようにツインテールになる程度なはずだ。ただ……」
「ただ?」
そこで口ごもるようにミナトが呟いてから、何かを思い出すように天井を仰ぎ見てから、
「確か“ロシェ”、今はロジェンだったか……それが聖女の能力覚醒でTS……性別が変わったといった裏設定があった気がするんだよな。そこまで気にせず読んでいただけだから俺は詳しくないが、そういったものがあった気がする。うん、衝撃的だから覚えていたから、多分間違いない」
そうミナトはよく分からないことを言い出したのだった。
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